全国のおもちゃドクターから、ブログを見ての電源製作の問い合わせが多いので、「日本おもちゃ病院協会」の季刊誌にも製作記事を掲載する様、約束したものの、なかなか時間が取れなくて、タイムリミットの今年中ギリギリになってしまった。
シリーズレギュレータータイプのは資料が出来ており紹介したのだが、これでは電流が1A程度で、出力電圧が低いと発熱も多くなるのでスイッチング方式とした。一緒のおもちゃドクターには、以前メモで製作してもらったものの、現物調整でその場限りのものだったので、今回は、ちゃんと計算して回路図を作成したものの、使用したスイッチングレギュレータ(秋月から300円で入手出来るHRD05003E)の詳細資料(ADJ端子の内部抵抗)が無いので、試作して確認することにした。
このスイッチングレギュレータは基準電圧が2.5Vなので、このままでは最低出力電圧が2.5Vからとなるが、5倍増幅のOP-AMPを入れることで最低電圧を0.5V(2.5V÷5=0.5V)に下げることが出来る。
切り替えも秋月で入手出来る安価(150円)なロータリースイッチ[RS-2688-0112-38N]を使用して、ユニバーサル基板にナット固定し、切り替え抵抗はスイッチ端子に直に半田付けする。ロック金具の位置で、任意の接点数で止められる。
電源ON/OFFはRC端子を使用することで、少ない電流で制御出来る。配線漏れなど有ったが、何とか動作。半固定抵抗で調整してやると、計算通りに近い各電圧を示し、安心した。抵抗は1/4W・5%偏差を使用。負荷は約8Ωを接続。マブチモーター負荷でも変動は無かった。
最低動作電圧は13.3Vと、意外と入出力電圧差は小さい。
入力保護用としてイーエレで販売(10個以上だと10円/個)されているローム製・過電流保護素子(ICP-N38)を使用した。
レンジ 実出力
1.5V 1.48V
3.0V 2.99V
4.5V 4.46V
6.0V 6.00V
7.5V 7.51V
9.0V 9.01V
10.5V 10.53V
12.0V 12.04V心配していたのは、切り替え時、スイッチがその間オープンになるので、電圧が一瞬上昇する現象で、予想通りその現象が出た。
スイッチングレギュレータのコントロール端子と出力間に100uFの電解コンデンサを入れることで大分改善はするが完全には無くすことは出来ない。
1.5Vから3Vに切り替えた時、最大7.28Vに上昇(左波形)。
注意書きで逃げるしか無い様だ。
スイッチングノイズは12V出力時P-Pで264mV(左から2,3番目波形)。1.5V時は右波形で、スイッチング周波数も低くなる。
異常発振はしていない様だ。
最大出力電流は入力用のACアダプタ容量に関係するが、3Aまで使える。
1/3 皆さん参考になるコメント有難う御座います。
・コレクターさんから紹介の有りました共立エレショップで販売されている「ショーティングタイプ」RSL25-1-1-12ですと、問題解決出来そうで、価格も157円とそれほど変わらないので良いですね。この場合C3が不要になります。
・皆さんのアドバイスをヒントに、その後C3の接続箇所と容量をカットアンドトライしてみました。
OP-AMP入力に入れたのが良い結果となりました(インピーダンスの関係)。容量は大きくすれば確実ではありますが、電圧が安定するまで時間がかかります。オーバーシュートが無いギリギリが33uFでした。
出力電圧が高いほど、また高い電圧から低い電圧に切替える方が時間が掛かります。
回路図と基板配線図を変更しました。