(棄却することになると、「引き伸ばしをする方法」と「最大値を取る方法」はセットになる)
引き伸ばしをする方法では、「平均値を取るというような方法」とセットであると考える。そうすると、引き伸ばした降雨が時間的に、地域的に異常な降雨が出現しても、いずれ排除されると考えられるので、棄却基準などを設定して異常な降雨を排除する必要はない。ところが、基準では、異常な降雨は排除することになっている。
「降雨量を定めた後、過去に生起した幾つかの降雨パターンをそのまま伸縮して時間分布と地域分布を作成し、それらがこれら要素間の統計的関係からみて特に生起し難いものであると判定されない限り採用するという方法である。」(旧基準p.14、新基準p.32)とあり、逆にいうと、生起し難いと判定すれば排除するということであり、新旧いずれの基準においても異常な降雨は棄却しようということになっている。
「ピーク流量に支配的な継続時間における降雨強度が計画降雨のそれとの間で、超過確率の値において著しい差違が生じる場合」、不適当なものは排除するのである。「著しい差違」がミソであり、「同じ」とすべきとも考えるが、「同じ」ではないのである。超過確率の差違を容認している。「高水計画検討の手引き(案)H12.1」によれば、「引き伸ばした後の洪水到達時間における短時間雨量をジャックナイフ上限値(推定値+推定誤差)で棄却するものである。」としている。棄却するために棄却基準は、単に推定値ではなく、推定誤差を加えている。ここでは、「著しい差違」の範囲として推定誤差を目安にしている。
これを超えたものは「著しい差違」があり、排除され、合理的推論の上から「発生可能性がない」という扱いになり、これ以下のものは「発生可能性がある」ということになり、この棄却基準をくぐり抜けて、「生き残ったものは無視できない」、その結果、得られたピーク流量群の最大値を取るという結論にたどりつく。
ただし、「発生の可能性がある」、「生き残ったものは無視できない」などということが合理的かどうか疑問がある。推定値±推定誤差の範囲からはずれたサンプルでも「発生可能性がない」とはいえない、「発生可能性が少ない」というだけである。これが合理的推論の上から発生可能性が無いといえるかどうか。また、棄却基準を恣意的に設定している面もあり、これで生き残ったといっても妥当かどうか不明である。
引き伸ばし→異常な降雨の棄却→ピーク流量群の最大値の選択
引き伸ばしをする方法で、棄却することにすると、「平均値を取る方法」ではなく「最大値を取る方法」に帰着する。
引き伸ばしをする方法では、「平均値を取るというような方法」とセットであると考える。そうすると、引き伸ばした降雨が時間的に、地域的に異常な降雨が出現しても、いずれ排除されると考えられるので、棄却基準などを設定して異常な降雨を排除する必要はない。ところが、基準では、異常な降雨は排除することになっている。
「降雨量を定めた後、過去に生起した幾つかの降雨パターンをそのまま伸縮して時間分布と地域分布を作成し、それらがこれら要素間の統計的関係からみて特に生起し難いものであると判定されない限り採用するという方法である。」(旧基準p.14、新基準p.32)とあり、逆にいうと、生起し難いと判定すれば排除するということであり、新旧いずれの基準においても異常な降雨は棄却しようということになっている。
「ピーク流量に支配的な継続時間における降雨強度が計画降雨のそれとの間で、超過確率の値において著しい差違が生じる場合」、不適当なものは排除するのである。「著しい差違」がミソであり、「同じ」とすべきとも考えるが、「同じ」ではないのである。超過確率の差違を容認している。「高水計画検討の手引き(案)H12.1」によれば、「引き伸ばした後の洪水到達時間における短時間雨量をジャックナイフ上限値(推定値+推定誤差)で棄却するものである。」としている。棄却するために棄却基準は、単に推定値ではなく、推定誤差を加えている。ここでは、「著しい差違」の範囲として推定誤差を目安にしている。
これを超えたものは「著しい差違」があり、排除され、合理的推論の上から「発生可能性がない」という扱いになり、これ以下のものは「発生可能性がある」ということになり、この棄却基準をくぐり抜けて、「生き残ったものは無視できない」、その結果、得られたピーク流量群の最大値を取るという結論にたどりつく。
ただし、「発生の可能性がある」、「生き残ったものは無視できない」などということが合理的かどうか疑問がある。推定値±推定誤差の範囲からはずれたサンプルでも「発生可能性がない」とはいえない、「発生可能性が少ない」というだけである。これが合理的推論の上から発生可能性が無いといえるかどうか。また、棄却基準を恣意的に設定している面もあり、これで生き残ったといっても妥当かどうか不明である。
引き伸ばし→異常な降雨の棄却→ピーク流量群の最大値の選択
引き伸ばしをする方法で、棄却することにすると、「平均値を取る方法」ではなく「最大値を取る方法」に帰着する。