沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩407 日本の生き死に 4 欧米価値観からの離脱

2013年06月01日 10時07分23秒 | 政治論

 大方疑惑の目で見られている国連のUNSCEAR(アンスケア)が出した「福島第一原発事故の健康影響はない」という目を疑う結論は、この調査機関が本質的に原発推進の立役者ども(核実験禁止世論への牽制を意図する連中)が作った機関である以上、決してまともに信用してはならないものであることは間違いないが、これに関連するネット記事あるいは大手マスコミの無批判な情報流布が、ある種の風化乃至危機感の希薄化を、なにがしか策動する気配に満ちているという、現代世界が抱えている精神の深い闇というのに気づかされる一面を見逃すわけには行くまい。

 そもそも2年程度の調査で当然減衰する外部線量の多寡のみを根拠に、かかるでたらめな調査結果を早々と出す異常さに、政治的情報操作の臭いがプンプンするのは否定できまいし、国連という大げさな組織が、世界に向けて政治的意図により半ば嘘に近い情報を発信するという、この世界精神の堕落を象徴するような傾向に欧米(大戦戦勝国連合)の理念的な没落ぶりを明瞭に見て取る歴史学的視野を持たない訳には行かない。

 一方同じ国連(拷問禁止委員会)が日本の従軍慰安婦問題に対し「勧告」を行うという記事がある。戦勝国連合が先の大戦にまつわる日本の、公的な場での歴史的事実への改ざん傾向を危惧するのはある意味当然ではある。しかし「人種差別撤廃委員会」同様にこの機関にも「勧告」以上の制裁性は皆無であり、何のために存在するのか疑問に思われる。

 沖縄県の不当に偏頗に押し付けられている米軍基地負担に関して「人種差別撤廃委員会」は日本政府に「勧告」したが、恐らくはおざなりな調査書類検証程度のところで半ばアメリカに配慮する質で終息している。何のために存在するのかさっぱりわからない。つまりアメリカ合衆国による一極集権国際情勢のなかに、理念的な、厳格な独立した意見を実効力を持って開陳し具現化する機関主体の誕生がアジア東洋から望まれるってえわけだ。(つづく)

 



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