ムシマルの高知うろうろグルメReturn~広島想い出も添えて~

2020年4月こちらのブログに一本化します。
高知も広島も記事あってややこしいですが、慣れると良いかもです。

大手町トレスは大手町にある。肉がある。

2016年05月07日 16時51分14秒 | 広島・肉系

川沿いの道をのこのこと歩く。
誘灯のように明るい場所に到り着く。

か、かがやいてみえる。

一人じゃおじてしまうオシャレ感を誇示される。

 大手町トレス

広島県広島市中区大手町3-3-27 大手町マンション1F

営業時間17:30~00:00 (L.O.23:30)

お休み:日曜日

 

道に迷ったかと思ったら、ちゃんと合っていた。


既に後輩Kさんはいらっしゃった。


「すいません」
「いえいえーまだ19時前ですよ」



本当だ時間にも間に合っていた。

軽く焦っていたが19時3分前。


さてビール。
後輩Kさんはキティというお酒を頼まれる。ねこ仔猫の名が付くお酒とは、おシャンティであることよ。


料理をいくつか注文。
前回もそうであったように、今回もムシマルにチョイス権を委任していただく。

よし、注文完了をして。


突き出しが現前する。


しかし、それよりも(ナイフフォークお箸巻き巻き布の絵柄、何とも言えないな)

パンダかと思ったらどうやらそうでもないみたいだ。

 

突き出しは、右からタコのカルパッチョ、ほうれん草とキノコの和え物、あと鴨だったか。


タコ美味し。

やわらかさとグニングニン加減が躍るよう。

祖国を失った火星人みたいなヒロイズムが感じられる。


あー良い。

後輩Kさんもキティを美味しそうに飲んでいらっしゃる。

 

「オシャレですね」

「美味しいですよ飲んでみます?」

お気持ちはありがたいが緊張するので断ってしまう。

この時ムシマルには野望が。

 

ポテトサラダ。

ポテトサラダ好きであることをそんなに知られていないムシマル、ポテトサラダ好きなんです。

そのムシマルが驚く、ここのポテトはなんか違う。

 

まずタマゴのありさまが完全に主役。ポテトサラダがまるで宝石を固定する台座かの如し。


「タマゴをつぶして混ぜてお食べください」とお店側のアドバイス。

 

タマゴの不安定な柔らかさと、何が入っているかあんまりわかっていないがパリパリとした食感と、

ほくほく気味のイモ味覚。

 

これはポテトサラダの領域をやや逸脱している。

リードを以上に多くとっている1塁ランナーみたいに意欲的。

 

『熟成肉盛り合わせ』を注文時、

「こちらの山葵もご一緒にどうぞ」的な提案をいただく。

150円、足りなければ擦っていただけるご様子。


おススメならば従おう。

うわ、「長次郎作」って書いてある。

全然存じ上げていないんですが長次郎さん。でも名のある方には違いないだろう。

信州だか長野だかの山葵ですと説明を受けたような気がする。


かたちとして、高知県が世界に誇るよさこい踊りの不可欠小道具『鳴子』に似ているのも良い。

ムシマルはよさこい踊り、小学校の運動会でしか踊ったことないんですが。

 

そろそろムシマル達の肉が焼きあがる。

おそらくはここのメニューの中のいちばんの目玉。人間でいえば眼球。目玉のおやじでいえば眼球。

すべてを包み込むようにダイナミクスの情念を動かしながら、目の前で(ムシマル達はカウンターの端にいる)香ばしさと期待がないまぜになる作業をされる。


でん。

左から!サーロイン、豚ロース、牛タン


牛タンの熟成肉なんて初めてだ。

熟成肉自体が人生全体で2回目くらいなんですが。

 

 

豚ロースの熟成肉も初めて。

しとやかな風情で桃色に染まる様子は、今ここにしか咲いていない桜のようで。

「ぐわー」

しっとりとおいしい。


熟成肉って何が違うんでしょうかね。

なんかこう、味わいが閉じこもるというか簡単に肉汁で溢れたりはしないぞ、みたいな旨みを囲い込んで転化させない感じ。

 

でも固いのではなくて、なんでしょうね。

大切にほどいてもらうために、丁寧にきれいに括られた飾り結びのように。

でも、これはブログ執筆中に思い至った比喩だ。


食べている時。

後輩Kさん「どんなお味の表現をされますか?」

わーすごい振ってこられた。

 

「え、ええと、ぬりかべ?」

「ぬりかべみたいに優しい押し返し方だ!」

・・・・・・ムシマルは水木しげるリスペクトなのだが、なんか、ピンとこられない比喩なことはわかった。感じ取れた。

 

牛タンも、山葵とお塩でいただいたんですがお肉だけで行ける。

ご飯とか、そんなおかずに対する主食的なものが必要なく感じてしまう。

極論、お肉だけを食べ続けられそうな。


噛みしめられるのに、するっとした後味。


これがこの呑み集いが一本の映画だったら、このお肉群だけで『完』ってテロップが流れるかも。


熟成サーロインは、屈服されるのを待っている新大陸。

もう比喩が何を言いたいのか自分でもわかっていないんですがこれがムシマルスタイル。すいません。


先駆者K後輩さんに、いろいろ前回のことを聞いてみる。

・・・過去いっぱい頼んでらっしゃる!

じゃあちょっと違うものを。


「ウニのスクランブルエッグ バケット添え」

パンにこのたまごをかけていただくのか。

優雅な朝食という印象を持ったよ。


あれあれ、こういうものか。

ちょん、とつけて、ガジッ。パンがカラッとしているのでがりがりといただける。

ウニの感じはわかるようなわからないような。

ムシマルがウニに対して、残り香から存在を辿れるほど親密な間柄でないためわからない。


でもスクランブルエッグがちょっと潤沢な風味になっている気がするよ。



ムシマルはこの辺りでビール二杯目を終え、オシャレなお店雰囲気に呑まれてワインを飲んでやろうと思い出す。

ムシマルは白ワインに何か入れた飲み物を頼んでしまう。

 

「里芋のゴルゴンゾーラソース」

こってり手前でとどまるお味。里芋ってゴルゴンゾーラと合うんだなーと思える。

 

ひゃあ、これにもパンが付いてくる。 

これでだんだんお腹張ってきたのだな。

 

「レンコンのムニエル」

西洋料理で、こんなにがっつりレンコンが主役な人品って初めてかもしれない。

待っていればスポットライトに照らされる日が来る、という一つの訓話かもなーと思いながらいただく(本当は思っていない)。

 

摂取する。

圧迫。抵抗。歯ごたえと耳障りの良い音が口内だけで轟いて。

おお、これはなんかいいな。


 

「けっこうお野菜食べられるんですね」と後輩さんからの評価。

 

 

 

実は・・・・とムシマルが野菜をまるごと買うと余らせてしまいそうでパックに入ったキャベツの千切りとか大根細切り詰め合わせみたいなものばかり買っているのですと現況を吐露する。

 


調理技術の不足とか野菜日持ち程度に対する知識の欠如、自身の一人暮らし野菜消費量未把握といった諸要因によって、

野菜の偏り・摂ってるつもりが何らかの栄養不足にならないかという不安をぶつけたのであった。


 

そこに黄金のアドバイス!

 

「キャベツって保存をちゃんとすれば丸ごと買っても一か月くらいもつんですよ」

 

とかなんとか、各種一人暮らしの知恵を教わる。


キャベツ、そうなんだ。

ほうれん草を買った時に台所に置いていたら2日でびたびたになった時はもう、

『野菜なんてみんな俺を置いてしなびていくんだ!』と絶叫したものでしたが。

(絶叫は嘘部分です)

 


 

プライスレス!

 

 

お肉より、「合鴨の低温ステーキ 焼き白ネギ添え」

ネギが乗っている。これが鴨葱ってやつか。

噛みしめマイスター。

 

ムシマル、ついにキティをいただく。

Kさんが飲まれていて気になっていたものであるのでついに。

後輩Kさんも誉められていた飲み物のお味は。


あー飲みやすい、さわやかに甘い。爛熟をはるか遠くに見る勢いのある感じ。

ぐいぐいいってしまうかも。

 

逆に酔いそう、危険かもと位置付ける。

 

時間は21時回り、そろそろ、

締め、ですね。


(前回は清耽で締め丼をしたんだよな)締め丼って言葉があるかどうかもわからないのだが。

メニューを見ると、あ、どんぶりある。

丼あるんだ!


すごいな大手町トレス。

 

『和牛コウネ丼』って、まだ食べられますか?」とK氏に提案してみる。

「いいですねー広島っぽいです」色よいお返事。


ムシマルは広島初心者だから知らなかったんですが

コウネって、広島名物というわけではないけれど

全国的に出すお店はあんまりなくて、広島のお店かそれに近いくらいだけ限定らしい。

 

発注をかける。当然2人分だ。


とーん。

うわ赤い!まず赤さに驚く。

V3(仮面ライダー)くらい赤い。

 

これはつまり、生肉?


「そうです」あ、あなたはお店の人。お肉のことを説明してくださる。

 

そうそうワイワイとしていてお店にはお客さんいっぱいなんですがこのお店の方、割とムシマル+Kさんを気にしてくれている雰囲気。

端っこですいません的なことを言ってくださっていた。

 

うわー、サシってやつではないか。このしろいところ。

ご飯に色映りするくらいの濃紅色。


なまにくをもむもむと食む。

 

おいしいー。

旨みのアラミド繊維で編まれた反物みたい。

あっさりとお肉を食べてしまって7割残ったごはんだけをタレで食べる、

という軽い失敗をしながらも完食。


 


お会計をして、ひとり7,000円くらい。

帰り際、お釣りと一緒に何かくれる。

小さい、あめ玉だろうかチョコだろうか。

手に残るなにかはうれしい。

 

あとは店を出て、川沿いを折り返すように歩き、橋を渡り、賃貸部屋の鍵をどこだったっけとカバンからまさぐり、入り口で靴を脱ぎ散らかすだけだった。


そのすべてのことをムシマルはした。


おわり。

 

 

 

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