犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム裁判>控訴審第2回口頭弁論結果

2014年12月26日 | 辰巳ダム裁判
 12月24日(水)13時30分~14時、名古屋高等裁判所金沢支部201号法廷において、辰巳ダム裁判控訴審第2回口頭弁論が開催された。

平成26年(行コ)第4号
土地収用法に基づく事業認定処分取消請求控訴事件
原告:(碇山洋ほか)、
被告:国(山下裕樹ほか)、石川県(鈴木穣ほか)、
裁判長:内藤正之、裁判官:藤井聖悟、寺本明広、書記官:宮川千秋

 原告は、準備書面(1)、準備書面(2)、証拠説明書、鑑定申出書、上申書、証拠(甲66~77)の提出をした。原告から、立証人申請、鑑定申請、治水の説明会を進行協議期日に行うことなどの申し出については、どうするかを裁判所で後に決めるとのこと。
被告は、次回までに原告準備書面に対する反論、原告証拠に対する意見、さらに、佐合証人の陳述書を提出、立証の準備を含めて3月末までに作成して提出する。
 次回の口頭弁論は、2015年4月20日(月)13時半~14時
 ちなみに参加者は、裁判官のほか、原告席6名、被告席9名、傍聴席は、マスコミ数名含め、20名ほど。

提出書類等は、当方のホームページで。
 
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犀川の河川整備>浅野川と犀川の治水安全度の「公開質問」の返答あり

2014年12月25日 | 犀川の河川整備
 平成26年10月27日、石川県河川課長宛の公開質問状「浅野川水害相当規模洪水に対する対応についての公開質問状(2)――浅野川と犀川の治水安全の考え方が違うのはなぜか――」に対して、11月17日に、文書ではなく、口頭で河川課担当者から、説明があった。

 質問を要約すると、「過去の既往最大洪水と比べて、犀川は安全すぎるし、浅野川は危険すぎる。」という指摘である。

 これに対する答えは、要約すると、
「犀川、浅野川のいずれも100年確率対応の整備をしている。同じ安全度のレベルである。犀川では、過去の洪水と比べて基本高水が大きいということは、十分に安全になったということだ。」

 基本高水の大きさの評価について、こちらは過去の最大洪水を、相手は100年確率値を判断のもとにしている違いである。1/100確率値を金科玉条にされて、どうも議論がかみあわない。

 基本高水のピーク流量を決定する際に、犀川ダム時点では、既往最大洪水で決めていたが、その後、推計統計学の手法で計画規模の超過確率値で決めるようになったことも反映されているだろう。

 100年確率値がくせもので、一義的に決まらず、犀川大橋基準点の100年確率ピーク流量は、547~1741㎥/秒と幅があり、この内から最大値(科学的合理性に乏しい裁量か!)が選択されている。

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辰巳ダム裁判>統計的手法で基本高水を決める(3)

2014年12月24日 | 辰巳ダム裁判
 カバー率50%値に関連して、平均値について考える。
 長野の山好人さんHPの「平均値採用の理由」によれば、ピーク流量の流出計算には、平均値ということが原理的に組み込まれているという主旨のことが記載されている。そうすると、「基本高水の決定」の項のもう一方の雨量計算も、平均値という考え方があれば論理の一貫性があるということになる。

 この雨量計算には、3つの要素がある。
 一つは、流出計算に入力する雨量(計画規模の対象降雨量)であり、通常行われている統計的手法で求められているものは、平均値と同質である。
 次の流出計算に入力する雨量(降雨波形)は、山好人さんによれば、降雨波形の代用のピーク流量群から平均値を基本高水のピーク流量と決めるべきとのことである。新基準では、最大値を採用しており、平均値ではない。
 3つ目の流出計算に入力する雨量(飽和雨量)は、通常、平均値である。

 山好人さんによれば、「降雨波形」はアナログでデジタルではないから、統計的手法を使えないので、代用でピーク流量群を捉えて平均として求めるのが筋だという。論理的な一貫性、科学的合理性と言う面から説得力があるようだ。

 基本的には、平均値で考えるということになると、
 新基準の「通常、地域分布、時間分布等の検討結果で不適切な降雨を棄却されているので、計算されたハイドログラフ群の中から、最大流量となるハイドログラフのピーク流量を基本高水のピーク流量とする。」(新基準p.34)として最大値を採用するのは合理性に問題があり、疑問だ。

 最大値採用の理由として、「異常降雨を棄却して生き残った最大値を無視できない」(新基準を作成に加わった一人、T教授)という弁明もある。統計的手法を使いながら、肝心なところで統計的手法を無視しているのである。

 マニュアルエンジニアという言い方がある。マニュアルで想定されている条件を無視して、適用できないはずのこともマニュアルに記載されているやり方を用いて設計する人を指しており、思考停止のエンジニアのことである。

 これに習えば、新基準の作成者も、思考停止のマニュアルプロフェッサーか。
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辰巳ダム裁判>控訴審第二回口頭弁論が開催!

2014年12月23日 | 辰巳ダム裁判
場所:名古屋高等裁判所金沢支部(兼六園下バス停そば)
日時:平成26年12月24日(水)13時30分~

【これまでの経過】
 平成26年5月26日 判決言い渡し 
 平成26年6月6日 控訴状の提出
 平成26年10月15日 控訴審第1回口頭弁論(意見陳述と控訴理由書(1)の提出)
 平成26年12月24日 控訴審第2回口頭弁論(控訴理由書(2)の提出)
 平成27年 月 日(未定) 控訴審第3回口頭弁論(被告の反論の提出)

 原告から、控訴理由書(2)を提出。原告の主張に対して、被告側からは、第三回口頭弁論において反論がなされる予定。原告からは、治水にかかる知見の説明会の開催の申し出(上申書)、証拠と証人尋問の申し出(証拠提出書)の提出。一審判決において河川工学等の科学的知見に反する点が多々あること、書面のみでは理解が困難であると考えられるため。

 【参考資料】控訴理由(1)、控訴理由(2)の概略と碇山意見陳述書(第1回控訴審にて)は、ホームページへ
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辰巳ダム裁判>統計的手法で基本高水を決める(2)

2014年12月22日 | 辰巳ダム裁判
 統計的手法で降雨データから基本高水を決めることについて
 既往の最大規模の洪水から決めるのではなく、統計的手法で降雨データから基本高水を決めるのは、合理的な方法でしょうが、運用次第で非現実的なモンスター洪水が出現する。裁判を通じて、行きつ戻りつしながら、思考している。

 カバー率50%以上の件についてのブログについて、コメントをいただきました。

 「旧基準ではそのようになっています。引き伸ばし法で、計画雨量で発生するピーク流量の母集団からのサンプリングが十分でないことを考慮して、カバー率50%以上との基準になっていたと推測しています。もっと大きな流量が計算されていないことを危惧していたと考えます。したがってカバー率が60~80%の採用が見られるとの表現になっていました。ところが河川管理者の裁量で100%が採用されていたのが現実でした。しかし流量確率が雨量確率と同じである保証はありません。」

 カバー率による方法も統計的手法の一つです。
「サンプリングが十分でないこと」の意味の中には、量と質の問題があると考えられる。「量」は少なくとも10個以上、30個程度?。「質」については、得られるデータの多くは中小降雨のもので、求める大降雨のものとは物理的に異なるだろうから、引き伸ばし倍率で制限したとしても、中小降雨のサンプルの比重が大きい母集団からの統計値の信頼度はかならずしも高いともいえないような気がする。
と考えると、どこまでいってもサンプリングが十分でないことを克服できないように思われるので、カバー率50%値を採用値とするのではなく、これにゆとりをもたせたカバー率60~80%あるいは、1.2~1.6倍というようなを採用値としなければならないということになりそうです。
 カバー率でも一義的に決めるのは難しい。
 カバー率で一義的に決めるとなると、100%値をとるという「新基準」の考え方に帰着するのでしょうか。


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