えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

・車番組聞き流し

2020年05月16日 | コラム
 有料チャンネルのテレビをコンピュータゲームの代わりに観るようになってから一年ほど経つ。残念ながら昨年の今頃に放映していた武器づくり番組『マスター・オブ・アームズ』のシーズン2や再放送の機会はなく、定期的に放映されている車を取り扱った番組をぼんやり流している。日本で例えるならば『劇的ビフォーアフター』などだろうか。ほとんどの番組が車を改造したりレストアする過程が中心となる。ものを作る過程を中心に放送するコンセプトは『マスター・オブ・アームズ』も同じだとは思うが、飾り物の武器と日用品の車とでは愛着も違うのだろう。タレントも出ず、若い女性が騒ぎに来ることもなく、どの番組も趣旨は違うが基本的にはまじめに仕事をしている。
 現在「モータートレンド」シリーズとしてまとめられている『名車再生!クラシックカー・ディーラーズ』『カー・SOS』『廃車復活!スクラップヤードチャレンジ』『カスタムカー』『スーパーカー改造』『ファスト&ラウド』、あとは『ミリタリー・モーターズ』がよく流れている。イギリスの番組とアメリカの番組が程よく入り混じり、廃車にされた軍用車両を扱うのが目玉の『ミリタリー・モーターズ』以外は誰でも聞き覚えのある車メーカーの車をずらりと取り扱う。
今年から放映の始まった『廃車復活!スクラップヤードチャレンジ』は少々毛色が違い、廃車の車庫から使えるものを組み立ててスーパーカーとのタイムアタックに勝利するという趣向だ。第3回目では45度の坂道をスーパーカーの出した10秒以内に駆け上るというチャレンジで、脱落チームが出たものの、最終的にはほぼフレームだけの小型の車の後ろ半分を切り落としてスズキのバイクを二台合体させたスチームパンクな一台が4秒の記録を叩きだして勝利した。文字に落としているだけでも面白いので再放送の視聴を周囲に勧めているがなかなか理解していただけない。
たとえば『名車再生!』で、ボンネットを押すとぶかぶかと沈むシトロエン2CVをメカニックのエド・チャイナが「では、この車のサスペンションは本来よりもなぜ柔らかいのでしょうか。それをこれから分解して確かめてゆきます。」とオレンジの手袋をはめた手で部品を外してゆく立て板に水の口上は聞いていて快いし、錆びついた部品が黒いオイルをこぼしながら銀色に磨かれる映像はすっきりする。余分な苦渋の表情を省き、砥がれた牛刀のように修理も転売もストンストンと決めてシンプルにまとめるところは『カー・SOS』と同じお国柄を感じさせる内容だ。
 とりあえず『カー・SOS』のティム・ショーが「リチャード・ハモンドです」と自称するせりふが十二分に「車番組ネタ」だと分かる程度には見慣れてきたとは思う。もう少し車以外の番組で興味を惹くものが出てくれるとありがたいのだが。

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