紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ、発芽方法の見直し

2017-02-27 16:36:38 | ムラサキの栽培

 「発泡スチロールの苗床」
 日本ムラサキは発芽の難しい種子であると思い続けて来た。
 しかし、条件が揃えば多くの種子が発芽する。
 条件の1つは冬期間に一定期間、低温保存する事である。(3週間 0℃)
 
 冬期間に限らず、結実したと思われる9、10月頃でも、低温保存は可能である。
 この時期はまだ気温が高いので、低温保存の終えた種子はパック内でも
 多数の種子が、勢い良く発根してくる。


 昨年11月16日の記録である。
 採取した種の発芽試験をパック内発根方法で実施。
 白いのは根である。根が先に出て芽が出る生態である。
 ちなみに、綿毛状の細根は土の中で周囲に附着する為の物で
 これを支えに、殻を持ち上げて地上部に出て殻の帽子を落として双葉が開く。
 根は直根で双葉の頃には4cmを越える。

 発芽状況は、この時期が最適ではと考える様になっている。
 10月以降に発芽した種は地域にもよるがハウス内で育苗となる。
 翌春に露地への定植して、晩秋には紫根を収穫する。
 13ヶ月の生育結果を見る事になる。

 パック内発根法は、発芽の兆しを確認出来るので根の出た種をポットに
 植え付ければ4〜5日後には双葉が開き発芽の生育を見ることが出来る。
 発根種は根を痛めない様にあらかじめ水で湿らせた培養土に、そっと埋めてやる。
 種の殻が見える程度の深さで良い。



 パック内発根方法でしばしば見られるのは、数粒が兆しを見せた後に
 発根が続かなくなる事がある。「紫草の種子、パック内発根方法、見直し?」
 (2016-10-16 19:55:17 | ムラサキの栽培)その際の対処方法を思い出した。

 こうした場合は発泡スチロール容器の苗床に移すと良い。
 この苗床は赤玉土小粒を10cm程の厚さに敷き、水を沢山入れてある。

 寒中であれば、ぬるま湯を入れる。苗床の温度は20℃をメドにする。
 発泡スチロールの容器の底に穴は開けない。
 水量に注意するが3〜4cm程度水が底に残るくらい入れる。後の水分補給はしない。
 
 赤玉土の表面に1cm程の溝を作り川砂をその溝に流し込む。
 その砂を平らにして、楊枝を置いて押すと浅い溝が出来る。
 そこに発芽の兆しの無かったムラサキの種を置いて行く。
 その上に川砂を種が隠れる程度に掛けて行く。



 その後、出来るだけ日光を当てて地温を下げない様にする。
 既に、パック内で発根を試みた種であれば5日目頃には兆しが出て、
 7日もすると多くが発芽してくる。種が砂に包まれ、発芽に適温適湿となる。
 容器の底の水が発芽するまで湿気を保持してくれる。



 パック内で発芽の兆しを見ることが出来なかった種である。
 発泡スチロールの苗床は、ムラサキ栽培を始めた頃の原点である。
 カラカラに乾いてしまえば、条件が合わなくなるので注意。
 上からの水分補給は不足し勝ちである。

   
   「いつがよい めのだすひを たねにきき」



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日本ムラサキ、期待の発芽試験?

2017-02-15 16:37:26 | ムラサキの栽培

 「予期せぬ発芽から期待の発芽試験へ」
 室内栽培の鉢からの発芽は、驚きの発芽であった。
 休眠中の株から新芽が出て来る事は、枯れた茎を切った時にその兆しを確認していた。
 しかし、室内に転がっていた種を放り込んでおいただけで発芽!
 これは驚きであった。
 休眠中とは云え、時々は給水をして管理していたが、正解であった。

 ならばと、紫草の下の泥鰌を狙う。




 柳に下ならぬ、日本ムラサキの下に泥鰌は?
 偶然にしても、条件が適していた訳であるから発芽出来た。ならば・・・・。




 この鉢のムラサキは新芽の兆しが無く枯れ葉に、緑が残り茎を切れずにいたが
 思い切って切って種を播く事にした。切り取った枝から採取した種である。
 つまり、親元に子種を播いた訳である。13粒が実った。
 10粒が白い種、別に3粒が土と同化している。




 雪中保存ポットからの発芽苗、殻が付いている内に抜く。
 別ポットに移植して生育状況を揃える。
 白いマーカーは各ポットの発芽数である。




 既に本葉2枚が生育中のポットも有る。
 発芽が揃わない原因はどこにあるのだろう?
 低温保存期間に不足があった可能性が考えられる。
 用土に守られ、雪に守られ、低温保存期間が不足であったのか?
 まだ雪の下に有るポットを出して見れば、その差が判明するやも知れない。

   「きをもませ きをまわしすぎ めがでない」


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日本ムラサキ、予期せぬ発芽

2017-02-11 15:56:28 | ムラサキの栽培

 「2年目の新芽に合わせて新種より発芽」
 室内で鉢栽培のムラサキに新芽が出て来た。
 昨年花も見せずに枯れてしまったが、この時期に新芽が出て来た。



 室内最高気温20℃、朝方の最低気温は時に5℃である。
 窓際に置いてあるので、好天の日には障子戸を開ける。
 日差しが当たると鉢の温度は25℃を越える事もあろうか。

 2年目の新芽は予想していたのだが、床に落ちこぼれていた種1粒
 ポイと投げ入れた事を思い出した。

 これで発芽するなら簡易温室など不要となる。
 温室は最低気温15℃〜20℃ これでも、容易には発芽しない。



 ポットに移植して温室に移動。
 温室へ入れてから、その必要があるか少々戸惑う。
 このまま鉢の隣に置いて生育状況を見るのも一興であるのだが・・・・。


    「どうしよう よきせぬはつが みぎひだり」
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日本ムラサキ、奇妙な発芽

2017-02-04 19:17:48 | ムラサキの栽培

 「雪中保存ポットの発芽(続)」
 沢山のムラサキを発芽させていると奇妙な発芽に出会う事がある。


 これは珍しい姿だ。初めは単に赤玉土が乾燥したと思いスプレーで
 水分補給をして置いた。発芽に気付いたのは緑が見えてからであった。
 赤玉土を落とすと殻の帽子を被った例の姿になった。




 発芽の兆候を確認したが、どうも腑に落ちない。
  爪楊枝で用土を取り除き、様子を見る。




 例の逆子である。種の殻を持ち上げる事が出来ずに、根が地上へ延び出てしまった。
 このままと云う訳には行かない。




 直ぐに移植をしも良いのだが、取り敢えず正常な状態に戻してやる。



  これが、日本ムラサキの発芽の姿である。
  生育の悪い苗は今後、生育上問題があると見て、間引いてしまえば良いのだが、
  そう云う訳にはいかない。

     「なにゆえか きずおうなえに てにかける」



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日本ムラサキ、約束の日

2017-02-01 16:41:28 | ムラサキの栽培

  「紫草の雪中保存ポットの発芽」
  数年振りの大雪で、雪中に保存したポットの取り出しに苦労したのは
 10日程前の事である。
 室内に運び込むと、冷え込んだ40個のポットは室内温度を
 下げた様子であった。



 2月初頭には発芽が始まるのではと、待つ事10日。
 約束を違えずに、発芽してきた。



 しかし、各ポット全てと云う訳ではない。
 好条件に恵まれた種ののみ、とも云える。




 ポット内でも種の位置は微妙に異なる。
 上に覆った赤玉土の深さも一様ではない。



 整えた苗床に種を播けば良かったと、急いだ判断に反省頻りである。


 待ちきれずに発芽して来る時期ではない。外は真冬日の日もある。
 外はまだ多くの雪で別のポットはその下である。

 各ポットには5粒の種を播いたが3粒は発芽して欲しいという願いがあった。
 つまりは、発芽しない種を想定しているとも云える。
 また発芽しても発芽時期が、かなりズレる事も、その後の育苗に問題を残す。

   「やくそくを たがえずでたが ほうびなし」



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