「ちば民報」学校給食研究家の雨宮正子さんが登場しました。わたくしは、昨年、雨宮さんの主催する学校給食の県内現場視察に同行し、神崎町を視察してきました。
雨宮さんは、経費削減のために、学校給食のセンター化、民間委託化が進んでいる現状を批判し、地産地消をと活動を続けられています。
記事の一部を紹介します。
給食の民間委託は、自校方式でも、何校かまとめたセンター方式でも進められ
ています。地方自治体のその動機はもちろん経費の削減です。委託を受けた企業は民間の会社ですから、当然儲けを追求し、まず人件費を削ります。ビラー枚で募集された調理に慣れない人が入ってきます。できるだけ少ない人数で、時には時差出勤です。そんな態勢では、手間ひまかけた調理はできませんから、冷凍・加工食品を使うようになります。
「民間委託では、学校の栄養士さんが献立を立てても、職安法に触れるので、現場の調理員さんを指導することができないの。それで献立を委託会社のチーフに渡して、会社が食材の購入から調理まで一切おこないます。センター方式になったら大量に作りますから、各学校では加工食品を温めて出すだけということになる」と指摘します。
そもそも学校給食は、義務教育の一環としてそれぞれの学校の調理場で、栄養士さんと直営の調理員さんが共同して、手づくりで温かい食事を作り、子どもたちに提供してきました。
1954年に成立した学校給食法は第1条で、「学校給食は食を通じて生きる力の原点を学ばせる場である」と明記しています。
「TPP(環太平洋連携協定)交渉がやられていますが、これが成立したら今まで以上に食品添加物が入った加工食品や、殺虫剤まみれの野菜などが入ってきます。対県交渉を11年間も重ねて、去年やっと猛毒マラチオンが入った外国産小麦を使った給食パンを国産・県産小麦100%に替えさせたのに、また後退してしまう」と心配します。
1974年にマクドナルドの第1号店を出した当時の社長が言ったことばは衝撃的です。「最初はソースを甘くして温めてやれば誰でも好きになる。やがてこれをどんどん激辛にしていくと、日本の子どもたちはしょう油と味噌が嫌いになる」。日本の食文化を子どもの舌から完全に奪おうとするものでした。現実に最近の多くの子どもたちの嗜好は、彼の狙い通りになっているのではないかと心配です。彼の言葉は、TPPでのアメリカの目的の一つを、今日においても象徴的に物語っていると言っていいでしょう。
「子どもの体のことを考えたら、どうしても国産でなければなりません。だって日本の食文化は世界有数でしよ。和食が世界遺産にもなったし。地産地消が一番安全・安心なのです」と強調します。
アレルギーの子どもへの対応でも、給食を食べさせないで弁当を持ってこさせ
るケースもあります。「アレルギー対応食は、栄養士さんが1校に1人いなければできないし、調理の民間委託ではできません」。ここでも民間委託とセンター化か大きなネックになっていると話してくれました。
近年若い人たちの間の貧困化か急速にひろまるなか、給食費の無償化の問題がクローズアップされています。「給食は教育の一環だから義務教育無償の原則から無償にすべきです。