2006年9月29日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 自分の「出した音」をよお聴かなあかんよ 編
 最近、何回か若い人たちの演奏を聴かせてもらう機会に恵まれたが、その時「意外と初見がきかない」ことに驚いたということは以前ここに書かせてもらったが、もう一つ気が付いたことがあるので再度。
 それは、演奏中、ものすごく雑音が多いなあっちゅうことでおます。
 従って、残念ながらその①音の粒が揃わず、音量、音色ともに均一性が今一歩。
 いい音の中に、まず右手に起因する雑音が時々混じる。
 まず音の粒をそろえることを、もっと練習してほしいやんか。

 次に②弦を押さえる時や弦から指を離す時に、不用意な雑音が生じ、またそれが鳴りっぱなしになっているため、これも音色の統一性に欠ける要因となるだけでなく、とても演奏が汚く聴こえてしまう。(ポジション移動の時の弦を擦る音とは違うので間違えないように)
 人間の耳は、自分がこれから出そうとする音色や音量については随分注意深くなれるもんじゃが、「意識せずに出ちまった音」に関しては、ほとんど聴こえないといってもいいほど気がつかねえもんだ。

 これは自分の演奏を録音して聴き返してみりゃあすぐに分かることなんで、ぜひ一度試してみてもらいてえもんだが、できりゃあ、いつも録音機を回しっぱなしにして練習してみることをお勧めしたい。
 なぜなら練習に適度な緊張も生まれるし、第一、後で聞き返すことができるってもんだ。ギターを弾くモンとしちゃあ、まず自分の演奏を第三者の耳で聴いてみるとええ。録音した自分の演奏を聴いて、少なくともCDなんかと比べても「なかなかやるなあ」ぐれえには聴こえるようにならんとあかんわね。がんばってちょ。

 ③また一度出した音が開放弦の場合、いつまでも鳴りぱなしで、次の音に重なって響きが汚なあなる。
 簡単なことなんで試してもらいてえのだが、例えばハ長の音階を弾く時、下から上がっていく時と、上から下がってくる時とでは、音の出方の条件が違うっちゅうことはお分りでっか?上がっていく時はええけども、下がってくる時、何もしねえと開放弦の音が残ってしまうずら?(例えば2弦のシから3弦のラに移る時みてえに、シの音が鳴りっぱなしになっちまうべ?)
ギターの場合、その楽器の構造上、ピアノと違ってこのような現象がおきちまうことはいたしかたがないこととはいえ、これはなんとかしてもらわんとあかん。

 ピアノの場合は、音階を上がる時も下がる時も、音の出方の条件は変わらない。
 そこがピアノという楽器の、構造上の完成度の高さなのであって、一つひとつの音をだぶらせるかだぶらせないかは、弾く者が自由に選択できて「ぐやじー!」と思うのだけど、ギターの場合はそうはいかんところがなんとも悲しく切ない。
 当然ギターを演奏するものとして、音に関しては、出すだけではなく、出した音をどこまで響かせるかといったことまで責任を持たんとあかんことになる。
 広い意味での消音っちゅうことになるが、いずれにしても、自分の音をよく聴きながら練習をしておれば、必ず気がつくはずでなので、「なに? 気が着かんかったあ?」そりゃあかん。一大事!
もし今までそのことに気がつかんかったとしたら、これからの練習は、必ず自分の「出す音」ではのおて、「出した音」をよく聴きながら練習するこった。
 そうでねえと、出した音が出っぱなしで、流しっぱなしのトイレみてえなもんで、まったくコントロールされてねえ演奏っちゅうことになっちまう。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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