そんなことを書いていたら唐突に月曜、雪の予告が成されて火曜のおやつ時にはしんしんと音を立てず小さな粒で少しずつ地面を冷やしその上に積み重なろうとする雪が降り出した。一時間二時間と時間が経つにつれて公園の木々や植え込みは雪化粧を纏い、道路の日陰となる隅々にはひそやかに白い雪の塊が積もり出す。アスファルトを覆うにはまだまだ温度が足りなさそうだが、時間の問題だろうと四時の明るさを遮るようにシャッターを下ろした。シャッターを下ろしてもガラス戸は冷たい。カーテンを引いてようやく暖房が肌を温めだした。その上へさらに上着を重ね、膝掛けをひいて、かじかまない指先で仕事用のキーボードを叩き続ける。月初は油断がならない。いつ何が飛び込んできても驚かないよう指をキーに滑らせている。物音は聞こえない。勝手口の窓が薄く明るい。夕方の光をまめに跳ね返して青白く外が光っている。雪景色は嫌いではない。足跡のない真っ白な道路は美しいと思う。それを歩かなければならない時にようやく疎ましく思う。降り始めの雪は氷の本性を隠して白く、ぼたん雪のような塊は見かけとは反対にすっと溶けてしまう。粒のきめ細かい雪は髪へ染みこむように溶けながらもしたたかに頭を冷やして積もる。シャッターを下ろすときに歩いていた人はまだ傘を差していなかった。今は窓の外で傘を差しているのだろうか。今日もまた予報が半々に当たり止んだり降り出したりを繰り返して今は雪に近いみぞれが窓を叩いている。
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