2005年7月1日のブログ記事一覧-ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



先日のスペイン紀行その1と時間的には飛んでしまいますが、グラナダで訪問した製作家で特に印象に残ったPaco Santiago Marinのお話を少しします。

彼の工房はグラナダの中心街から少し歩いて寂しげな道を行くとありましたが、調べてあった住所と番地が違うため最初は戸惑いました。倉庫か車庫のような大きな鉄板の扉の横に付いている呼び鈴を押すといかつい顔をしたセニォールが出てきました。

彼は有名なAntonio Marinの甥にあたり、1985年グラナダで開かれた国際ギター製作コンクールの第1位、1993年のハエン、1995年のバルセロナ国際ギター製作コンクールでも第1位となっています。そんな彼のギターはどんなのか見たくて見たくて、彼の工房にたどり着いた時は大きな喜びでした。

ギターを見たいと言うとラッキーにも丁度オーストリアのギタリストに発送するギターがあるというので見せてもらいました。表板は杉でしたが、とても芯が太くバランスよく鳴る楽器でついつい気持ちよく弾きまくってしまいました。ギターを買えるのかと訊くと、彼は長い間荒井貿易と取引をしており荒井貿易から買って欲しいとの回答。今度いつ荒井貿易に発送するのかと訊くと、5月だとの答えが返ってきました。そして帰国したら早速荒井貿易に注文して今店にあるのがそのギターです。

パコ・サンチアゴ・マリンのギターを使用するコンサートギタリストでは、レオ・ブローウェル、デービッド・ラッセル、マリア・エステル・グスマン、コンラド・ラゴスニックなどがいます。

一度皆さんも試してくださいませ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




昨日はブログをお休みいたしました。
その理由はミューズ音楽教室のギター講師もお願いしている酒井康雄さんのリサイタルに行って、打ち上げも参加して帰ったら真夜中。もうブログを書く状態ではありませんでした。
と言うことで今夜は酒井康雄さんのリサイタルのことをレポートします。

先ずはすばらしいリサイタルだったことをご報告します。
私が言うのも僭越ですが、学生時代から一緒にギターを弾いて遊んでいた仲間として「酒井さんも大成されたなあ!」と深く感じた演奏会でした。彼のリサイタルを全て聴いているわけではなく、寧ろ久し振りにちゃんとしたリサイタルを聴いた訳ですが、若い頃からの彼の演奏を知っている者として、今までで一番いい演奏だったと言えると思います。

プログラムは:
H.パーセル/5つの小品
G.F.ヘンデル/サラバンド(主題と変奏)
F.ソル/幻想曲Op.40
3つのメヌエットOp.11-6,9,10
F.シューベルト(J.K.メルツ編)/3つの歌曲
   「愛の使い」「セレナード」「我が宿」
  ◇休憩◇
K.ヴァシリエフ/幻想曲「運命」
N.コシュキン/リュートを弾くトリスタン
S.ラック/クレンピルの主題による変奏曲

本人もプログラムの中で述べていましたが、イギリスとチェコ、ロシアの音楽中心と言うあまり馴染みのない曲で構成されていました。従来からありきたりのプログラミングをしない酒井さんですが、今回のは決して奇をてらったものではなくなかなか聴き応えのあるいいプログラムでした。
一部ではパーセル、ヘンデル、シューベルトの間でソルが演奏されましたが、さすがのソルも大作曲家達の間では霞んで聞こえるほどのプログラムでしたから。
また、第2部では馴染みの薄い作品での構成ですが、最後のラックの難曲も難しさを感じさせない名演でした。

酒井さん、本当の意味でおめでとうございます。素晴らしいリサイタルを聴かせていただきうれしいかったです。
打ち上げでも、車で飲めない酒井さんを横において、ワインをバンバン飲んで申し訳なかったですが、本当に楽しい一夜を過ごさせていただきました。ありがとうございました。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )