紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

2023日本ムラサキ・2年目の開花

2023-05-20 21:35:36 | 日本ムラサキ栽培
「昨年収穫を見送った紫根の現況」
昨年初秋、畝の端にあたる株を試し堀してみた結果、例年とは異なる紫根に不安感を抱いた。
鮮やかな紫根の色は少なく、別の株も掘ってみたが同様であった。

この畝は、四周が大きなブタクサに囲まれて根元近くが乾く事が無かった。
風除け代わりに思い付き、ひと手間を省いたのが間違いだった。


春先の草の生育に隠れて既に開花していた。カラスノエンドウと一緒に咲くとは、驚きだった!

ハコベが極限まで伸びて、倒れ伏し日本ムラサキが一段と目立った。春は名のみで無く、例年に無く早い訪れだった。

問題は紫根である。掘り起こしてみる。その根元にヨトウムシ!新芽を切って土の中に引き摺り込んで食す害虫。
この食害に遭ったのか新芽は、少なく小さかった。


害虫被害は別にもある。別の株の先端部、ハムシの食害である。それ故かまだ蕾も見えない。

案の定、紫根は使い物にならない。昨年秋掘った時より更に悪い状況である。

6本を掘り上げ自宅に持ち帰る。
小さなスコップで掘ったので、途中で切れた紫根も多かった。
白い丸印の切れた根に気付く。下がその拡大写真


これは新根である。しかし、古い根の先に出た細根で全体から見れば期待できるものでは無い。
昨年の太い根が赤くなるとは思えない。
取り敢えず鉢に植えてみるが、花が咲き続けるのか?種子が着くのか?
無意味と思いつつ、一連の作業で放り出す事は出来なかった。

    「あきらめの はんだんできず みがおもい」

北海道では1年物〜4年物の収穫例の写真を見た記憶がある。次の文献であった。
掲載誌 季刊「染色と生活」第11号冬 伝統染色 特集 紫根染と貝紫(1975)・染色と生活社

#紫草の文化史「日本のムラサキ」三浦 三郎(みうら さぶろう)著(日本薬史学会幹事/山之内製薬 中央研究所)
「ムラサキむかしむかし」から始まって「紫根の色素について」の分析方法、また紫根色素は昇華性を有する等
得心の事が多く 古いとは言え、これ程多岐にわたる論文もないであろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本ムラサキ・定植後1週間 | トップ | 2023日本ムラサキ・定植苗その後 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本ムラサキ栽培」カテゴリの最新記事