竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

大塔の篠原踊りが新たな形で伝承されていく!そして語りも・・・「国民文化祭」にエントリーしよう!

2015年01月31日 | 民話
奈良新聞の1月30日のコラム「國原譜」で県教育委員会の森本仙介さんが語った言葉が紹介されていた。

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▼民俗文化財は長い時間をかけてその土地の風土に適応してきた地方野菜のようなものー。
逆に言えば限られた土地でしか育たない。生育が悪いからと、肥えた土地に移植しても枯れてしまうだろう。
土となるのは世代をついで重ねられた歴史や目然、そして人だ。

▼五條市大塔町篠原に伝わる篠原踊りが、25日に地区内の神社で奉納された。
集落の人ロは16人。昨年は踊り手不足で奉納できなかった。

▼保存会は初めて地区外に踊り手を募り、半年間練習を続けて当日に臨んだ。
男女16人による奉納は壮観だったという。

▼「民俗文化財は個人から個人に伝承されていくもの」と森本さんは言う。
教える人の姿が教わる人に生き写しとなり、その土地に溶け込んでゆく。
生活世界は違っても、篠原地区の遺伝子は受け継がれて絶えない。(増)

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皆さん、「篠原踊り」のこと、ご存知ですか。

村にオオカミが出没し、その被害が大きかったので、村中総出で氏神様に祈りを込めた踊りを奉納した結果、
オオカミ退治が成就し、村に平和が戻ったことが篠原踊の由来であると伝えられています。




ところで、文化活動を全国的な規模で発表する「国民文化祭」の平成29年度(第32回)開催地に、
奈良県が内定しました。このほど文化庁で内定書交付式があり、荒井正吾知事が青柳正規文化庁長官から
内定書を受け取りました。
荒井知事は「東京オリンピック・パラリンピックに向け、奈良県が進める文化振興をさらに発展させることになる。
日本の精神文化と国家形成の地である古都大和から、文化・芸術の神髄を全国に発信できる機会。
奈良のオリジナル文化を発掘し、全国に発信したい」と抱負を述べました。
(奈良新聞1月29日の記事より)


きっと、篠原踊りもエントリーするでしょう。

私も比較民話研究会の仲間たちと大塔村(現五條市大塔町)や東吉野村で民話の調査をし、
オオカミの話も聞きました。

右記ブログオオカミのおんがえしを参照!

できたら、ナーミン・テラー(奈良の民話の語り手)による民話も「国民文化祭」に参加して
全国の人々に奈良の語りの文化を紹介したいなー。

今日は、新聞記事に触発されて、私の夢を語りました。

みなさま、インフルエンザがはやっています。
風邪をひかれませんように!

では、来週末、ブログでお会いしましょう!



★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★第61回例会案内★2月8日(日)武庫川女子大学

2015年01月24日 | 民話
今日は、研究会の案内です。

★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★第61回例会案内★

新春を迎え、皆さま、お元気でいらっしゃいますか。
今年こそ、自然災害や事故のない、そして平和な年でありますように。

★今回は武庫川女子大学の野口ゼミの学生10名と、関西大学の浜本ゼミと溝井ゼミの各1名に
  発表してもらうことになりました。

 ブログを見ていただいているみなさま!
 ナーミンのみなさま!
 関西学院大学、関西大学、梅花女子大の院生のみなさま!

  都合つけば、是非とも、聴きにきてくださいますように!
  若い学生たちの斬新な発表を聞いて、励ましてあげてください。

            記

●日時: 2015年2月8日(日)午前10時~午後5時半
     (時間厳守:早めにお出でください) 
     (昼休みが短いので、必ずお弁当をご持参ください)
●場所:
 武庫川女子大学 鳴尾キャンパス MM506教室(マルチメディア館 5階)
   〒663-8558 西宮市池開町6-46 文学部 
 (当日連絡:野口芳子研究室 0798-45-7948)

●道順:
 阪神電鉄・梅田→(急行10分)→尼崎→(普通10分)→
 鳴尾→(徒歩7分)→大学
  案内地図は下記サイトをご覧下さい。
  武庫川女子大アクセス

●内容: 各自、発表15分、質疑など10分 計25分です。

★ 卒 論 合 評 会 ★
■10:00~12:00 発表・午前の部
10:00-10:10 グリミンについての説明        グリミン世話人 竹原威滋
 10:10-10:20   開会挨拶:今年の卒論の紹介       指導教授 野口芳子
1.10:20-10:45 グリム童話とドイツ伝説集における「鍵」について 森よし美
2.10:45-11:10 グリム童話とドイツ伝説集における「14」について 安田 彩
3.11:10-11:35 グリム童話とドイツ伝説集における「嫉妬」について 片岡美嘉
4.11:35-12:00 グリム童話における「農民」について 竹中美貴

■12:00~13:00 昼食(出席者紹介)
日曜日ですので、大学食堂も休みです。買いに行く時間がないので、
★各自、弁当・お茶をご持参ください★

■13:00~14:40 発表・午後の部 I
5. 13:00-13:25 グリム童話における「踊り」について 谷川絵里
6.13:25-13:50 ドイツ伝説集における「白」について 中村真美
7.13:50-14:15 グリム童話における「剣」について 上野 望
8.14:15-14:40 グリム童話における「足」について―人間及び異界の存在を中心に―
                                      総田ひかり
■14:40~15:10 ティー・タイム休憩

■15:10~16:50 発表・午後の部 II
9.15:10-15:35 グリム童話における「お金」について 辰巳由貴
10.15:35-16:00 ドイツ伝説集における多胎児について 石黒はるな
11.16:00-16:25 「死の舞踏」に表現された死とは―民衆の視点から死と社会を読み解く
(関西大学浜本ゼミ) 片岡こるり
12.16:25-16:50 「赤文字のイメージ―日本とロシアの文化的背景から」
(関西大学大学院溝井ゼミ) クリサノワ・サーシャ

■16:50~17:30 総合質問および総括

日曜日なので18:00 までに大学退出厳守です。
時間厳守で始めますので、9時50分には集合してください。


■次回グリミン例会予告■

★第62回例会:2015年度日本独文学会春季研究発表会
        [武蔵大学 5月30日(土)・31日(日)]
         の二日目:5月31日午後に開催します。
  上記の例会の研究発表を募っています。
  特に大学院生はじめ若い研究者の積極的なアプライを期待しています。
  希望者は世話人までご連絡ください。

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■学会情報■

★アジア民間説話学会日本支部2014年度総会・研究大会
・日時:2015年2月14日(土)13:00-16:30
・会場:立命館大学衣笠キャンパス 存心館2階707教室
(JR京都駅または円町駅からJRバスまたは市バスにて「立命館大学前」下車)
・大会参加費:1,000円 (*学部学生は無料)
<プログラム>
13:20‐14:30 話題提供1 立石展大氏(高千穂大学)
「日中『シンデレラ譚』の比較について」
14:40‐15:50 話題提供2 金賛會氏(立命館アジア太平洋大学)
「祖母嶽伝説と韓国 -鉄文化の視点から-」
16:00‐16:30 昔語り 小栗栖真弓氏(姫路おはなしの会)
「兵庫県の昔話・伝説」
<問い合わせ先>
〒603-8577京都市北区等持院北町56-1 立命館大学文学部鵜野祐介研究室
電話075-466-3142、e-mail: y-uno@fc.ritsumei.ac.jp

★説話・伝承学会 大会 予告:
 2015年5月2日~3日 京都女子大学
 シンポジウム:巡礼伝承の世界

以上です。

今日のブログは研究会に案内でした。
では、また、来週まで、お元気で!

新刊紹介:小林将輝『グリム童話の旅 グリム兄弟とめぐるドイツ』:メルヒェン街道のベスト・ガイド!

2015年01月17日 | 民話
今回はグリム・メルヒェン街道の案内書の新刊紹介です。


小林将輝『グリム童話の旅 グリム兄弟とめぐるドイツ』(小澤昔ばなし研究所)

グリム兄弟が生まれた町ハーナウからブレーメンを結ぶメルヒェン街道には、
シュタイナウ、カッセル、マールブルクなどグリム兄弟ゆかりの町や、
ハーメルンやシュヴァルムシュタットなど、メルヒェンや伝説と関わりが深い町が並びます。
本書は、グリム兄弟の足跡をたどりながら、メルヒェン街道沿いの町々をめぐる案内書です。

目次から:
1 グリム兄弟が滞在した町
  ハーナウ:グリム兄弟が生まれた町
  シュタイナウ:少年時代の楽園
  カッセルー三度暮らした故国の首都 ほか
2 メルヒェン街道の町
  シュヴァルムシュタットー赤ずきんの里
  トレンデルブルクー騎士たちが集った中世の城
  ザバブルクーいばら姫が眠る悠久の城 ほか
3 記事に出てくるグリム童話
  がちょう番のむすめ
  ラプンツェル
  赤ずきん ほか

私もたびたびドイツ・メルヒェン街道を歩いていますが、
グリム兄弟の住んでいた住居を訪ねても、今は戦災で焼けて、たいてい別の建物が建っていて
その場所が特定できず、探すのにとても苦労しました。

でも、本書では、きちんと地図でその場所を明示してくれているので、助かります。
例えば、16頁にはグリム兄弟がカッセルの町で数度にわたり移り住んだ場所が
住んだ期間とともに地図にマークしてあります。

本書を手引きに一人でも十分メルヒェン街道を安心して歩けます。

おまけに、3章ではグリム童話のゆかりの地で
その作品を読めるよう、テキストも付いているのです。
例えば、サバブルクでは「いばら姫」を読んでグリム童話の世界に浸ってください。

本書は、コンパクト版でありながら、情報が多くの図版・写真とともに詰まったベスト・ガイドです。
さあ、これをもってメルヒェン街道を歩こう!


日本人は、実にグリム童話が好きですね!
いままでのも、以下のように多くのガイドブックが刊行されています。
私が手元に持っている本を以下に挙げておきましょう!

図書館等で手に取って見てください。
本書以外にもお気に入りのガイドブックが見つかるでしょう:

(グリム兄弟とメルヒェン街道)
*グリム童話の旅 グリム兄弟とめぐるドイツ 小林将輝 小澤昔ばなし研究所 2014
*グリム童話で旅するドイツ・メルヘン街道  地球の歩き方GEM STONE 沖島 博美/朝倉めぐみ絵 ダイヤモンド社 2012
*ドイツメルヘン街道 夢街道 グリム童話・伝説・魔女の町を歩く 西村佑子 郁文堂 2011
*グリム童話の魔女たち ドイツ魔女街道を歩く 西村佑子 洋泉社 1999
*グリム童話のふるさと 小沢俊夫/南川三治郎/石川春江 とんぼの本 新潮社1986
*グリム 森と古城の旅 宮下啓三/NHK取材班 日本放送出版協会 1986 
*グリム童話とメルヘン街道 高橋健二監修 くもん出版 1985

今日は、新婚情報のブログでした。

インフルエンザが今冬もはやり出しています。
うがいとマスクをお忘れなく!

では、来週末までお元気で!


神戸の古代エジプト展で、新年早々、ファラオになってみました!

2015年01月10日 | 民話
新年早々、初めての遠出、神戸に行きました。


神戸市立博物館で「メトロポリタン美術館古代エジプト展」をみました。


展覧会のテーマは、「王女と女神」で、紀元前15世紀の「ハトシェプスト女王」(手前の写真)がメインの展示でした。
この女王にまつわる品々や、愛と美と豊穣を司るハトホル女神をはじめ、
当時の人々から篤い信仰を集めた女神たちの像やレリーフ、
また王家の女性たちを美しく彩った豪華な装身具、デザイン性に溢れた化粧道具なども紹介されていました。


これは「二つのガゼルの頭がついた冠」です。
当時の女王はこんな素敵な王冠をかぶっていたのですね。

それはさておいて、思いきってファラオの衣装を着て、王さま気分を味わってみました。


ちょっと見えにくいが、頭には蛇形記章がついています。
これは、コブラが頭をもたげた形の女神ウアジェトです。


ツタンカーメンの黄金のマスクを見れば、蛇形記章がよくわかるでしょう。
もっとも、ツタンカーメンはコブラのもう一つ奥に
上エジプトの守護神で白いハゲワシの姿で描かれるネクベトも付けています。
この二つで上下エジプトの統一を表しているそうです。
(展覧会にはツタンカーメンは来ていませんよ。別の資料からコピーしました)

コブラとハゲワシで象徴された二人の守護神を頭にいただくファラオ。
いかにファラオが強い権力を持っていたか、わかりますね。

初めての体験ですが、私も新年にファラオになりきってみました!!
なんとなく、力がみなぎってきたようでした。

(展覧会は明後日12日までです)

この一年、元気に過ごせますように!

では、みなさま、来週末にまたブログで会いましょう!


2015年ブログ年賀状:今年もよろしくお願いします。竹原威滋

2015年01月04日 | 民話
みなさま、
明けましておめでとうございます。

2015年元旦

竹原威滋




2014年を振り返って:私の5大ニュース

1.東北被災地 陸前高田で「奇跡の一本松」に出会ったこと。

    この体験を後世に伝えていきたい!

2.奈良民話祭り第5回目を迎えたこと。

    小さい祭りながら、夏の風物詩になるように続けていきたい!

3.『村上郁再話 子どもと家庭のための奈良の民話』3巻セット (京阪奈情報教育出版)が刊行されたこと!

    関西一円の子どもたちに読み聞かせられるように!

4.『グリム童話とドイツ伝承文学における父親像と母親像』(野口芳子編 日本独文学会研究叢書102号)が刊行されたこと。
    世界のシンデレラの三つのタイプについて論じたが、今後もグリム童話と世界の民話の比較研究をしたい!

5.ブログを開設(2010.3.31.)して5年目を迎えること。
    今年も、週末にはブログでお会いしましょう!

今年も語りの文化について気づいたこと、考えたこと、見聞したことを綴っていきますので
是非、お付き合いくださいね!


皆さまのご健勝とご多幸をお祈りいたします。
本年も、よろしくお願い申し上げます。

95歳の母とともに新年を迎えることができました。

では、今週末にまたブログでお会いします。