紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ・2022紫根収穫(続)

2022-10-29 21:05:05 | 日本ムラサキ栽培
「最後の紫根収穫作業か・・?」
連日、悲喜交々の紫根掘りが続き、午前・午後各2時間の作業は疲労困憊の原因となる。
雨天の日は、終日床に臥して疲れた腰の休養に当てる。
未だかつて無い収穫の日々である。しかも掘り出した紫根の状態は、首を傾げる物が多い。


期待の根元、径13mmを接写。初めて地上に出て光を浴びる。13ヶ月の生育結果を知る。
最大は径15mmもあり、重さは150gもあった。乾燥すれば50g程となるか。


紫根の一部が土から現れる。この色に魅了されって既に10年程になる。
しかし、今年はこの後が油断ならない。
全体がこの色とは限らないからである。


同じ畝でも、場所によって紫根の一部に傷みがあるからである。
この一株は、事なきを得た様だ。良品と見て良いであろう。


収穫後、2〜3日風に当て乾燥後、水道ホースのジェット噴射で土を落とす。
下部の絡まった細根に残った土を洗い落とす。35cmを越える生育であるが、下部にや々細い根がヤタラに多い。
この掘り出し作業は大変だった。
40cmを越える深さの土の掘り出しに、目が回った。
太さは、株元23mm 全体180g の大物である。傷みが無いのにも驚いた。

栽培当初は自宅に持ち帰り、直ぐに水を当て足元に色水の流れる事に気付く。
紫根を持ったゴム手袋も真っ赤になっていた。
後に、容器でこの泥水を受け溜め布を入れ染めると言う染色家がいて驚いた。


紫根を洗う際に持つ根元の茎を切り落とす。
根元径1cm以上になると中心部に空洞ができる。
今年は、この切り口が3cmにもなる紫根がでたが、肉質部が厚く空洞部は意外と小さかった。
コスメ原料としては最適であろう。


3日間の収穫量である・・・2日半だったか・・?
手前の方に良品が多い。


上から見る。右の1本は肝心な色が失せてしまっている。
不思議な事に、その根の最下部には数本共に鮮やかな色が残っている。
水を含む地層、含ま無い地層を写し撮ってはいないだろうか?

耕作して作った最後の畝で、余り丁寧な耕作では無かった様だ。
20cm下は粘土層のままで、スコップは入ら無い硬さである。
ほとんどの紫根は底の固い地層でストップしている。

耕作した畝の底には固い粘土の層があり、そこで伸びた根は色を残し・・・などと当て推量。
これは、左端の一本には該当するが摩訶不思議な一本で、廃棄するより他あるまい。

疲労困憊の収穫作業は断続的となり予定より1週間延びて何とか終了。
不良品が多かった作柄であった。紫根栽培の当初より自ら気付いた原則を守れなかった故であった。

昨年の栽培は、期せずしてその判断を実現する事が出来た。
栽培サイクルとして、今年もその成果を信じ込んでいた。

「年2回の梅雨は不作の原因」説がある。これは2年物の栽培の際には要注意していた事である。
この2年物の栽培は、春に定植して翌年の梅雨時を越える栽培は困難、との判断であった。

それを、回避する方法として13ヶ月栽培として、秋苗からの栽培スタートでもあった。
秋の長雨は予期せぬ、2回目の梅雨に該当する事になってしまった訳である。

再現はできなかったが、その難を免れた株も多数あった。根元の太さが証明である。
リベンジを許され無い体調となり、ただ天を仰ぐのみとなった。

  「このいろに みせられつづけ おいわすれ」
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日本ムラサキ・2022紫根収穫時

2022-10-22 20:20:43 | 日本ムラサキ栽培
「秋の長雨を懸念して収穫作業開始」
今年の9月は雨の日が多かった。
雨の日は9月には18日 湿度は64〜90%
雨量 30mm以上は次の4日 月の総雨量は千曲川決壊の年より多い
9/1・32mm  9/3・34mm  9/20・40mm  9/23・66mm

10月に入っても10/4〜10日まで1週間、雨の日が続いた。
この間、ムラサキは分枝の生育が盛んで分枝の先に分枝が伸張する程だった。
従って、種子の収穫はかつてない程多量だった。
紫根の生育は気にはなったが、雨の日が続いて畑には行けなかった。

紫根の様子を見たのは、長雨の数日後であった。
最初に定植を終えた畝から様子を見て、まずまずと思ったが・・・。


期待していた紫根の生育とは異なり、主根が短か過ぎて、5mm前後の根がヤタラに多い。
それは良いとして、赤身の無い紫根には愕然としてしまった。


これはシマッタとあれこれと、原因を考えるが思い当たるのは、湿気である。
この畝は、耕作放棄の畑でブタクサを防風対策として残して悦に入っていた。
時に、この畝は断念して遮光ネットを防風対策に使った畝を掘ってみる。


求めていたのは、この根の色である。多少傷みはあるが、善は急げである。
この畝を本格的に掘り出す事になる。
しかし、太い主根は短い気がする。


紫根の長さは、30cmを越える。ピッケルのヘッド部分とほぼ同じ。
しかし、1cm未満の長い根が多過ぎる。


約2時間の作業結果である。1本掘り出すのに20分前後も掛かっての作業。
やはり、気になるのは下部の根の傷みである。
どの根も数ヶ所に傷みがある。雨の日が続いて高温多雨で湿度も高い結果であろう。
昨年は、こうした根は全く無かった。何とか間に合った感である。


収穫を断念した畝は、耕作放棄の畑である。
昨年は斜面の南側の片面のみで、上手く行ったのだ。また全くの放棄地では無く、くまなく手を入れ
ブタクサ、アレチウリ、ギシギシ、クズ、等々を抜いていたのだ。
カボチャ、スイカを育てて、飽きる程に食材を得ていたのだった。

 「しくはっく なれたといえど ねはぬけず」
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日本ムラサキ・種子選別方法

2022-10-15 18:55:18 | 日本ムラサキ栽培
「重量比を使っての選別方法」
今年は殊の外、種子採取量が多かった。
多くの種を短時間で、選別する方法を取らざるを得ない。
端的に言えば、乾燥した種が水に沈むか・浮くかに依って選別する方法である。

丸く大きな種子、虫喰い種子、緑の種子、小粒種子を全て一緒にしてビーカーに入れる。
そこへ、水を注ぎ込む。スプーンで水を攪拌する。その結果を見るだけの方法である。


水に対して、即・沈む種子と浮いてしまう種に弁別される。
1分以内の事である。2〜3回スプーンで攪拌しても結果は変わらない。


最初に浮いた種は、別のビーカーに水を入れ、浮いた種をスプーンで掬って移し替える。
即・沈む種子は、それなりの質量を持っていると判断する。


左は即・沈下種子で、気泡が付いている。乾燥時間のズレで種子の中に空気が残っていた様である。
それでも浮かずに沈む種子は、充分に実っていると判断して良いであろう。

右は、浮いた種であるが既に底に沈む種子が出る。1〜2分の間の事で別扱い種子になってしまった。
この浮種で虫喰い種子、緑の種子、小粒種子等が皆一気に取り除かれる。


緑色の種子でも長期間の保存経過で他の種と見分けが付かなくなり、勿論発芽して来る。
経過時間を30分、1時間どちらかに区切る必要があるかも知れない。


2回目の検査で浮いている種で、緑の種子が多くなってきた。
種子が充分あれば2回目の検査は不要で全て廃棄する。


種子洗い。即・沈む種子を目ざるに入れて、流水で洗う。種子に付いている気づかないゴミ洗いである。
激しく動かし、種子と種子を当て擦る。発芽抑制物質なる見えない物も洗い流せないかと・・・。
効果の程は、不明である?


種子の乾燥、キッチンペーパーに拡げて室内にて乾燥する。

まだ枝付きの種子がブルーシートに包まれている。
これは、室外で枝を山にして棒で叩いて採り落とす予定で乾燥中。
大量の種子が集まりそうだ。

 「せんべつの めやすができて しこんほり」


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2022神無月の日本ムラサキ

2022-10-08 17:10:59 | 日本ムラサキ栽培
「発芽後14ヶ月目・2022産の種子採取」
神無月・種子採取終了。種子の付いた分枝の総量は膨大なものである。
1本から10本、10本から100本、100本から1000本。この倍の数量である。
1本を手に取って、種子のみを落とす作業は不可能で終了とす。


畑にて、ビニールシートを広げて分枝全体を乾燥させる方法に転換。

1株からの分枝は、株にもよるが10本以上になる。
30〜60cmもあり、分枝から別の分枝が伸びて倍々の量となる。


生憎、曇り空から雨が落ちてきた。葉を濡らしてしまったら、後々種子に巻き付く恐れあり。

急遽、切り取った分枝を新聞紙で包み、湿気を吸収して雨避けとする。

日は暮れて、忙しく今夜半の雨予報に備えてブルーシートを纏める。

夜半の雨は小降りで、難なく凌いだ。翌日から、新聞紙の上に分枝を広げる。

畝全体的に、株元の緑を残し(30cm程)種子付き分枝の切り取り作業終了。
1株1株から分枝を切り出す作業は中腰から、しゃがみ腰、膝付き腰となる。
1畝を2〜3日掛けてなんとか終了出来た。
その後、雨の日が続きシートの中を見ていない。

急に冬に近い寒気となり、刈り取った分枝からの種子の収穫は不明となってしまった。
種子落としには、気温上昇か陽射しが欲しい。

「たねとりも やっとのおもい おもいこし」

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日本ムラサキ・種子採取

2022-10-01 19:14:24 | 日本ムラサキ栽培
「神無月に入って本格的な種子採取」
最低気温は連日15℃以下になってきた。好天の続く間に種子採取を終えたいものだ。
数日後には雨予報が続く。


風で煽られた長い分枝、種子のない下部を残して切り取る。

先端部、黒褐色で輝く種子が見える。灰色、茶色、茶褐色の種子が多い。

分枝のカットは種子の無い緑の葉を残す。紫根収穫作業までは数週間かかるので
株の根元から30cm程は緑の葉を残し生育に支障が無いようにする。


切り取った分枝はビニール袋に保管して、葉を乾燥させない様にして1枝1枝手に取って
種子を容器内に落とす。


緑の種子もかなり取り落とす。先端部には緑の種子があるが、硬めの種子は
種子の選別作業中には灰色になって見分けが付かなくなる。勿論発芽可能の種である。


大まかな選別の第一段階である。まだ、小粒や虫食い種子等が一緒である。
最終的には重量比によって、選別の精度を上げる予定。


この畝の種子の収穫はほぼ終了。長い分枝が多かった。
また、種子も大き目な種子が多かった。
切り取った分枝は乾燥させずに、その日の内に枝から取り落とす。
1時間で切り取った一抱えの枝から種子を落とすのは、夜なべ作業となる。
その作業は2時間以上を要する。

種子の販売は下記
染色工房(くるでーはっと) powered by BASE

    「いたむこし やすませまいと たねみのり」
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