紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

2023日本ムラサキ・定植苗その後

2023-05-27 20:46:57 | 日本ムラサキ栽培
「栽培地への適応と害虫被害」
定植後3週間目を迎える。室内気温21°C(常時)から1日の気温差17〜20°Cもある露地への適応は如何に?
更には最低気温4°Cの日々、苗の生育にとっては過酷な負担であったと思われる。


本葉数からして秋苗と思われるが、中心に生育を始めた2枚の葉を包み込んだ新たな状態を確認できた。

春苗と思われる(本葉の傷みが全くない)が、中心に小さな葉の生育を見る事ができた。

秋苗の栽培環境への凄まじい適応力見る。ロゼット状の葉は全て枯れ傷み、下部から新芽を出してきた。
ロゼット状の中心の葉が残れば、2本立ちで生育の期待もある。


秋苗の葉は全て傷み新芽の2本立ちとなって、生育中。紫草の強靭さを讃えたい。

同様の秋苗で、枯れて傷んだ葉は強風で飛ばされたか、影も無い。
既に新芽6枚が小さいながら生育中である。


毎日見ているつもりだが、苗が消えている。特に荒れた様子は無い。原因不明?

すぐ隣、事態急変なり!害虫被害の発生である。他にも数箇所ありヨトウムシによる食害と判断。
被害の数ヶ所を棒にて掘って見るが、発見できず。先週、開花の紫草の根元で出会ったばかりだ。


遂に、お目当ての害虫を発見!予想通りヨトウムシである。丸まって動かない、死んだ振りをしている。
別の被害場所を捜索中に気付くと、先ほどのヨトウムシは脱兎の如く逃走中であった。
4〜5cmに長く伸び切って、かなりの速さで驚くほどであった。カメラを取る間も無かった。
残念でならない。

耕作中に何処かで見かけているが、鍬の動きが早く土を掛けてしまった。
その際、鍬を替えて鎌で丁寧に探したが、見つけることが出来なかった記憶がよみがえる。
今回は、何とか処分する事ができた。

下草が出始めてから、草マルチにして、安心して苗を見ない日が続いた矢先の事であった。
草マルチは、早過ぎたと取り払う事にした。ヨトウムシの隠れミノとなった様である。

  「事 起こり 油断大敵 我が身なり」

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023日本ムラサキ・2年目の開花

2023-05-20 21:35:36 | 日本ムラサキ栽培
「昨年収穫を見送った紫根の現況」
昨年初秋、畝の端にあたる株を試し堀してみた結果、例年とは異なる紫根に不安感を抱いた。
鮮やかな紫根の色は少なく、別の株も掘ってみたが同様であった。

この畝は、四周が大きなブタクサに囲まれて根元近くが乾く事が無かった。
風除け代わりに思い付き、ひと手間を省いたのが間違いだった。


春先の草の生育に隠れて既に開花していた。カラスノエンドウと一緒に咲くとは、驚きだった!

ハコベが極限まで伸びて、倒れ伏し日本ムラサキが一段と目立った。春は名のみで無く、例年に無く早い訪れだった。

問題は紫根である。掘り起こしてみる。その根元にヨトウムシ!新芽を切って土の中に引き摺り込んで食す害虫。
この食害に遭ったのか新芽は、少なく小さかった。


害虫被害は別にもある。別の株の先端部、ハムシの食害である。それ故かまだ蕾も見えない。

案の定、紫根は使い物にならない。昨年秋掘った時より更に悪い状況である。

6本を掘り上げ自宅に持ち帰る。
小さなスコップで掘ったので、途中で切れた紫根も多かった。
白い丸印の切れた根に気付く。下がその拡大写真


これは新根である。しかし、古い根の先に出た細根で全体から見れば期待できるものでは無い。
昨年の太い根が赤くなるとは思えない。
取り敢えず鉢に植えてみるが、花が咲き続けるのか?種子が着くのか?
無意味と思いつつ、一連の作業で放り出す事は出来なかった。

    「あきらめの はんだんできず みがおもい」

北海道では1年物〜4年物の収穫例の写真を見た記憶がある。次の文献であった。
掲載誌 季刊「染色と生活」第11号冬 伝統染色 特集 紫根染と貝紫(1975)・染色と生活社

#紫草の文化史「日本のムラサキ」三浦 三郎(みうら さぶろう)著(日本薬史学会幹事/山之内製薬 中央研究所)
「ムラサキむかしむかし」から始まって「紫根の色素について」の分析方法、また紫根色素は昇華性を有する等
得心の事が多く 古いとは言え、これ程多岐にわたる論文もないであろう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本ムラサキ・定植後1週間

2023-05-13 21:52:53 | 日本ムラサキ栽培
「1日の気温差17°C、温度差との闘いか?」
定植作業はしゃがみ腰で休み無し、老体にとっては翌日・翌々日と横になったままとなる。

定植後、翌日翌々日と雨で苗には特に負担は無く、変化は見られなかった。3日目の苗の様子。

晴れの日がやって来て、強風も吹き荒れる。遮光ネットを張る。

本葉が大きな秋苗であったが、日差しに負けたか?翌朝は元気な葉に戻る。

これも秋苗であるが、1日の温度差17.5°Cの温度差の負担は無理であったか?2回もあった。

秋苗は葉が入れ替わるのが通例。大丈夫と見ている。中心の緑が決めて?

遮光ネットを外して敷き藁をする。下草の芽が見え始めたからである。
この時期、藁は無い。茅を刈り取り保存して置いた。ビニールマルチは栽培に適さないからでもある。


大きな葉の秋苗、元気になっているが葉は入れ替わるだろう。

春苗である。全く気象状況の負担は無く元気な様子。
全ての苗が順調に生育とは考えられない。安心して生育を見られるのはいつ頃だろう?
開花時期6月中旬頃か。
苗間隔は、共に生育し支え合う事を考え狭くしてあるが、生育が遅れた苗には不都合となろう。
発芽時期が、かなり異なった苗が混在する結果となっているのは致し方ない。
栽培用と言うより、発芽試験の結果の苗なのでマチマチとなった。
栽培としては、これが最後となる。

   「あれこれの たねをすてつつ はるがゆき」

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023日本ムラサキ・定植

2023-05-06 19:44:17 | 日本ムラサキ栽培
「例年より1ヶ月早い定植作業」
漸く訪れた、定植作業日にお誂えの天気模様。曇り、夜間に雨。翌日最低気温16°C雨。

高畝の準備が出来ているが、苗間隔はこれから。

支柱の竹を差して見る。20cm間隔で3列、60本定植予定。

早朝に、竹を抜いて水を差して置く。暫く雨が無かったので掘っても土は崩れて穴が出来ない故。

秋苗を取り出してみる。根の先端部はポットの底にグルグル巻きになっている。
軽く手で叩いて根をほぐす。細い丸棒を差し入れて根をほぐす。培土は乾いている必要がある。
秋苗の根を解す作業は、特に考え無しに作業に入った。


根の生育は予想通りであるが、定植作業は容易ではない。

この苗には新芽が覗いている。2本立ちの苗になりそうである。双葉は既に黒くなっていた。

春苗を取り出してみた。この様子だと定植は、穴の高さ調節のみで良さそうだ。

そのままそっと置くだけだ。全てのポットが同じであれば良いのだが・・・。
培土が崩れない工夫は敢えてしてない。水を含ませるだけでも崩れないかも知れない。
午前中、3時間を要して1列終了。
秋苗の根を解す作業は必要だったか疑問に思っている。そのママでも苗自身で・・・・わからない?

午後5時過ぎに残りの2列を終えて、倒れる様に横になる。

  「おいのひび かくごをしらず みをいため」 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする