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犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

犀川の河川整備>犀川/浅野川の河川管理の不手際でトラブルが続く

2014年10月06日 | 犀川の河川整備
 10月1日の北陸中日新聞の報道によれば、30日、犀川の大橋下流で川の水が干上がり、水たまりのアユが大量に付近の住民によって持ち去られたり、水たまりで死んだアユが見つかった。この事件につづいて、4日には、市内を平行して流れる浅野川でもアユが3000匹ほど死んだことが報じられた(北国新聞2014.10.5朝刊)。

 いずれも河川管理の不手際のトラブルのようだ。犀川の件は、堰の点検作業で鉄製の板を倒した後で戻したところ、下流へ水が流れずに干上がったもの、浅野川の件は、同じ形式の堰の鉄製の板を倒したところ、底に堆積していたヘドロと酸素が少ない水が下流へ流れてアユが大量死したようである。

 当方が子供のころは、川が干上がることがたびたびあり、これ幸いと皆が争って魚を捕まえていたような記憶がある。特別な管理や配慮をしなくても、それなりに川に動植物が豊かだった時代のことである。

 川が治水、利水のためにフルに活用される時代をすぎて、川の自然環境にも特別に配慮しなければならなくなり、平成9年の河川法改正では、「治水」と「利水」に「河川環境の整備と保全」という目的が加えられた。
いわく、「河川環境の整備と保全について、流水の清潔の保持、景観、動植物の生息地又は生育地の状況、人と河川との豊かな触れ合いの確保等を総合的に確保して管理する」ことになっている。

 既存2ダムに辰巳ダムが平成24年6月から加わり、河川維持用水の確保も万全だったはずではないか。これで、河川環境を保全できないのであれば、河川管理者失格だ。

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犀川の河川整備>過去の洪水量を考慮しないで基本高水を決めてもよいのか

2014年10月01日 | 犀川の河川整備
 路木ダム裁判で、過去の洪水被害状況を考慮しないで河川整備計画を決めるのは違法であるという判決がありました。大きな洪水被害があったことを理由にダム建設が必要であるという整備計画を立てたが、洪水被害があったというのは事実誤認で被害はなく、これを根拠としたダム計画は、河川法違反だということのようですが、同じ文脈で、過去の洪水量を考慮しないで基本高水を決めていいのかということが言えると思います。

 浅野川では、平成20年の水害の後、被害が大きかったせいか、200年確率規模の降雨による想定外の洪水だ、浅野川放水路で最大170立方メートル毎秒、天神橋基準点で最大650立方メートル毎秒、合計820立方メートル毎秒の洪水が発生したとしていました。この水害の後、河川整備基本方針(平成23年7月)、河川整備計画(平成25年1月)が策定されましたが、浅野川の天神橋基準点の基本高水ピーク流量は、710立方メートル毎秒と従前の数値と同じで、平成20年の水害の最大洪水量よりも小さい流量で(反映されていない?)、基本高水ピーク流量が決定されていました。

 過去の洪水量を考慮しているのかということが問題になりますが、浅野川の計画規模を1/100と決めたので、100年確率の降雨量から計算すると基本高水ピーク流量は710立方メートル毎秒になるということのようです。

 それでは、平成20年浅野川水害相当の洪水が再び発生した場合はどうなるのか、どう対処するのかということが懸念されます。この懸念に対して、河川課担当者は一時、河道の余裕高のところでカバーするので氾濫することはない、という説明をしていましたが、最近、言葉を濁すようになりました。基本高水ピーク流量710立方メートル毎秒を超えるような洪水に対する検討文書について、情報公開請求したところ、不存在でした。法的な義務はないとしても、想定を超えるような洪水について考えなくてもよいということはないでしょう。

 このことを議論するために、浅野川水害の最大洪水量はどれだけかということは、最初に確認しておきたいので文書による回答を求めることにして、30日づけで公開質問状を河川課長宛でメールすることにした。

平成26年9月30日
石川県河川課長 殿

犀川の河川整備を考える会 中 登史紀
石川県鳳珠郡能登町字中斉ワ部2

浅野川水害相当洪水に対する対応についての公開質問状
――浅野川水害が再来したらどうするのか――

平成20年7月の浅野川水害の後、ふたたびこのような災害が発生することを防止するために、石川県はさまざまな検証作業が行われていることを確認しています。そのなかでも洪水の原因となる降雨量については、雨量計による24時間の観測記録が残っているので明確ですが、洪水量については、不完全な水位計による記録と最高水位の痕跡などから洪水量が推定されるので降雨量ほどには明確ではないと思われます。このため、高額の費用を支払って高度の専門技術を有するコンサルタント会社に複数の委託をして解析がなされているようです。その結果について、平成20年浅野川水害の最終的な石川県の判断はどのようになっているのか、ご教示ねがいたいと思います。以下に質問事項を列記します。

①天神橋基準点での最大洪水量はどれだけか(その根拠)
②浅野川放水路での最大洪水量はどれだけか(その根拠)
③天神橋基準点の基本高水ピーク流量に対応するピーク洪水量はどれだけか
 ④「大野川水系河川整備基本方針」平成23年7月、「大野川水系河川整備計画」平成25年1月によれば、
天神橋基準点460㎥/秒
浅野川放水路250㎥/秒
天神橋基準点の基本高水ピーク流量(合計)710㎥/秒
となっている。この目標数値に対して、浅野川についての河川整備計画(計画からおおむね30年間の整備)は、河道内の掘削と河道整備としか書いてない。
これを超える場合の対応(超過洪水)についての検討および対策はどのように考えているのか、あるいは全く考えていないのか。考えていないとすれば、その理由は何か。

 この質問に対する回答を文書でご返答下さい。
 ご返答がない場合は、あらためて石川県知事のところへうかがってお考えをうかがうことになると思いますので、よろしくお願いいたします。

 

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犀川>犀川/辰巳ダムの現場から(その3)

2014年02月28日 | 犀川の河川整備
 平成26年2月21日。
 犀川下流では両岸で大々的に護岸工事が進行中である。
「平成25年度 主要施策の概要」によれば、「金沢市における犀川と浅野川の一体的な治水対策として、両河川の改修を集中的に進める、、、、(県内)16河川において改修事業を72億円で進める」とある。犀川の治水のためには、辰巳ダムよりもこの事業が先であると思うが、ダム事業が終わったことでやっとこの護岸工事に注力できるようになったようだ。
 右岸は、赤土大橋から下流で護岸工事が完成しつつある。


 左岸は、安原川合流点付近から上流に向けて本格的に工事が始まったというところである。


 50年前の昭和39年に造られた橋が老朽化したので二ツ寺架替工事が行われている。
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犀川>犀川/辰巳ダムの現場から(その2)

2014年02月27日 | 犀川の河川整備
 平成26年2月19日,21日にかけて、犀川中流を観察。
 中流から下流にかけて犀川は工事ラッシュである。

 まずは、浅野川放水路の合流点、大桑グランド付近にある「大桑貝殻橋」を見てきた。100万年ほど前の古い大桑層(おんまそう)とよばれる地層が露出しているところある。Yさんがひどい工事をやっていると憤慨していたところだ。無惨に河床を削った痕跡があった。川を改変するとその影響で川が変化し、この変化で支障が出てまた川を改変することになるようだ。
 

 鞍月用水堰がほとんど撤去されて深い川になった。重機が数台稼働して河床を掘削しているので泥水がひどい。下菊橋から上流の川水の様子を見る。



 三か用水堰では老朽化した転倒堰の改修が行われていた。水門や堰などの河川管理施設の維持管理と補修のために、河川管理施設等長寿命化計画を策定すれば、国から新たな補助を受けることができるしくみが出来たので、これを活用して始めたものだ。



 犀川大橋の洗掘がひどい。本来は護床ブロックの上面が河床である。1から2メートルは削られているようである。通常はすぐ下流の堰をあげて湛水するので景観の無惨さは見えないが。
 右岸の大野庄用水路の下あたりの護岸からの漏水がひどい。三か堰用水堰で大野庄用水路へ流れ込んでいる濁水がここで漏水している。大野庄用水路の底に大きな空洞ができていているのではないか。
 犀川大橋直下流の堰も三か用水堰と同じ改修工事を実施中である。


 大豆田大橋では金沢市が耐震工事を行っている。

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犀川>犀川/辰巳ダムの現場から(その1)

2014年02月26日 | 犀川の河川整備
 平成26年2月19日、久しぶりに辰巳ダム現場を覗いた。今年は雪が少ない。
 ダム堤体から、辰巳用水東岩取入口、減勢工、犀川下流を望む。
 石川県河川総合情報システムによれば、1.23立方メートル毎秒の流量である。冬の水流は清浄である。

 辰巳用水から兼六園の取水は、末の犀川浄水場の裏の辰巳用水路から、兼六園専用管に分水して取水されている。毎秒70~150リットルの水が送られている。

 辰巳ダムは平成25年3月31日で完工したはずであるが、まだ工事をやっている。降雨や降雪があるたびにどこかののり面が崩れるので永久に工事を続けるのだろうか。

 上流の犀川ダムでは、平成11年(1999年)以来の大規模修繕を行っているようである。「予算説明資料」によれば、河川総合開発事業費犀川ダム堰堤改良費の項に平成24年度に8千万円、平成25年度に2億7千3百10万円、放流バルブ更新などとある。

 ダムは、毎年の経常的な管理費58百万円(平成17~25平均)、これに小規模な修繕改良、今回のような不定期の大規模修繕改良が必要となる。特に、犀川ダムは運用開始してすでに49年経過しており、まもなく大々的な修繕が必要となるだろう。
 ところで、犀川ダムは、利水、治水、発電の多目的ダムであるが、本来の効果をあげているのは発電だけか?
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