「赤旗」記事より
「住民にここまで犠牲を強いる原発とはなんだ」。「世界一安全」とアピールしてきた
東京電力福島第1原発で相次ぐ爆発、放射能漏れ事故は、地震と津波による壊滅的な被
害に苦しむ住民に耐え難い負担を強いています。
福島市内の県立工業高校体育館。原発に近い浪江町などから避難してきた200人が身を寄せています。その傍らで始まった被ばく検査をうけたばかりの女性(61)=浪江町=がはき捨てるように言いました「原発なんてもう絶対に嫌です」。
被ばく検査で異常なしの結果に安堵(あんど)の表情を見せながらも、「娘の嫁ぎ先の家が津波で流され、避難所に駆け込んで一夜明けたらこんどは原発が爆発した。避難指示を待たずに2台の車で逃げ出した」と疲労感をにじませます。
避難所をやっと探したときは夜。小さな明かりがぼつんとともるだけで誰もいずスーパーの駐車場でまんじりともしないで過ごした、と言います。「もう4日間、風呂にもはいれない。あったかいみそ汁がほしい」回避難所を訪れた宮本しづえ日本共産党県副委員長に、女子中学生が「県立高校への-推薦が内定しているけど、学校が被ばくしているので通学できるかわからないの」ど胸の内を打ち明けました。
宮本さんは住民から避難先探しの相談に応じています。よく耳にするのが、老親を置
いたまま避難してくるケースです。「俺らはもう先がない。おまえたちだけでいげ」と。「こんなひどい仕打ちを押し付ける原発事故は許せない。安全軽視の原発行政をしてきた歴代政権の責任は大きい。せめてこの危機に県民の命を守るために政府、東電は全力をあげてほしい」