紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ種・浮種検査考

2020-12-26 18:59:02 | 染料栽培
「浮種からの発根を確認」
ムラサキの種を採取後、一定期間の乾燥を待って浮種検査を行っている。
1本のムラサキから採取できる種は、500粒以上の種を採取できる。
分枝1本から80個以上の種を採取した事がある。分枝は10本近くもある。
この多くの種の中から、発芽の可能性のある種を分別しなくてはならない。

浮種検査はその最も簡単な検査方法である。
ビーカーに水を満たし、種をそこに落とし込む方法である。
一気に多くの量を落とすと、即沈む種と浮く種に別れる。浮く種を除外する。

この除外した浮種が検証の対象である。紙コップに除外浮種を検査の度に捨て置いた。
発根しないと思っていたのだが、窓際の紙コップがきっかけとなった。
浮種を4個のビーカーに種が分別できた。


浮種の分別は日数を要した。浮種であるから全ての種が水に浮かぶ。
撹拌して、数時間経過すると一つ二つと沈下する種が出てくる。
1日目6時間経過で沈んだ種、翌日に沈んだ種と序々に少なくなる。
その検査結果である。4日後2粒が沈まないで終了。


最初の日6時間で沈んだ種が量も多かった。変化が有るとすれば、この種であろう。

ポリ容器にキッチンペーパーを敷いて発根テストへ移行する。
10日間経過するが変化なし。15℃の設定では低いのかも知れない。
苗と同じ設定では、この時期無理かと別温室を作る。20℃の設定にする。


一晩で2粒が発根、今日は小春日和で室内に陽が差し込みストーブも点けない。
直射日光を避けて、黒画用紙をカバーにしておく。
夕刻、カメラで発根を確認。10個が根を出してきた。最初に沈んだ種である。
それ以外は変化なし。昨年廃棄途中で発見した除外浮種の発根を検証できた。

  「おいために しろくかがやく ねがうれし」
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2020・師走の日本ムラサキ

2020-12-19 19:19:43 | 染料栽培
「温室で冬越しの日本ムラサキ」
小春日和は、束の間の事であった。厳しい寒波がいきなりやってきた。
畑の枯れ草の処分もできずに、雪の下になってしまった。
自宅から1歩も出ない日がやってきた。温室のムラサキの世話に手を出す事になった。


11月中旬に発芽した苗が並ぶ。最低気温設定15°Cが高い故かもしれない。

以前にもこうした例を記憶している。確か題は「2月の変」であった。

クビ長の本葉では先々心配である。
双葉からまた芽が出て来るので迷う事なくカットする。


この位でじっくり生育してくれると安心である。

「時ならぬ発芽」2020-11-13 現在の生育状況である。

冬を乗り越える姿である。

しかしながら、11月苗は春先に一旦葉が枯れ新芽となった。
この苗はどうなるのだろうか?
やはり、新春を迎えてから発芽する苗の生育を見る事が無難であろう。
思い付きで発芽試験をするので、いつでも苗と共に生活している様なものだ。

  「ひとつぶが めをだすゆえを まにうけし」
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日本ムラサキ・2021へ

2020-12-12 15:18:13 | 染料栽培
「紙コップから発根・発芽への試み」
紫根の収穫を終えて、ほっとする間も無く育苗に気掛かりな毎日となった。
種を採取した枝を畑に捨てたのだが、日を経て取り残しの種が目に付いた。
黒くなった枝葉に白い種が見える。投稿 2020-11-28 「霜月の苗床」


紙コップにキッチンペーパーを敷き、拾い集めた残り種を入れた。
4粒の発根の記録があるが、その後数日置きに1粒の発根が続いている。


この処発根が無いので始末をと覗いてみて、2粒の発根を確認した。

発根種はポットの培土へ、根を下に種の一部が見える程度に埋めてやる。

数日後、根は延びて発芽となる。根は直根で既に3cm以上であろう。

双葉が開くと、順調に生育が始まる。2021年の畑が待っている。

苗床の残り種の発芽苗に加えて、2段目のトレイの育苗である。

紙コップは深くて、中の様子が見え難い。半裁にして組み立てると中が一覧できる。
長いコップに意味があったのか比べて見る事にした。
種は選別の際、浮種としてハネ出した除外品である。これも、試験対象である。
発芽すれば、全て良き苗と考える事にも問題があるかも知れない。

   「しろうとの ぎもんをよそに なえそだち」

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日本ムラサキ・野生仕立ての収穫

2020-12-05 19:43:51 | 染料栽培
「もう一つの収穫」
紫根の収穫は、ほぼ終了したのだが野生仕立ての紫草が残っていた。
あまり紹介はして来なかった。ほんの思い付きに過ぎなかった。
「野生仕立てのムラサキ」日付2020/ 5/9 、7/4、 8/9


マルチ畝の直ぐ上段に苗を定植した。耕作は全くしてない。
ブタクサやアレチウリなど厄介な草は抜いてきたので全く野放しではない。支柱も添えた。


幾つかを掘り出して見ての判断になる。紫根は直ぐに横根が出てきた。

紫根の収穫は戸惑いがあった。来年の生育を見るべきかと迷った。

これは、と言う生育は見られない。耕作地との大きな違いである。

ツルハシを使って根を探りながら全体を掘り出し作業となる。
刃物のスコップは根を切ってしまうので使えない。ツルハシは重くて直ぐへばってしまう。


ピッケルの利用を思い付いた。もう50年も使っていない。
あちこち引越しをしたが何処へ行っても、部屋の片隅に必ず場所を得ていた。


使用効果は抜群であった。軽く、深々と土の中に入る。ツルハシの十分の一か!

ピッケルを畑で使うとは、驚きである。老齢の現実に向かうのみである。
同時に若き日の思いも断ち切る自分に・・・、涙もなく哀れでもない。


ピッケルの成果である。ツルハシでは容易に掘り出せない。

野生の紫根としては、根は地中深く生育する事はできず土を選ばないと無理と判断する。
地表面近くで生育した根の養分は株元に集まるようだ。長い根の生育は耕作した土には適わない。
軽々とした道具の使用もあって全ての野生仕立ての紫根全てを抜いて収穫を終えた。

   「ピッケルを つちにうちこみ ゆきやまよ」


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