ムシマルの高知うろうろグルメReturn~広島想い出も添えて~

2020年4月こちらのブログに一本化します。
高知も広島も記事あってややこしいですが、慣れると良いかもです。

5/17は世界電気通信および情報社会の日:短歌

2018年05月17日 07時59分30秒 | 短歌

記念日・年中行事

生命・きずなの日



Wikipediaより。

 情報社会の日って結局何かしら?


水晶をくちにふくんでどこまでもあなたの着信履歴を辿る  笹井宏之

このおまじない、っていうか呪術感。

他者の着信履歴を見る、アウトチックな行為がなんかクリスタル儀式性が出るというか、こわさと純粋さが半々増しで良いですね。

 

「連作30首」       ハロー・グッバイ・ハロー・ハロー 
リモコンを握ったまんま泣く君は泣きやんだあとたぶんまた泣く(宇都宮敦)

私のブログで、別のとこでも紹介した気がしてなりませんが、「泣きやんだあとたぶんまた泣く」がセンチメンタルすぎて掲載。

テレビとかをリビングで観てた、日常からの急な慟哭。

この落差とそれを想起させる不安がたまりません。


まいにちの電話のノイズにまぎれてた氷河のきしみを聞いていたんだ 

宇都宮敦

 情報社会は不安な歌が多いのかもしれません、どうしても直接情報じゃなく文字だけ音声だけだったりすると。

氷河のきしみ、って知らないけどたぶんピシッていう亀裂音だと思われて、遠距離なんとかがだんだんと崩壊していく様を描いた意欲作なんだろうなーって思いました。ひらがな多めなのが純朴な不穏感があって良いですね。

 

 

  宇都宮敦「連作30首」    ウィークエンズ
夏風邪の君が電話で話すのは昼寝のときみたバオバブの夢
鼻声の電話の向こうのたわごとにあいづちかさね探すつめきり

同作者の安穏な電話系短歌。

電話越しにヘブンりーな世迷言を聞かされるって、平和で良いですね。

下の短歌は電話の持つ「ながら性」というか、声だけ繋がってほかは非束縛っていう感じが出ておいでで好ましいです。

 

もういない妻とのチャンネル争いを思い出さずに観る巨人戦(佐々木あらら)

テレビ、「いない」「争い」「思い」とちょいちょい韻を踏んでいるスピード感ある短歌。スピード感が切なさに一直線なのがいいですね。

 

「枡野 浩一」
ツイッター「フォローさせる」は選べない 愛を強要できないなんて
ツイッターも情報社会のあだ花。愛っていうのはどこかワガママというか乱暴さといいうか台風の中心みたいなかき乱し力があるなーと。

「フォローする」「フォローしない」の自由はあるけど、コミュニケーションの本来性はもっと強制的なものかもしれない(違うかもしれない)。

 

 

 

 

 

お前まで拒絶するのか iPhoneが俺の指紋を認識しない(仁尾智)

あるあるっぽい悲劇。 でも自分の所有物で個人情報と好みのアプリをガッツリ入れた特製の情報端末に無視されると、もうショックは如何ばかりか。

機械文明の叛乱みたいで、好き。

 

 

 

わたしは別におしゃれではなく写メールで地元を撮ったりして暮らしてる  永井祐

 写メールがもう懐かしい、死語に近くなっている。

それを除外しても、この飾らないというか自分を良く見せようとしないままの自意識肥大感が良いです、よいです。

 

 

 

普通に読めば普通に怖い内容のメールがとても普通に届く
配信の解除のためのログインのIDを得るための手続き
電柱の監視カメラに気付かれたような気がして会釈をしとく

岡野大嗣

 

若い歌人さんっぽいインターネットあるある系短歌。

確かに解除のためにログインせんといかんのに、わかんなくなってるからめんどくさい手続きをすることがある!!ああわかる。

 

 

愛用のアプリによると仏滅は二千年後も健在である
#あと二時間後には世界消えるし走馬灯晒そうぜ 

岡野大嗣

 

同じく岡野大嗣氏。

世界の終わりにも、人間ってあんま変わんなくてポチポチ端末をつついてるのかも。

 

ではでは。

電脳世界で今日もまた、次回の気まぐれ短歌感想をお楽しみにね。

 

 

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