竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

「2012年度 語りの入門講座Ⅱ」申込締め切りました!/「奈良・語りの文化研究所」のHP更新しました!

2012年09月29日 | 日記
応募多数につき、「2012年度 語りの入門講座Ⅱ」の申込を締め切りました!
詳しくは、ここをクリックしてみてください。

定員に達しましたので、一般の方からの応募は締め切りました。
奈良教育大学の学生・院生からの応募は引き続き募集いたします。

9月26日朝10時30分までにお申し込みいただけた方は全員参加いただけますので
講座の初回、10月9日(火)午後2時までに104教室にお集まりください。
奈良教育大学への道順については交通アクセスをご覧ください。

--------------------------------

「奈良・語りの文化研究所」のHPを更新しました!

とくに、■イベント情報をご覧ください。

私の関係する、秋からの公開講座などを紹介しています。

1.奈子連40周年記念講演会:グリム童話初版編者所持本に隠された秘密 ―「いばら姫」の語り手の素顔に迫る― 10月18日 はぐくみセンター1F NEW 申込受付中!

2・東洋大学創立125周年・『グリム童話』刊行200年記念国際シンポジウム 10月20日 東洋大学白山キャンパス5号館「井上円了ホール」 NEW

3・グリム童話刊行200年記念 シンポジウム 10月28日 武庫川女子大学 マルチメディアホール NEW

4・講演会:グリムまつり: グリム童話の世界へようこそ! 11月17日 LICはびきの2F NEW

5.佐保川まちづくり塾C:グリム童話と奈良の民話 12月8日・22日 奈良県立図書情報館1F交流ホール NEW 申込受付中!

6.講演:昔話とメディア ―「いばら姫」をめぐって ― 11月20日 あすのす平群 NEW 企画中!


特に、2.3.は、ドイツ・カッセルのグリム兄弟博物館のラウアー博士を迎えて、
グリム童話刊行200年を記念して国際シンポジウムがありますので、
東洋大学か、武庫川女子大学にぜひお出でください。

本日のブログは、秋の講演のご案内でした。


★ドイツ・メルヘン街道を歩く★その2:グリム兄弟の少年時代の町シュタイナウ

2012年09月23日 | 日記
今回は ★ドイツ・メルヘン街道を歩く★その2
グリム兄弟が少年時代を過ごした町シュタイナウです。
前回同様、写真で綴りましょう!



シュタイナウ城から一望した町並みです。



ドイツ鉄道「シュタイナウ駅」から30分ほど歩き、キンツィヒ川の橋を渡ると、旧市内に入ります。
街道沿いの美しい町です。先に見える塔の方向が町の中心部です。

グリム兄弟のお父さんが1791年ハーナウからこの町の判事として赴任してきたのです。
兄ヤーコプは6歳、弟ヴィルヘルム5歳です。



この白い建物は、父の勤務する地方裁判所です。2階が裁判所で、1階は一家の住む公舎になっていました。
グリム兄弟は、この家で少年時代の楽しい日々を送ったわけです。
今は「グリム兄弟博物館」になっています。



この町には、ハーナウの伯爵たちによって16世紀に建てられたお城がありました。



中庭からみたお城です。グリム兄弟はここを遊びの舞台に飛びまわていたことでしょう!



お城の入口にはグリム兄弟のレリーフが懸かっています。



町の境界に流れるキンツィヒ川のせせらぎです。
グリム兄弟はここで川遊びもしたことでしょう!



これは「町の泉」といわれ、中世の時代、城壁内のいつでも水が確保できた唯一つの泉でした。
グリム兄弟の家から近く、兄弟は好んでこの泉のほとりで遊んでいたと伝えられています。



グリム兄弟のお祖父さんが、1730年から1777年の間、牧師をしていた「カタリーネン教会」です。
聖カタリーネンは、シュタイナウの町の守護聖人で、教会の名前にもなっています。
宗教改革後カルヴァン派の教会となったのです。
シュタイナウは、お父さんのふるさとでもあったのです。
この教会の前には「メルヘン・ブルンネン」(童話の泉)があります。



ラプンツェルの長い髪を伝って塔に登る王子さまと
蛙の王さまとお姫さまもみえますよ!



このモニュメントは、グリム兄弟生誕200年を記念して1985年に建てられました。



メルヘン・ブルンネンの左手奥にみえる建物は、お城の厩舎です。
今は、人形劇場になっていて、週末にはグリム童話の人形劇が上演されます。



移動劇団「木の頭たち」が70年前、ここに落ち着き、マーガズッペ家の人たちによって
マリオネット劇場が運営されています。



町の一角にある何気ないブティックのお店ですが、
家の壁絵がすごいですね!
グリム童話の「いばら姫」や「赤づきんちゃん」がなどの挿絵が描かれいます。
少し拡大してみてみましょう!



これでよくわかるでしょ! 「ヘンゼルとグレーテル」、「狼と七匹の子やぎ」もありますね。



右端に見えているのは半円筒の建物で「防御塔」です。
この壁から木の棒が伸びていて、その先に鉄でできた籠があります。
これは中世に用いられた刑罰道具「シュナップ籠」なんです。
この中に罪人をいれて、上下する、そして下の川につけると、溺れてしまいます。

「魔女」もこの中に入れられたのでしょうか!
実際、シュタイナウの町でも、1592年、 1613年に魔女が一人、処刑されたそうです。
(西村裕子著『ドイツメルヘン街道・夢街道』より)



それから、市壁の防御塔が「魔女の塔」として、町の観光案内パンフレットにも載っていました!

さてさて、恐ろしい話になってきたので、話を元にもどしましょう!



厩舎の右手奥(二つの木の間に)にみえる建物は、昔、税関が置かれたところだが、今、レストランになっています。
そこに入って休憩しました。



スープを注文しました。なんと「雪白と紅ばら」というグリム童話の名前がついていたのです。
生クリ―ムとニンジンスープ、なるほど、雪白ちゃんと紅ばらちゃんだった。

グリム兄弟はやがて、シュタイナウの町を離れ、カッセルの町に住むことになります。

お父さんが、1796年に、病没したからでです。その時、グリム兄弟は11歳と10歳でした。



これは、1384年に建てられたフッテン病院です。町で一番古い木組みの家なんです。
父の死後、グリム兄弟一家は、一時、ここに数週間住んだことがあります。

次回は、★ドイツ・メルヘン街道を歩く★その3:グリム兄弟の中等学校時代の町カッセル です。

お楽しみに!



「2012年度 語りの入門講座Ⅱ」開講案内!

2012年09月17日 | 日記
このブログをいつも見てくださっている皆さまに耳よりな話をお知らせします!

奈良教育大学において、「2012年度 語りの入門講座Ⅱ」が開講されます。 


 「地域と伝統文化」教育プログラムでは3年間にわたり「なら・語りの入門講座」を実施し、
50名を越える語り手を養成してきました。
 奈良に伝わる仏教説話、鬼や龍の話から、悲恋や母子の人間愛の物語をレパートリーとする語り手たちは、
奈良教育大学で毎夏年開催される絵本ギャラリーや大学図書館「絵本のひろば」で地域の子どもたちに
奈良の民話を語ってきました。また、本学の学生・院生もその活動をサポートしてくれています。



 今年度はそのような語り手たちや本学の学生・院生を対象に、
語りの世界の面白さを堪能すると同時に語りのノウハウをさらに身につけて、
「学ぶ喜び」を体験することを目的として「語りの入門講座パートⅡ」を開講するこすることとなりました。

 児童や生徒、子どもや孫に民話を語ってみたい方々の参加をお待ちしています。


◇ 日時: 毎週 火曜日午後2時~午後3時30分(下記日程)
10月9日(火)~12月18日(火)・全10回開講
(11月20日を除く毎週火曜日)

◇ 会場: 奈良教育大学 講義棟  104教室

◇ 講師:本学名誉教授 竹原 威滋  語り手: 村上 郁
 
【対象】本学大学院生・学生・教職員、一般市民、 【定員】50名(先着順)
 
【申込期間】9月18日(火)~9月28日(金)  【参加費】無料

【申込方法】FAXまたはe-mailで、
講座名・氏名・年齢・住所・電話番号・e-mailアドレスを記入の上、下記に申し込んでください。
先着順とします。

【申込み・ 問合わせ先 】奈良教育大学 青木智史研究室 

   Tel & Fax: 0742-27-9188  Mail: aoki(a)nara-edu.ac.jp

詳しくは、大学のHPの「地域と伝統文化」教育プログラムHPをみてください。


★ドイツ・メルヘン街道を歩く★その1:グリム兄弟の誕生地ハーナウ 

2012年09月15日 | 日記
このほどカッセルのグリム博物館でグリム童話の国際シンポジウムがあり、
そのかたわら、ドイツメルヘン街道を歩いてきました。

★ドイツ・メルヘン街道を歩く★
と題して写真で綴ります。

今回は「その1:グリム兄弟の誕生地ハーナウ」です。



関西空港から12時間の飛行で、無事、フランクフルト国際空港に着陸する。
そこから、列車で約30分で、グリム兄弟の誕生地ハーナウに着く。




市庁舎前の「マルクト広場」には、グリム兄弟の銅像が建っている。




椅子に座り、本を読んでいるのが、弟のヴィルヘルム(1886年2月24日生まれ)
斜め後ろに立って本を覗きこんでるのが兄のヤーコプ(1885年1月4日生まれ)
二人は、 一歳違いで、生涯仲良く暮らし、文学、語学、法学、民俗学の研究をした。
お父さんは、ヘッセン侯国の役人で、ハーナウで書記官をしていました。




今もなお、ハーナウの子どもたちに愛されるグリム兄弟。




グリム兄弟の生家は、市庁舎のすぐ北側にある「フライハイト(自由)広場」にあったが、第2次世界大戦で破壊された。
今はその場所に記念の石碑が建てられている。



その石碑には次のように書かれている。
「この場所の斜め向こうに、1945年に破壊されるまで
言語学者でメルヘンを集めたヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟の生家が建っていた。」



17世紀の初頭、信仰の自由を求めてやってきた人々によって建てられた「ワロン・オランダ教会」である。
第2次大戦で破壊されたが、戦後その一部が再建された。



ヘッセン地方には、フランスから多くのユグノー教徒(カルヴァン派信徒)が亡命してきた。
彼らは知識人や手工業者が多く、ハーナウでは金細工工業も盛んであった。
この建物は、立派な木組みの館「ドイツ・ゴルトシュミーデ(金細工)博物館」である。
館中ではこの地方で作られた金銀細工の装飾品が展示されている。

次回は、グリム兄弟が少年時代を過ごしたシュタイナウを紹介します。
お楽しみに!

紀伊田辺図書館では、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家に魔女が現れる!

2012年09月03日 | 日記
週末に紀伊田辺に行ってきました。
楽しい2日間でした。


奈良に住む私は、ホテルの窓から久しぶりに輝く海を見ました!

この素敵な海辺の町で ワークショップと講演をしました。

■ワークショップ:再発見!田辺の民話 
    ―ならまち民話地図に学ぶこと―
  田辺にはどんな民話があるのでしょう?あっちの松、こっちの池にまつわる
  民話をご存知ですか?奈良のならまち民話地図をお手本に、地域にまつわる
  民話の大切さについてのワークショップです。

■講演会比べてみよう!語り・絵本・アニメの世界 
    ―グリム童話「いばら姫」―
  グリム童話集初版から200 年が経ちました。グリム童話や日本の伝承文芸研究家
  である竹原氏が、グリム童話の魅力を解説。その後、村上氏が「いばら姫」を語り
  で紹介。語り・絵本・アニメの違いをたっぷりとお楽しみください。

詳しい内容は、案内ポスターを見てください!

主催者のカルチャーof キッズのみなさまは、子どもたちに楽しいイベントをしていました。

紀伊田辺図書館のロビーに「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家が建てられました。



子どもたちがお菓子を作って飾りつけたそうです。



そのお菓子の家に魔女があらわれ、子どもたちにお話をしていました。



そして魔女は大型絵本で「大きなかぶ」を子どもたちに語り聞かせていまいた。



やがて魔女たちは魔法のお鍋から、なにやら不思議な霊気を出して、みんなを幸せな気分にさせてくれました。


図書館の入り口では、グリム童話と挿絵の展示もされていましたよ。



正面の絵は、「いばら姫」(絵巻)です。



グリム童話には200話が収められた「大きな版」と50話が収録されたダイジェスト版の「小さな版」があります。
これは1825年に出版された小さな版です。


最後に、紀伊田辺が生んだ孤高の科学者「南方熊楠」の顕彰館に行きました。

熊楠は、博物学、民俗学の分野における近代日本の先駆者的存在であり、
同時に「隠花植物」と呼ばれていた菌類・変形菌類などの日本における初期の代表的な研究者です。
顕彰館は、熊楠が遺した蔵書・資料を恒久的に保存するとともに広く公開し、
熊楠に関する研究を推進しています。
柳田國男が熊楠にあてた書簡もたくさん保存されており、
その一部も見せていただきました。
蔵書には雑賀真次郎の『南紀熊野の説話』、『牟婁口碑集』など貴重な民話集もありました。
このような文献から「ふるさと・田辺」の民話も再話して語ってみるといいなと思いました。

顕彰館の横にある熊楠邸の玄関で記念写真をとりました。



今日は、紀伊田辺からブログでした。

講演を聞いてくださった紀伊田辺のみなさん
図書館、顕彰館のみなさま
そしてカルチャーof キッズのみなさま
あ り が と う !