竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

「曲がり角の先には一番いいものが...」(花子とアン)→「十五訓」(生澤雅夫教授)

2014年09月27日 | 民話
今日で朝ドラ「花子とアン」が終わりましたね。
花子役の吉高由里子、英治役の鈴木亮平、蓮子役の仲間由紀恵も好評だったが、
美輪明宏の語りもユニークで素晴らしかった!



「曲がり角のさきには、きっと一番いいものが待っている」
「曲がり角のさきには、美しい景色が待っている」

赤毛のアンのように、常に希望を持って生きたいものである。

ところで、最近私が「座右の銘」にしている言葉があるので
皆さんにご紹介したい。




これは、わが恩師のひとり、生澤雅夫教授(大阪市立大名誉教授 発達心理学 1928 - 2003)から
贈られた色紙です。

私たち団塊の世代が年老いていく中で、肝に銘じたい言葉で詰まっています。
毎朝、声に出して読む価値があります:


★十五訓★

人生ことをなすときは
 一に体力 二に気力
 三四がなくて 五に努力

一で体力 なんとする
 いろいろ食べよ よく眠れ
 息はおなかだ 長く吐く
 星の六点 足の指
 足腰つかえ よく歩け
 体のすみずみ とくほぐせ

二で気力を なんとする
 考え抜いて みきわめよ
 迷うときには つらいほう
 真正面から 取り組めば
 失敗しても 経験だ
 最後のたより やはりわれ

五で努力を なんとする
 一年二年 さきを読め
 ひとのはなしも よく聞いて
 ねらいさだめて さあかかれ
 千里の道も 一歩ずつ
 やすむときには しっかりと

       (c)生澤雅夫教授


赤毛のアンの言葉から
ふと、生澤先生の言葉を思い出し、
皆さまに紹介した次第です。

それでは、みなさま、来週まで御機嫌よう!
(この挨拶も、朝ドラともに今回でおわりかな!?)






★グリムと民間伝承研究会★第60回例会★京都府立大・10月12日・「近代的フォルク像の源流」

2014年09月20日 | 民話

猛暑の夏も落ち着き、ようやく秋らしくなってきました。
みなさま、お元気でいらっしゃいますか?



四季咲きの薔薇「クイーン・エリザベス」が初秋に我が家の庭で
またきれいに咲いてくれましたので、花瓶に入れて、愛(め)でています!

 さて今回は、日本独文学会の秋季大会に合わせて、
大会2日目午後にグリミンの例会を開催します。

★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★第60回例会案内★

★今回は 長崎外国語大学 准教授 田口 武史先生に ご発表いただくことになりました。
  先生は、最近 『R・Z・ベッカーの民衆啓蒙運動』(鳥影社)を出版されました。
  本書では「ベッカーの著作と彼と同時代の啓蒙論・社会現象からVolkの概念と
  その社会的・文化的機能の変化を」明らかにしておられます。
  今回は本書の出版を機会に「近代的フォルク像の源流」について発表いただくことになりました。



●日時: 2014年10月12日(日)午後1時30分から(時間厳守)
      午後1時30分~4時 研究会(時間厳守)
     午後4時~5時 懇親会(大学近辺の喫茶店・自由参加)
●会場:
 京都府立大学(〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町1-5)
         稲盛記念会館2階 206教室
道順:JR京都駅から地下鉄烏丸線「北山駅」下車、正門まで南へ約600m)
キャンパスアクセスガイド : 京都府立大学

●内容:
 
★研究発表 午後1時半~ 
   
田口 武史(長崎外国語大学 外国語学部 国際コミュニケーション学科 准教授)

  下層民としてのVolkから国民/民族としてのVolkへの推移
     ― R.Z.ベッカーの民衆啓蒙運動を手がかりとして ―

 【発表の概要】  
  本発表は、啓蒙主義末期のドイツで活躍した啓蒙家・ジャーナリストであるR.Z.ベッカー(1752-1822)の活動が、
  Volk像およびロマン派の民衆文学観に与えた影響を考察するものである。
  ベッカーは農民を対象に生活面での啓蒙運動〈Volksaufklärung〉を展開し、主著『農民のための救難便覧』を
  農家に広く普及させた。また多くの啓蒙市民の賛同も集め、当時かなりの影響力を持っていた。
  ところが彼の思想運動は、社会状況の急激な変化に伴って次第にその相貌を変え、
  最終的にはナショナリズム運動に化した。
  この過程とVolk像の変化とを照らし合わせ、両者の因果関係を指摘する。
     
     
●参加費 500円


■次回グリミン例会予告■

★第61回例会:
 2015年2月 武庫川女子大学にて卒論合同発表会
            (野口ゼミ、浜本ゼミほか)

★第62回例会:
2015年度日本独文学会春季研究発表会(武蔵大学 5月30日~31日)
の2日目午後において開催予定
  上記の例会の研究発表を募っています。
  特に大学院生はじめ若い研究者の積極的なアプライを期待しています。
  希望者は世話人までご連絡ください。

★世話人
池田香代子
竹原 威滋
野口 芳子

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■学会情報■

★日本独文学会春季研究発表会
  2014年10月11日~12日
  京都府立大学
  ●口頭発表(11日14:30~D会場)
ロマニストとゲルマニスティク
―E・R・クルツィウスの著作におけるグリムへの言及
横道 誠
   「読書の民主化」と「読書の規格化」
     ―ドイツ連邦共和国の読書文化に対するブッククラブの影響
            竹岡 健一
 そのほか学会の研究発表、詳しくは下記サイト参照:
    独文学会案内

★日本口承文芸学会 第67回研究例会
 2014年10月18日(土)13:00~16:30 
    白百合女子大学(東京都調布市緑ヶ丘1-25)
    2号館地階 2008教室
  ●シンポジウム「口承文芸モチーフの分布と伝播」 
     東アジアにおける昔話モチーフの分布 斧原孝守
     ユーリー・ベリョースキンによるコンピューター・データベース
                        直野洋子
     環太平洋の神話            山田仁史
        司会              齋藤君子


★日本児童文学学会第 53 回研究大会
  2014年10月18日(土)~19日(日)
     京都女子大学 U校舎(幼児教育棟)
  ●シンポジウム「ディズニーやジブリはどのように児童文学をアニメ化してきたか
          アニメに描かれた少女キャラクターを中心に ― 」 
19日(日)13:00~15:20 U校舎地階・U004 教室
      登壇者:須川亜紀子(横浜国立大学准教授)
            西原 麻里(京都女子大学他非常勤講師)
            目黒 強(神戸大学准教授)
      司会者:横川寿美子(帝塚山学院大学教授)
  そのほか学会の研究発表、詳しくは下記サイト参照:
    児童文学学会案内


今日のブログは、秋の学会シーズンにあわせて、学会・研究会の案内でした。
来週まで、お元気で。御機嫌よう。さようなら!




奈良橿原の民話絵本「きたばやしのたぬき」が刊行される!(橿原ライオンズクラブの50周年記念事業)

2014年09月13日 | 民話
集中豪雨にみまわれた今年の夏もようやく終わったようですね。
今朝は、さわやな秋の日差しを浴びました。
皆さん、お元気ですか?
 
我が家の百日紅(サルスベリ)も暑さに負けず
見事の色合いで夏の余韻を楽しませてくれましたよ。




さて、今日は奈良の民話絵本の紹介です。

先日9月10日の奈良新聞の記事で知りました。

------記事より--------------------

今年で50周年を迎える橿原ライオンズクラブ(竹中邦夫会長、65人)は、
橿原市の子どもたちに古里を愛する心を育んでもらおうと、
市内に伝わる民話2話の絵本(縦横19・6センチ、24ページ)を制作した。
取り上げた民話は、タヌキが人間に恩返しをする同市曽我町の「きたばやしのたぬき」と、
天照大御神が磐座(いわくら)に隠れる神話で知られる香具山地区の「天の岩戸と七本竹」。

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「橿原市 民話絵本をつくる会」のメンバーによって仕上げられたそうです。
文章は市内で読み聞かせなどをするグループ世話人2人。
絵は奈良芸術短期大学の研究生2人。

乳幼児にも分かりやすいように出来ているそうです。

絵本は、各400冊つくられ、橿原市立図書館はじめ県内の図書館にも
配布され、閲覧できるようにするとのことですので、
そのうちに手に取ってみようと思います。

ところで、「きたばやしのたぬき」は、高田十郎編『大和の伝説』に崎山卯左衛門氏の報告として
「第298話:北林の狸」と題して掲載されています。(この本は絶版です。)

もっとも、私どもが最近発行した
村上郁再話『子どもと家庭のための奈良の民話』第2巻「動物たちの話」の
37頁にも載っているので、お読みいただくとありがたいです。

むかしの人は、動物と身近につき合いながら、生きてきたのですね。
「北林家の狸」は、ナーミン・テラー(奈良の民話を語りつぐ会の語り手)にとっても
人気のお話で今夏の奈良民話祭りでも、語られましたよ。


今日は、奈良の民話絵本の案内でした。

来週まで、御機嫌よう! さようなら!


『ドイツ奇人街道』(関西大学出版部)を読む!オイレンシュピーゲル/ほら吹き男爵/魔法使いファウスト

2014年09月06日 | 民話
大雨で大変だった今年の夏ももう少しの我慢ですね。
読書の秋も、もうすぐ。
今日は最近読んだ本のご紹介です。




『ドイツ奇人街道』(関西大学出版部)です。

ドイツといえば、「ロマンチック街道」、「メルヘン街道」が定番ですが、
「ドイツ奇人街道」って、ありましたか?
もちろん、ありませんよね。
この本が最初です。

日本でいえば、「石川五右衛門」という大盗賊が歴史上、いたそうですが、
庶民の口にかかると、義賊としてもてはやされ、浄瑠璃や歌舞伎でもとりあげられていますよね。

「一休さん」も歴史上は、室町時代の臨済宗の僧一休宗純のことですが、
子どもたちにとっては頓智ばなしで有名ですよね。

ドイツでもこのように歴史上の人物が、庶民の口にのぼると、
いたずら者の主人公、ほろ吹き話の主人公、魔術使いの主人公としてどんどん尾ひれがついて
物語の主人公に仕立て上げられていくのです。

すると、どこまでが実在の人物で、どこからが物語の主人公かわからなくなりますね。
本書では、ドイツにおけるそのような「奇人」を取り上げています。



「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 リヒャルト・シュトラウスの交響詩でも有名ですね。


「ほら吹き男爵ミュンヒハウゼン」  ケストナーの作品にもありますね。
これは、砲弾に載ってトルコ陣営の様子を偵察しているところ。ほんとかいね!


「魔法使いファウスト博士」 これはゲーテの戯曲であまりにも有名!

本書では、そのほか、ドイツの「奇人」を全部で12人を取り上げ、
一般に知られている人物像と歴史上の生涯を資料に基づいてきちんと紹介しているので
とても興味深いです。
おまけに、現地の調査もしているので、実際に観光でたずねて、地元の人々に「奇人」がどのように受け入れられているかもわかります。
親切に地図や多数の写真も掲載されています。


機会があれば、ぜひ「ドイツ奇人街道」も歩いて見てください。
先ずは本書を読んでから。
詳しい目次はサイト参照:
『ドイツ奇人街道』(関西大学出版部)

今日は、読書案内のブログでした。

では、来週まで、ごきげんよう、さようなら!