2006年9月のブログ記事一覧(2ページ目)-ミューズの日記
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エレアコで世界市場を席捲しているタカミネギターの新工場で古川さんのコンサートがあり、製作家の一柳さんと行って来ました。㈱高峰楽器製作所とはヤマハ時代からのお付き合いで現社長の片山さん、専務の大野さんには大変お世話になっています。古川さんにはミューズサロンでも2回演奏をしていただいていますが、2回目のコンサートの時に大野専務が聴きにいらして大変その演奏とエンタテイナーぶりに感激され今回のコンサートの実現となった次第です。
一柳さんはお父様が28年ほど前に3年半に渡りギター作りのノウハウを指導されたと言う経緯があり、タカミネさんとは長いお付き合いなんです。だから大野専務は一柳さんを「先生」と呼ばれます。

高峰楽器は中津川から少し北に行った坂下町にあったのですが、昨年の9月にもう少し山中に新工場を建設されて、その2階にふれあいホールと言う立派なホールを作られました。2年前から始めたふれあいコンサートをこの新工場が完成してからはこのホールでやるようになり既に4回やられているそうで、今回が第9回目となるそうです。高峰さんの偉いところはこのコンサートを全て無料でやられています。地元の皆さんに文化を味わっていただこう、皆さんに触れ合っていただこうと言う趣旨で社員全員がボランティアでコンサートをバックアップされています。
前回は高田元太郎さんとバンドネオンの帝鵬さんのコンサートだったようです。

さて、古川さんのコンサートは約160席用意されたホールが超満員で立ち見が出ました。聴衆は殆どが50歳代以上の方で古川さんのベンチャーズやビートルズを聴こうとやってきた様です。1曲目はキャラバンから始まったのですが、演奏が終わると客席から「オォー!」と言うどよめきが湧きました。「ウマイ!」と言う感嘆の声も聞こえてきます。そして彼の大阪弁での面白いトークに皆さんの笑い声がドッと湧きます。「今日はやり易いです」と古川さん。やはり年齢層がピッタリだった様ですね。そしてビートルズメドレー、カントリー、中でもチェット・アトキンスの曲は圧巻でした。本物よりうまいんです。ギターのテクは。そして歌も出ました。彼の歌はまたいいですね。次回はミューズでも歌を入れてもらおうと思います。
ギターよし、歌よし、おしゃべりよしのエンタテイナーです。
楽しい一晩を過させていただきました。まだ聴いた事のない人は是非次回ミューズでのコンサートにお越しください。絶対に楽しめます。まだいつかは決まっていませんが・・・。



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こんにちは、渡辺なつ実です。

最近は本当に夜も涼しくて、薄い毛布で油断して寝ていると次の日に喉が痛くなったりします。でも、昼も湿度がなくなってきて日が射していてもからっとしているので過ごしやすいですね。日差しも何となく和らいできましたし。

今私はアンサンブルをやっていますが、その中で今取り組んでいるのはプホールの「世紀末」です。ギター三重奏アンサンブルの編成になっている曲です。この間初めてギター3台で合わせたのですが、これが凄く面白いです。最初はもちろん緊張しました。拍子がよく変わる上に休みの部分も多かったりするので合わせるのが難しいのです。でも躍動的なリズムの掛け合いや和音の重なりなど、一人で練習しているときとは違い、合わせたときにすごく面白さを感じます。アンサンブルって、やはり合わせる事の楽しさが第一ですよね。合わせも最初で、合わせるのに精一杯だったのですが、やっていく内にどんどん楽しくなっていきそうな予感がします。

ギターって、一人で弾けてしまう楽器なのでソロで演奏される機会が多いですが、アンサンブルもそれに負けず劣らず魅力的です。というより、ソロとは全く違った魅力があります。ギターアンサンブルの曲も増えてきていますし、他にも魅力的な曲がたくさんあるのだろうとワクワクします。
ミューズにいらっしゃる方の中にも、ギターでアンサンブルをやっているという方も多いですね。そういう方と、アンサンブルの曲についてお話できたらと思います。

短いですが、今日はこの辺で・・・。

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2月23日にアップした「トローバの協奏曲」にMASAさんなる人からのコメントがあり、ギター協奏曲を整理されたと言われるので、彼のブログを見るとそれはそれはありとあらゆるギター協奏曲のリストをアップされているではないですか。それに更に投稿があり、こんな協奏曲もあったと追加、追加でギター協奏曲の話で持ちきりなんです。そこで次に紹介する原稿は内生蔵さんが1ヶ月ほど前に書かれたものですが、協奏曲絡みと言う事で本日アップさせていただきます。(山下 高博)

<あれも聴きたい、これも聴きたい> ドッジソンのギター協奏曲

 この写真のLPは、40年近く前、CBSソニーというレーベルが発足した時に、第1弾として発売された何枚かの内の1枚で、ジョン・ウィリアムスのギター独奏、チャールス・グローブス指揮、イギリス室内管弦楽団で、ロドリーゴの「ある貴神のための幻想曲」とステファン・ドッジソン作曲、ギター協奏曲第1番が裏表に入ったもの。ではここに写っているCDは何かというと、今言ったLPとまったく同じ内容の海外盤CDで、探せばあるんですねえ。

 このレコードは私が大学に在学中に出されたもので、A面の「ある貴神のための幻想曲」は今まで何度も再発になっているのだが、B面のドッジソンが、国内盤ではまったく見あたらなくなってしまっていた。最近までもうCDで出てくることはないだろう、と諦めていたんだけれど、偶然海外盤で手に入った。勿論中に入っている解説の写真はごく最近のものらしく、ジョンが抱えているギターもグレッグ・スモールマンだ。このレコードが出された時、ジョンはまだイグナシオ・フレータのはずで、もう少し後になると、しばらくエルナンデス・イ・アグアドを使用する時代が来ることになる。

 それにしてもこのドッジソンのギター協奏曲、私は結構いい曲だと思うのだが、当時批評の中で「毒にも薬にもならない曲」とかなんとか言われたことがあって、国内ではとんと聞かなくなってしまい、私の知る限り、レコードとして再発されたことは1度もないはずである。つまりこの曲は「この世の中にあってもなくてもどちらでも良い曲」と評されたわけで、当時私は「随分ひどいことをいうなあ。無責任極まりない。けしからん!」などと偉そうなことを思ったものだったが、さっき言ったように、結局、その批評をそのまま真に受けてなのか、2度と国内盤で目にすることはなくなってしまった。しかし、CDの時代になって何とか再発してもらいたいと思っていたところ、この度ついに海外盤で手に入れることができた。なんだか愛し合ったまま別れた昔の恋人に再会したような気がして、心うきうき、目標をひとつ達成できたようで、嬉しくて仕方がない。(もっとも、私にそんな人がいたというわけではないので誤解なきように)

 このレコードの演奏は、ジョンのレコードの中でも非常に良い出来ばえで、ジョンの特質が遺憾なく発揮されており、名盤中の名盤だと私は考える。ロドリーゴにしてもただバリバリ弾きまくるだけではなく、大変曲の雰囲気にあった表現で終始していると思うし、またドッジソンの方は、むしろジョンの無類のテクニックと機関銃のような音の連続がむしろ小気味良く、この曲はこうあるべきといった表現になっていると思う。
今回やっとCDを手にすることが出来て聴き返してみたが、やはりその印象は変わらず、何故この最初に発売になったレコードのB面の曲だけが、ずっと没になってしまっていたのか、やはり分らない。

こうなるとジョンのレコードでどうしてもCDで手に入れたいのが、最初にアメリカで録音した、テデスコのギター協奏曲第1番ニ長調、ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管のものだ。それと確かポンセのギターとハープシコードの曲とブリテンの歌曲を録音していたような気がするので、なんとかそのあたりを手に入れたいと思っている。
なんだかテレビの「なんでも鑑定団」の「お宝買います」のコーナーのようになってきて恐縮だけれども。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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4月にスタートした『合奏を楽しむ会』が今日で丁度6ヶ月になります。
そこでナビゲーターを務めていただいている高岡誠さんにお話を伺いました。

この合奏を楽しむ会は初心者から上級者までいろんなレベルの方々に一緒に楽しんでいただけるように高岡さんは苦心されているそうです。しかも初心者の方にも楽譜を読む力、初見の力を付けていただければと言う事で、『今月の名曲』として毎月新しい曲にチャレンジするとともに、年間を通して仕上げていく曲の2本立てで指導をされています。

年間を通して仕上げていく曲は『美しき青きドナウ』、そして『今月の名曲』として今までにチャレンジしてきた曲は次の通りです。
4月 シベリウス/フィンランディア
5月 ウェルナー/野ばら
6月 中村八大/上を向いて歩こう
7月 中村八大/上を向いて歩こう(皆さんのリクエストでリピート)
8月 メンデルスゾーン/無言歌“信頼”
9月 禁じられた遊び

高岡さんは最初に皆さんにアンケートで希望を聞くとともに、皆さんにとって初めての曲も入れたりして選曲に配慮されています。そして初心者の方にも初見にチャレンジ出来る様に易しいパートを作り、弾ける人にはそれなりに難しいパートをと配慮して編曲してくださってます。それでも初見が難しい人には希望があれば事前に楽譜を送ってくださっているそうです。そして半年経った今日、ある参加者の方が『少し楽譜が読めるようになってきました。音も綺麗になってきました。』とおっしゃってくださったそうです。うれしいですよね。

また高岡さん曰く『合奏もリズムに乗ることが大切ですからね。』とリズムに乗ることも大変重要な点として指導されているそうです。更にこれは高岡さんらしい事なのですが、『毎月のキーポイントとして合奏する曲に関連したCDやテープを聴いてもらったり、エピソードを話したりしてはいろんな観点からその曲への理解を深めてもらえるよう努力しています。』とのこと。それが参加者からは『毎月出会う曲が新鮮に感じられていい』と評判の様です。

私は指導を高岡さんにお願いして良かったと感謝してます。これだけ真剣に取り組んでいただき、また準備も大変だと思うのですが、きっちりとした仕事をしていただいています。小さな事ですが、皆さんの名札まで高岡さんが用意してくださっているんです。本来ならミューズで用意しなければならないのに・・・。

そんな高岡さんの指導で合奏を楽しみながら読譜力をつけ、拍子感、リズム感を養い、アンサンブル力を身に付けていく、こんないい事はないですね。

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<あれも聴きたい、これも聴きたい> メトロノームの薦め

 皆さんはメトロノームを知っていますよね。そりゃあギターを弾いている人でメトロノームを知らない人などいないでしょう。
では実際にメトロノームを持っていますか?という質問に対してはどうでしょう。
きっと何%か、ひょっとしたら何十%かの人が脱落するかもしれませんね。
では次に、メトロノームをお持ちの方に質問。
貴方は毎日の練習にメトロノームを使っていますか?
・・・・。ひょっとしたら、ここでまた何十%の人が脱落するかもしれませんね。
では次にメトロノームをいつも使って練習をしている人、あるいはいつもではないけども必要と感じたときにメトロノームを使って練習しているという人に質問。
貴方は何のためにメトロノームを使っていますか?あるいはメトロノームの正しい使い方を知って使っていますか?
・・・・。ちょっと段々あやしくなってきませんか?

メトロノームなんて、曲のテンポを知る時に使うか、正確なリズムを刻めるように一緒に合わせて弾くか、使い道ははっきりしているように思うのですが、はたしてそうでしょうか。確かに弾こうとする曲の始めにおおよその速さを指定してある時があって、それがどれくらいの速さなのかを知りたい時にメトロノームは便利な機械ですね。では実際にそのテンポでメトロノームをスタートさせ、それに合わせてその曲を弾いたとしましょう。
・・・・。何か変ですね。何か変なはずです。音楽にならないというか、音楽がせせこましいというか、自分の表現しようとする音楽とはちょっと違うでしょ?
試しに何かCDをかけて、メトロノームをそれに合わせてスタートしてみてください。ちょっと難しいですが、何度かトライしてみてください。
・・・・。土台無理なことがわかったでしょ?最初の出だしは合わせても、すぐに合わなくなってしまいます。これはどこまでいっても合いません。
どんな音楽でも、どんな人の演奏でも、メトロノームのように正確にリズムを刻んだ演奏というのは、よほど特別な意図を持って書かれているのでなければあまりありません。つまり、ちょっと乱暴な言い方で言わせてもらえば、音楽はメトロノームのように正確にリズムを刻む必要はないということなのです。
「え?じゃあ何でメトロノームなんかがあるの?」とおっしゃりたいでしょうが、それが大有りなんですね。

 勿論、「機械のように正確にリズムに合わせて弾ける」ということは大切なことです。初心者の頃はそうしようと思ってもなかなかできないものです。そういう意味でははじめのうちはメトロノームに合わせて音階やアルペジオなど基礎練習をすることは有意義です。しかし、音楽というのは時間とともに進行していきます。その時先ほどやってみたCDの演奏にメトロノームが合わせられないように、音楽のリズム速さは刻一刻と揺れ動いています。人の心が時間の経過とともに揺れ動くように音楽も揺れ動いています。メトロノームに合わせた一定の速さが横に伸びた一本の直線としたら、その直線を「ゼロ」として、音楽の進行に従って上に少し、下に少し、また急激に上に伸びたり下に下がったりという変化を絶えず繰り返しています。それがある意味、演奏家の「音楽の解釈のひとつ」と言える重要なファクターであることはお解りいただけると思います。

ではどのように変化させてもいいかというとそうはいきません。その速度の変化が、あくまでも聴く人にとって自然に聴こえてこなくてはいけません。できれば速度の変化を聴く者にとってあまり感じさせないくらい自然であってほしいものです。そうした時演奏する者は、正確に刻む時計を、心というか頭というか、あるいは体に持っている必要があるのです。
とにかく自分が今どれくらい「ゼロ」のラインから上へ上がっているか、上げていったら良いのか、または同じく「ゼロ」のラインからどの程度速度が下がっているのか、あるいはこれから下げていったら良いのか、いろいろとコントロールしたいのですが、自分の体に正確な時計を持っていないとコントロールすることなどできっこありません。
飛行機のパイロットにとって、平衡感覚が重要なのと同じです。
メトロノームを使うのは、普段正確にリズムを刻むことの出来る時計を自分の体に養うためなのです。つまり、メトロノームは正確なリズムで演奏できるようにするために使うのではなく、変幻自在に、音楽の流れに添って自然にリズムや速さを変化させられるようにするための正確な体内時計を身に付けるために使うのです。(この場合の体内時計とは、普通言われている体内時計とはちょっと意味が違いますが)

ドヴュッシーは有名な作曲家ですが、有能なピアニストでもありました。そのドヴュッシーは、毎日メトロノームに合わせて基礎練習ばかりしていたと彼の奥さんが語っていたということです。何だかリズムがあるんだかないんだか良く分からない印象的な音楽を沢山書いたドヴュッシーが、毎日延々とメトロノームに合わせて基礎練習をしていたという話は、ちょっと考えさせられるものがありますね。

最後にメトロノームは沢山の種類のものが出ていますが、私は昔ながらの時計の振り子を逆さにしたような「アナログ」なものをお勧めします。何故ならデジタル回路のメトロノームのように音や光を断続的に表示してリズムを知らせるよりも、やはり時計の振り子のように、針の動きが次の拍へ到達するまでの時間的な経過を示してくれる方が、体感的に正確な時間経過としてのリズムを体に覚えさせ易いからです。
さあ!今日から皆さんも心を入れ替えて、メトロノームに合わせて練習しましょうね。
なに?メトロノームを持ってない。そりゃあすぐにでもミューズのおいちゃんのところへ行って「メトロノームちょうだい。」と言えば簡単に解決するやんか。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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