今回の「夜討ち朝駆け」は、彼ら政府・官僚とりわけ沖縄防衛局が、アメリカとの公約実現のためには手段を選ばないことを内外に知らしめたし、今後公有水面埋め立て許可申請に当たっても同様の、更に狡猾な手段で難関突破を果たすものと思っていたほうがよいし、一方仲井真知事が、恐らくその時点(埋め立て許可)まで政府と「事前協議」したものと見做しておく必要があろう。
つまり代執行に言及した知事の「(埋め立て許可を)承認せざるを得ない状況にはならないだろう」「(代執行を)実行するのは無理なんじゃないかと思う」という片言には、ニュアンスとして「聞き捨てならぬ」不穏な曖昧さを感じてもいいのではないか。
いずれにしても言葉の表面上は「県外移設」や「公約」を言い募るが、この老人もまたかなりしたたかな、従って老獪な政治屋だということを肝に銘ずる必要を感じる。彼は振興策大盤振る舞いをもって彼独自の画期的な政治的成果としているに違いなく、恐らくは「普天間問題」の解決につき政治生命を賭ける気はさらさらないという印象だ。
つまりここからは沖縄県知事仲井真弘多と政府・官僚・沖縄防衛局の「裏取引」による不透明な政治展開として、明年中に辺野古の海は「血の海」と化するに違いない。
アメリカは日本の「国内問題」としてこれを冷酷に傍観するだけだ。一方本土人はまさしく「対岸の火事」視し続けるし、大新聞、NHK、その他多くのメデア・ジャーナリズムは恥知らずにも、これを「民主主義の危機」と捉えることもなく、堕落した戦後民主主義にどっぷりひたり、放射能浸潤する列島に破滅への片道切符を握って彼らの老後を全うする気だ。(中断)