紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

栽培装置の紫草、生育状況(8月末)

2016-08-27 20:21:15 | 薬草栽培

 「続伸する花茎」

 真夏日の日々、分枝の先端は花を咲かせては続伸して行く。
 渦巻き状の蕾を持った先端成長点は、30〜40cmを越えて尚、続伸中である。
 草丈は80cmに達する。



 分枝の数は本葉の数とほぼ同じである。
 渦巻き状から解かれた分枝は、真っ直ぐに伸びる。




 分枝は花を付けた先端の2本に続いて上から順次14〜17の本葉の脇から
 出て花を咲かせながら伸びて行く。




 シジミ蝶やって来て、受粉作業。


 結実は4〜5日すると緑の種子を見ることが出来る。
 花1輪に複数個の種である。
 3〜4個の種子が多く、どうも基本的には4個で、
 未受粉の結果0〜3個となるのではと推測。
 
 その根拠は、それぞれの分枝の花形の花弁の変形を見ていないからである。



 「前回8/19 ムラサキの花1輪と種子数」の花弁と種子数について記した内容は、
 どうも正確な観察に基づいていないのではないかと思う。

 花弁の変形に気付いて、推察で種子数と関係があるのではと思い、
 たまたまデータとして結び付いた写真を、見つけたに過ぎない。
 素人の思いつきに過ぎないが、我ながら上手い筋書きで赤面の至りである。




 心配した通りの密生状態となってしまった。
 しかし、僅かな空間を縫って下から分枝が伸びて来て花を咲かせ、実を付けて行く。





 最も早く花を咲かせた株で、根元が木質化して来た。
 分枝も1番下が既に出て行き空を仰いで、花を咲かせ続けている。


   「たねのかず ちがいのもとの したりがお」

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ムラサキの花1輪と種子数

2016-08-19 09:32:04 | ムラサキの栽培

 「不定形な花弁の発見」
 紫草の花は5弁の合弁花である。
 花芯の奥に雌しべが1個、確認出来る。
 純白な花びらにばかり目を取られていた。




 花1輪に1果が当然の事と考えていた。


紫草の花が咲き、花弁が落ちて1週間後には種子の膨らみを確認する事が出来る。


 処が、細い蕚片の中に2果、3果の種子を見つけて驚いた。
 儲け物とばかり、思っていた。




 過去の写真を捜して、詳しく調べてみた。
 何となく気になったのであろう。お目当ての1枚は接写で撮影してあった。
 花弁を見ると、不定形な花弁である。
 これは、何と8弁が合弁した花形である。
 この花からは3〜4個の種子が結実した事であろう。




 この花も、花弁が不均衡である。
 雌しべは2個あるように見える。多分、種子は1個ではあるまい。




 細い蕚が黄変し始めると種も熟してくる。およそ、80日間要する。


 そろそろ、種の取り時である。
 お目当ての分枝を、そっと切ってビニール袋に入れるのが無難な方法である。
 種に直接手を出すと大概、地面に幾つかは落ちて見つからなくなる。



 種は長らく枝に付いたままになっていると
 風化現象であろうか白化する種子が出てくる。




 初冬である。取り残された紫草の1本の茎は葉も落ちて
 白くなった種子が残っていた。

 蕚も落ちて、種だけが残るのも不思議だが風化した種が
 はたして、発芽する種として選別出来るかどうか怪しい気もする。

 種子の採取時期も適切な時期がある様に思える。
 浮種検査ですぐに除外される種であろう。

 種子の数が多ければ良いと云う訳でもない。
 花1輪に1果の種子は当然、丸々と大きな種になる。
 複数の分果は必然的に小さな種を実らせる事になる。

   「ゆえありて おおくのたねを いだけるや」


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蓼藍、圧縮乾燥葉作成

2016-08-16 20:30:15 | 藍染め

 圧縮、蓼藍乾燥葉の作成に挑戦
 蓼藍を栽培したので、沢山の乾燥葉が物置の隅を占めている。
 何とかコンパクトにすべくひと工夫、閃いた。

 「紙漉き」の用具が押し入れの中に置き忘れられていた。
 これを使って乾燥葉を圧縮する事を思いついたのだが・・・。 


 
 大きなビニール袋に藍の乾燥葉が入って、山積みになっている。

 
 盛んに生育する藍蓼、年2回刈り取りをした。


 取りあえず水に乾燥葉を漬けてみる。


 大きなバットがあったので紙漉きの舟にして
 紙漉きの簀を浮かべて水に漬けた藍の葉を入れてみた。



 紙漉きとと同じ様な訳にはいかない。
 簀の枠を外してみると予想通りの出来であるが、この後が大変である。



 麻布を下に敷いて、簀の上に平らにした藍の葉を裏返す。
 これは紙漉きの作業に近い作業である。紙より難しい作業であった。



 水を切って真夏日の直射日光に当てて乾燥させる。


 乾燥葉を漬けたポリ容器の水が真っ黒となった。
 灰汁抜きに一役買った様でもある。



 この上に更に重ねる。厚くし過ぎると乾燥が難しい。


 糊が入っていないので、充分に乾燥するとパラパラと割れる。


ハサミを入れて、少々形を作ってみる。


  「やくだつか なつのひざしの ひまつぶし」
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栽培装置の紫草、生育状況8/15

2016-08-15 19:19:35 | 薬草栽培

 「開花と結実」

 花が咲けば、実が付くかどうかが気になる所である。
 小さな花であるが蜜蜂が来たり、蝶が来て受粉作業をしてくれる。
 
 詳しくは、下記ホームページをご覧ください。
  HP「染色工房・cldy-hut」
   日本ムラサキの栽培(5)
   http://www.sikon.sakura.ne.jp/pg134.html



 小雨の後である。
 花1輪に分果は1粒〜3粒の結実がある。




 茎の先端の花が咲き始めると間もなく
 下の本葉の脇から分枝が伸びて来て花を咲かせる。




 このような込み入った栽培は宜しくないと思うが、
 分果は空を覗いて、処狭しと伸びて来たのには驚いている。




 この栽培装置は、その点空間はあるが
 肝心の根を伸ばす容積が限られている。
 それでも、花を付け始めた。



 草丈は35cm程で、咲き始めた分枝が伸び切れば
 50cmほどに伸長する事であろう。





 株元の太さは0.5cm程である。この倍の太さが必要だ。
 霜の降るまでの、後3ヶ月間にどれだけ生育できるのだろう。




 本葉の生育したサイズを計測してみると
 10cmとかなりの大きさである。




 本葉の幅は4cmとかなり大振りである。
 
 茎と葉長と葉幅を計測した方がいて、その記録では葉幅は2.5cmが最大である。
 葉長は8.4cm,茎は1.3cmである。
 露地とは云え特殊な栽培装置での事故、常に先が危ぶまれる。


    「はなをめで はぶりもめでて ねをのぞみ」


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栽培装置の紫草栽培(葉月)

2016-08-09 19:28:44 | 薬草栽培

 「2タイプの栽培装置の相違」
 
 筒型タイプと箱形タイプを試作して紫草を栽培している。
 筒型も筒の素材を色々と変えてある。
 箱形も2タイプあり様々である。



 開花期までの生育状況を見ると箱形タイプが平均的に好結果であった。
 畑に畝立てをして栽培した時と同様な結果に近い。
 この箱型の栽培装置は最も安定的で、遅れていた生育苗も草丈を揃えて来た。
 ほとんどが開花期に入った。




 箱形タイプであるが、畝の様に細長い。
 中に仕切りは無く、遅れて発芽した苗を移植してある。
 開花するまでに追いついて来た。




 筒型タイプの栽培装置である。
 筒型タイプの栽培では生育がやや遅れ気味で、筒に因って生育の差が出た。
 原因はまだ特定出来ないが、筒内の地温の不安定が原因ではないかと見ている。
 
 バラバラな生育状況が見られる。既に開花期に入って、分枝が生育中の株もある。




 20cmに満たないで開花する株有り、それでも茎は太い。
 矮小化栽培と云えるかも知れない。紫根が充分に大きくなればの事である。

 筒は幅を持たせて建てたが、分枝で密生する事を心配しての事であった。
 今の所、筒の間の空間が筒内の地温を不安定にして生育状況に
 影響を与えてしまったのではと考えている。




 室内の鉢栽培の紫草の結実状況である。
 やはり、受粉作業をしなかった結果が出て来た。
 5枚の細い蕚片の真ん中に黄緑色の結実が無い。


   「はなをえて やれひとまずの ひるねかな」

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