竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

ならまち民話探訪/敦賀で開催の昔話学会に行ってきました!

2011年10月31日 | 日記
10月25日には曇り日でしたが、
語り手入門講座の方々と「ならまち民話探訪」をしました。


興福寺の「菩提院大御堂」で村上郁さんの語る「十三鐘の石子詰め」を聴く。

現地の民話スポットで聴くと、やはり味わい深く、参加されたみなさん、満足されたようでした。

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さて、この週末、10月29日、30日は、敦賀で開かれた昔話学会に行ってきました。

詳しいプログラムは10月3日のブログの後半をご覧ください。

金田久璋先生の「福井の餅なし正月」の講演は地元の民俗・風習にも詳しい方だけあって説得力のある内容であった。


野村敬子先生の「口語リの可能性」の講演で、「桃太郎」は桃から裸で生まれたきたとは限らず、着衣のまま誕生というのもあると聞いて、一寸法師などの「小さ子」の系譜に繋がるのかと、納得した次第である。


桃太郎絵巻 着衣での誕生。


田中文雅先生の講演「若狭路の民話の出会い」を聴く参加者。

福井弁で語られた朽谷洋子さんの「花咲か爺」は、印象的な語りだった。
金沢昔ばなし大学で学ばれ、共通語から再話し、自分の語りにされた経緯もお聞きした。

杉の子サークルの紙芝居と人形劇もたのしく見聞しました。


福井県旧北陸街道の木の芽峠の「言うな地蔵」の紙芝居。


福井県上中町 柴峠での「山姥と馬子」の人形劇。

そのあとのシンポジウム「図書館における昔話の再生」は、
昔話にかかわる研究者と実践者の真摯な対話がなされ、
画期的なことであった。
学会が研究者どうしの内向きの活動でなく、子どもとかかわる語り手の方々に
専門家として積極的にかかわり、支援していくことがいかに大切かを痛感した。
今後の学会のあり方を指し示す貴重な集会であった。

ならまちの民話・現地探訪(10月25日午後2時半・近鉄奈良駅前集合)一緒に行きませんか!

2011年10月22日 | 日記
「なら・語り手入門講座」では、10月25日午後に
ならまち・奈良公園を歩きながら、ならの民話を語ります。
受講生以外の奈良の民話に関心のある方々も、(もちろんナーミンの方々も)
よろしかったら、秋日和の午後、いっしょに歩きませんか?

10月25日午後2時半・近鉄奈良駅・行基像噴水前に集合です。
コースは、以下の通りで約2時間です。


東向き通 → 餅飯殿通 → 采女神社 → 不審ヶ辻 
→ 興福寺菩提院 → 春日大社大鳥居 → 影向の松
→ お旅所にて解散。

下記の民話地図で道順を確認してください。

ならまち民話地図

ならまち民話地図WEB版


民話スポットで声に出して読んだり、実際の語りで聴いていただく話は以下の通りです。

「東向き」の由来 → 「餅飯殿」の由来 → 采女神社の由来
→ 不審ヶ辻の鬼 → 十三鐘の石子詰め 

前回の「ならまちの民話・現地探訪」の様子は
下記のブログをご覧くださいね。

2011/1/17のブログ

当日は、天気予報では晴れですが、いい天気になりますように!

なら講座(12月11日奈教大):加藤久雄が「奈良のことば」を解き明かす!

2011年10月17日 | 日記
奈良県内の12大学で「奈良県大学連合」 が結成されています。
国立、公立、私立の枠を越えて、それぞれの大学での教育・研究の
充実・向上を図るだけでなく、この地における新たな文化・学術の
創造、地域住民・産業界への貢献を目指しています。
その「奈良県大学連合」主催による「なら講座」について
耳寄りな話をいたしましょう!

加藤久雄(奈良教育大学教授・国語学)先生が
奈良のことばについて講演されます。

先生のメッセージを記します。

関西に暮らす私たちは、「関西弁」といっても、
大阪のことば、京都のことば、奈艮のことばの違いを微妙に感じます。
また、奈良のことばといっても南の方と北の方とでは違いがあるように
感じます。
奈良のことばは、どのような特徴を有しているのでしょうか。
全国の方言との比較をしながらお話しします。

このブログをお読みの方々には、「日常語で昔話を語る」ことに
関心をお持ちの方もおられることでしょう。
関西弁、奈良弁について基礎的な知識をもっていると
きっと役に立つでしょう。

是非、加藤先生の講演をお聞きになることをお薦めします。

12月11日(日)午後2時50分から4時20分
奈良教育大学 大会議室です。

先着順予約申込みです。

詳しくは下記のサイトをごらんください。

講座「奈良のことば」

今日は講座の案内でした。

グリミン第53回例会(10月16日)案内:野口芳子がグリム童話における7の数字を読み解く!

2011年10月10日 | 日記
今日は、グリミン(グリムと民間伝承研究会)の第53回例会の案内を
します。

グリミンは、グリム童話を初めとしてドイツ語圏の伝承文学を研究する
グループです。
この研究会については以前にも紹介しましたが、
詳しくは、下記のサイトをご覧下さい。
グリムと民間伝承研究会

今回は、金沢大学で開催される日本独文学会の開催にあわせて
開かれるので関西からは少し遠いですね。
一応、案内だけでも読んでみてください。


 ★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★第53回例会案内★
                   2011年10月8日

水害をもたらした台風が通過、秋も本番を迎えました。
 グリミンの皆さま、お元気でいらしゃいますか。

 さて今回は、日本独文学会の秋季大会に合わせて、
大会2日目午後にグリミンの例会を開催します。
 平素参加しにくい方々も是非奮ってご参加下さい。

 今回は野口芳子さんが
「グリム童話における7の数字―固定観念を覆す使用法」と題して
新たに発掘された資料に基づき、発表していただきます。
 


●日時: 2011年10月16日(日)午後1時30分から(時間厳守)
       午後1時30分~3時 研究会(時間厳守)
       午後3時~5時 懇親会(大学近辺の喫茶店・自由参加)
●場所:
 金沢大学 角間キャンパス
  自然科学本館 204講義室
●道順:
 「金沢駅東口」6番乗り場より北陸鉄道バス 「93・94・97金沢大学行き」(兼六園下経由)
 に乗車、「金沢大学自然研前」下車。(料金350円、所要時間約30分)
      金沢大学 角間キャンパス・アクセス
●内容:

 ★野口 芳子(武庫川女子大学教授)
 「グリム童話における7の数字―固定観念を覆す使用法」

発表要旨:7は現在では一般に「ラッキーセブン」といって、幸運な数だと
思われているが、ドイツの百科事典では7は幸運と不運を併せ持つ数で、
魔術や呪術の数と指摘されている。実際、グリム童話の中に現れる7は
ほとんどの場合不運を表す。
それは中世の民の価値観を表しているのであろうか。
両義的意味を持つ7が、グリム童話の世界と現在とで異なるのはなぜ
なのだろう。
聖書や古典文学、図像学など様々な文献に当たりながら、
その理由を解明しようとして奮闘した。
この発表では夏休み中取り組んでようやく結論に達した、
その最新の拙論を披露する。

興味深い発表を楽しみにご参集ください。

●参加費 500円

■なお、独文学会の秋季発表会でもメルヘンや文化に関連する発表や
シンポが下記のように、ありますので、あわせてお聞きください。

★シンポジウムI 10月15日(土)10:00~13:00 A会場(大会議室A)
 ハプスブルク神話とその規範をめぐって  
  司会:田中まり  コメンテーター:松村國隆
  発表:磯崎康太郎、佐藤文彦、高橋麻帆、早川文人、元吉瑞枝

★口頭発表: 文化・社会1/文学1 
          10月15日(土)10:00~12:35 E会場(103講義室)
3. E.T.A.ホフマンの Maerchen の独自性
― 『マイスター・フロー』を中心に ―  小崎 肇 11:20~11:55

★シンポジウムIV 10月15日(土)14:15~17:35 B会場(AV講義室)
 ロマン派の時代の危機意識とユートピア
  発表:坂本貴志、佐藤朋之、松原良輔、岡本和子、桑原聡

★シンポジウムVI 10月16日(日)10:00~13:00 A会場(大会議室A)
 エーリヒ・ケストナーとその時代  
  発表:寺井紘子 青地伯水、児玉麻美、永畑沙織

下記の学会サイトもご覧下さい。   
 http://www.jgg.jp/index.php?easiestml_lang=jal

★世話人
   池田香代子
   野口 芳子
   竹原 威滋

さらに詳しく情報を得たい人は私のもうひとつのブログもご覧下さい。
特に例会案内のあとに新刊情報が載っています。

グリム童話と民間伝承に関心ある方の対話の広場

小澤俊夫講演「『モモ』と昔話」を聴いてきました!/昔話学会敦賀・若狭路大会を案内します!

2011年10月03日 | 日記
9月30日(金)に京田辺市で小澤俊夫先生の講演会があり、行ってきました。
エンデ『モモ』を昔話の様式との比較において解き明かされました。


岩波書店発行の『モモ』を手にして講演中の小澤先生

ファンタジーの『モモ』には、昔話の様式がいたるところに秘められていることを
指摘され、なるほどと納得しました。

先ず、『モモ』の目次には、対照的な表現がなされている。
円形劇場という孤立した舞台設定。
主人公モモの異様な姿は他から孤立した人物 → 昔話の主人公と同じ設定。
亀のカシオペアに乗って時間のありか行く/むこうで1日、ここでは1年 →浦島太郎を連想させる。
止まった時間が動き出すところの人物描写 → いばら姫を連想させる。
そもそも話全体の構造そのものが主人公のこちらとあちらとの往還形式になっている。
昔話の構造と同じである。

野暮なまとめはこれくらいにします。
受講者は、長年の体験に裏打ちされた先生の説得力のある話に
すっかり魅せられ、家路に着かれたことと思います。

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昔話の魅力にとりつかれた皆さんに耳寄りな情報を流しましょう。
秋の昔話学会では、「図書館における昔話の再生」をテーマにしたシンポジウムがあります。
そのプログラムを載せておきましょう!

日本昔話学会2011年度 敦賀・若狭路大会
会場 ニューサンピア敦賀 〒915-0813 福井県敦賀市呉羽町2 Tel:0770-24-2111

■10月29日(土)
◆開会の挨拶                 須田悦生氏(静岡県立大学名誉教授)
◆公開講演会(第1部) 13:30~17:00
・福井の餅なし正月-稲作文化論と口承文芸の視点から―金田久璋氏(敦賀短期大学講師)
・『越前若狭の伝説』(杉原丈夫編)の編纂に携わって― 永江秀雄氏(福井県郷土誌懇談会理事)
・口語リの可能性                  野村敬子氏(国學院大学栃木短期大学講師)
◆図書館“読み聞かせ”活動交流会 17:00~17:50

■10月30日(日)
◆公開講演会(第2部)10:00~12:00
・若狭路の民話の出会い           田中文雅氏(就実大学元教授)
・若狭路の民話のおもしろさ         松本孝三氏(大阪大谷大学講師)
◆シンポジウム13:30~17:00
・基調報告・図書館における昔話の再生    齋藤壽始子氏(児童文化研究会)
・実践報告・図書館がつなぐ子どもと昔話   田中智美氏(福井県立図書館)
     ・図書館で語る福井のむかしばなし 朽谷洋子氏(福井おはなしの会)
     ・図書館・学校で語る敦賀のむかしばなし
                      寺井三枝子氏・服部清子氏(敦賀おはなしの会)
     ・紙芝居「言うな地蔵」「山姥と馬子」 橋詰照美氏・吉水祥子氏他(杉の子サークル)
司会:加藤康子氏(梅花女子大学)/阿部奈南氏(関西外国語大学短期大学部)
◆閉会の挨拶                福田晃氏(立命館大学名誉教授)

日本昔話学会事務局
〒430-8533 静岡県浜松市中区中央2-1-1 静岡文化芸術大学文化政策学部 二本松康宏研究室
   TEL&FAX 053-457-6155   E-mail: y-niho@suac.ac.jp

関西からは少し遠いですが、思い切って参加することにしました。