読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

堂場瞬一の『見えざる貌』を読む

2015年05月02日 | 読書

◇『見えざる貌』 著者: 堂場瞬一  2014.9 中央公論社刊(中公文庫)

   

 一之瀬拓真シリーズの2作目。
 皇居お濠端を走る女性ランナーが襲われる事件が立て続けに起きた。
 千代田署勤務の拓真は半蔵門署との協同捜査に駆り出される。
 そのうちランニングに嵌っているちょっと名が知られたタレント春木杏奈が襲われて
 俄然連続通り魔傷害事件の様相を呈する。
 さらに引き続いて起こった事件で被害者が死亡。殺人事件に発展したことで拓真はタ
 レントの護衛役に回され一緒に走る羽目になった。この春木杏奈がわがままというか
 二面性を持った女性で拓真も思いっきり引きずり回される。

 警察小説はたいていは主人公は捜査課の警部補で係長一歩手前くらいのベテランと相
 場が決まっているが、一之瀬拓真は新人教育中の身でただいま発展中。
 本書のストーリーは単純で犯人もなんとなくわかってくるが、拓真は地道に聞き取り
 など続けて、自供を引き出したため株を上げる。
 2作目であるが駆け出しの刑事を主人公にしたシリーズものは少ないのでどう発展さ
 せるかが見もの。

 (以上この項終わり)

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