沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩491 問題 4の2

2013年11月21日 09時04分28秒 | 政治論

 残骸のような己の過去に目を向けるのは単に頭脳の海馬にちょっとした刺激を与えて、滅びいく脳内環境をリフレッシュしようという果敢無い試みに過ぎない。近代化は天皇制を随伴して破局の一途を辿った。支配階級で無為徒食の下級武士がおっぱじめた維新は、結局、藩閥政府やら極端な欧化主義、官憲の自由主義弾圧、あるいは民衆的権威乃至検認を持たずに体制化した天皇絶対主義など、根本的な矛盾を抱えて最先端先鋭化を諮った。支配階級的政体を根とした近代化が、うまくいくはずはない。案の定、この国は肉体を持たない火星人のような頭でっかちの奇形児よろしく、無鉄砲な突進により崖ふちを蹴って真っ逆さまに玉砕の谷底へ落ちていった。担がれた天皇に無罪性があるかといえば、東条英機が司法取引(東条に何の得も無いのだが)してこれを論証する連合国策に協力し、不訴追の決定をなさしめたことが全てであって、それ以上でも以下でもなく、相変わらず腑に落ちない歴史の禍根として、東京裁判史観の批判対象そのものでありながら、これの先陣を切る右翼連中が自身の手で天皇を裁かない矛盾に彼等の非論理性がある。占領政策の円滑にして穏便な進展など日本人の知ったことじゃあるまい。天皇制は明らかに連合国の不実な画策によって生き残った。戦後「民主化」の片手落ちがこの天皇不訴追だということに気が付かねばならない。その無条件の存在の永続化によって、この国の責任主体は無責任となった。幻想的仮託がこれだ。(つづく)



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