竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

小澤俊夫『昔ばなし大学ハンドブック』が刊行されました!

2016年05月28日 | 民話
今日のブログは、新刊書の紹介です。

このブログを見てくださっている方々は、
日々、子どもたちにお話を語っておられる皆さんもいらしゃるでしょう!

創作童話を語ると、聞いてくれない子どもいるけど、
伝承童話、つまり昔はなしを語ると、ほとんど例外なく目を輝かせて最後まで聞いてくれる。

そんな体験をお持ちの方がいらしゃるでしょう!

それはなぜなのでしょう!

口伝えの昔はなしは、耳で聴くので、時間の流れに乗って、
頭に自然に物語の世界が展開できるような様式になっているのです。

そのことを分かり易く、多くの昔ばなしを例示しながら解説してくれている本が出たのです。



昔ばなし大学ハンドブック  小澤俊夫著 読書サポート刊  税込価格:1,728円

--------本書のカバーの案内文---------

「昔ばなし大学」基礎コースのエッセンス。
昔ばなしからのメッセージ、語り口の法則、土地言葉による「語り」のポイントなどを、
豊富な事例とともにわかりやすく解説。
昔ばなし研究の第一人者の、60年間の活動が凝縮された一冊。

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小澤先生は、スイスのメルヘン学者:マックス・リュティの主著を翻訳されました。
『ヨーロッパの昔話』(岩崎美術社、1969)、
『昔話 その美学と人間像』(岩波書店、1985)

その後、リュティのメルヒェンの様式論を実証すべく、
日本の民話、世界の民話をひろく読み解き、
『昔話の語法』(福音館書店、1999)において
リュティのメルヒェン理論をさらに発展させ、
日本の読者に分かり易く紹介されてきました。

さらに、日本全国で「昔ばなし大学」を開講され、
本書は、そのテキストの一部をハンドブックとして刊行されました。

リュティ理論には、一次元性、平面性、抽象性、孤立性、含世界性など
一見、むつかしそうな文芸用語が出てきますが、
小澤先生は、グリム童話の「白雪姫」、沖縄の昔ばなし「七つ星」など具体例に即して
とても分かり易く、昔ばなしの語り口の秘密を明らかにしてくれています。

私も本書を手にして、「なるほど、なるほど」とうなずきながら、一気に読んでしまいました。

目次を挙げます。

-------(小澤俊夫著)---------

1 開講にあたって
2 白雪姫を読んでみようより
3 昔話が語る子どもの成長
4 昔話の語り口には法則がある
5 語りの魅力(藤井いづみ、額田美那子、杤谷洋子)
6 語り口の法則を発見するために
7 昔話のおもしろさの秘密
グリム兄弟の少年時代と青年時代(小林将輝)

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皆さまも、是非、読んでみてください。

今日は、久しぶりに本の紹介でした。

ところで、「美しき5月」もあと少しですね。


我が家の野バラも見事に咲いてくれました。

では、来週末にまたブログでお会いしましょう!
お元気で!


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