goo blog サービス終了のお知らせ 

トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

FT726修理依頼有り(受信不良は送受切り替えリレー)

2015-12-05 16:41:41 | アマチュア無線

 以前、アマチュア無線で栃木県の方と交信したときに、私の現用機と同じ八重洲FT726トランシーバーが故障しているのだが、愛着(受信感度の良いのが魅力とのこと)が有るので、何とか治してもらえないかということだった。

430MHz帯の受信が全然ダメ(送信はOK)なのと、バンドUP/DOWNスイッチが動作不安定、周波数ずれがあるという症状だ。
取り敢えず見てみることにし、先週の「電子工作サークル」に持って来てもらった。
SGで入力に信号印加しても、受信出来ていないので、私の予備機に使用している430MHz帯モジュールに交換(コネクタ3個を差し替えるだけ)してみると、ちゃんと受信出来るので、モジュールの不良と断定出来る。

時間が掛かりそうなので、まずは、後回しにし、バンドUP/DOWNスイッチを見ることにした。
スイッチ基板裏からテスターで導通チェックすると、スイッチが接触不良になっている様だ。
基板にたどり着くには、プラスチック製表面パネルを外さなけれなならない。
小さなツマミは差し込み式なので、そこまでは外せるが、メインダイヤルの外し方が分からない。サービスマニュアルにも詳しくは書かれていない。
分かったのは、ダイヤルのすべり止めゴムグリップ輪を外すと(1mm程度の厚さしかない)6角穴付きいもネジが見つかるので6角レンチで緩めると外れる。
それでも、どこか固定されている様だ。ネームプレートを剥がすと小ねじが有り、これを外すとやっとパネルを外すことが出来た。
パネル固定部のモールドは劣化しており、ボロボロと割れてしまい、半分以下しか固定出来ない。

タクトスイッチには12mm角のが使用されており、手持ちも標準品と寸法関係が一緒だったので交換する。バラックでは正常動作が確認出来たので組み立てたら表示がされなくなった。
コントロール基板の3端子レギュレータ(5V)が熱くなっており、出力電圧も0.5V程度しかなく、どこかでショートしている様なので、接続コネクタを抜いて行き正常に動作したところに絞り込む。
すると、先程スイッチ交換した基板に行き着く。
原因は基板を180°間違えて取り付けた為に半田付け部分が本体板金に接触してショートしていたものである。正常な方向に付け直して正常に表示される様になりホッとした。
次に、受信部の調査を開始。
分解する前に一番怪しいと予想していた送受切り替えリレー(富士通製FBR221:製造中止品でセカンドソースも無し)接触不良(実際の送受切り替えリレーは、送信モジュール内の高周波リレーG4Y152Pで行っており、今回のリレーは、これの切り替えと受信回路のON/OFFを行っている様だ)が予想的中!透明カバーが外せるので、接点復活スプレーを吹きかけるとSGからの信号でメーターが振れた。私もモジュールとも比較したが、それより少し感度の良い結果となったので、良しとする。
周波数ずれについては、送信出力を周波数カウンターに接続しFM無変調で測定する。
600Hz程度低い周波数になっている。スペアナでも観測してみる。
PLL用の元発振水晶の周波数を可変(トリマコン)すると各バンドでずれが生ずるので、第1混合用の水晶発振周波数を調整(可変インダクタ)して合わせる。時間変化するので、1時間以上運転した上で合わせる必要がある。
依頼者に連絡をとったところ、交信可能ということだったので、430MHz帯FMでワッチするとコールが聞こえてきた。相手は八木アンテナなので、最大になる様に回してもらうと、なんと+60dBまで振れる。
問題無さそうなので、明日、自宅に引き取りに来ることになった。
(注;修理優先で今回の写真を撮影していなかったので、以前撮影しました私の所有機写真を流用しています)
12/10電話が有り、運用でのレポートで、問題無いとのお墨付きをいただいたとのことで、安心した。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする