紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

2022産紫根・試し染め

2022-11-26 15:31:23 | 紫根染め
「久方振りの紫根試し染め」
乾燥中の紫根は、充分に乾燥。総量は少ないが試し染め。
1枚の絹のポケットチーフ2g である。
紫根は60g (100gと思ったが、不必要と判断)総量を減じたく無かった。


湯煎で約40°C、水は500cc。以前使っていたテトロン濾過袋は行方不明、急遽同じ布を
探し出し、紫根を包んで紐で括って染め液の抽出にかかる。
水に入れ暫くすると、色が滲み出てきた。包みを揉み擦ると更に染め液らしくなる。
抽出助剤ユニソルブはあったが、1ヶ月前に収穫したばかりの紫根に使う必要はない。


1回目の染色40分間経過。この間布は静かに動かし続ける。
お勝手のガス台である。つい、立ち続け状態だった。


一度、布を乾燥させる(中干し)。続いて2回目の染色へ。
再び、40分間立ち続けて布の染まり具合を眺める。


2回目の中干し結果である。1回目は当然これより薄い色合いであった。
乾燥の間、昼食で少し休憩。
その後、染め液に水100ccを追加して紫根を揉み擦り染め液濃度を上げる。
最初に染め液を増やして置くが、今回は1枚のポケットチーフなので途中で染め液を増やす。


3回目の染め重ね。かなり深い色合いとなってきた。
体力的にこれ以上の作業は無理であった。
翌日、もうひと重ねと考えたが無理は出来なかった。


3回目の中干し結果である。これで、充分である。
アルミ媒染剤も行方不明。「みょうばん」と同じなので、これを使う。


染め布を入れると、直ぐに反応が出て頃合いを見て布を引き上げて終了。

乾燥後の色合いである。
まだ、アイロンは当ててない。スリーピークスに折り畳んでみた。
試して見る程の事は無かった。
自家栽培紫根に不安を感じたのは、長雨による被害でそれを除けば心配する事は無かった。

「たちつづけ うつろういろを そめかさね」

紫根の予約販売を始めます。11月28日(月)から下記ショップサイトにて
染色工房(くるでーはっと)

https://sinano.handcrafted.jp/
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日本ムラサキ栽培記録、皐月

2019-05-17 18:54:31 | 紫根染め
「定植作業始まる」
苗床の苗が急成長、雨模様を待つがアテにはならない。
定植予定ブロックに前日から水を浸み込ませてある。


昨年9月5日播種、12日発芽で本葉はロゼット状態で越冬。
厳寒期にはその葉も枯れて消える。しかし彼岸には新芽を出してきた。
2ヶ月未満でこの生育である。自然界での発芽と生育にはかなわない。


大きな苗と小さな苗、茎立が2、3本の苗もある。

草丈は10cmを越え、根は茎より太く長い。蕾を持つ苗も出てきた。

ブロックの各セルへの定植直後、どの苗も皆 頭を垂れる。
カットすべきだったかと煩悶する。


翌日、作業は続行中である。前日の定植作業の苗の様子。
やはり、気になり重い頭頂部をカットする。手前の苗はそのまま様子を見る。


やはり、頃合いがある。このサイズの苗は、上手く活着しそうである。
200本を越える苗数で、ついに早朝 日の出近くからの作業となる。
この作業は来年以降は無くなる。
苗床、育苗期間を置かない栽培法を見出したからである。
まだ、実験段階であるが老いた身には他に方法はない。


  「未だやるか  此処までやれば  道ひとつ」


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早春の紫根掘り

2019-03-29 15:50:29 | 紫根染め
「昨年秋の採り残しを収穫」
昨年秋、収穫に手間取って掘りだせなかった紫根があった。
来春、早々にと思っていた。
出来るだけ早い内にと思っているが、空模様を睨んでの作業である。


敷き藁の効果であろうか、それほど春先の草はない。


春先の株元には2年目の新芽が見える。地上部には、まだ見えなかった。


鮮やかな赤い色にホッとする。しかし、幾分黒みを帯びている様にも見える。
このブロックの生育は、定植後間も無く強い日照りと渇水に見舞われた。
大方、秋苗で定植時には新芽に入れ替わった苗であった。



残り苗数から苗間隔を決めたので、かなり密な定植であった。
それでも、大きな株に生育した。11月に発芽した苗で、15ヶ月の生育結果である。



紫根は大小様々、均一と言う訳にはいかなかった。
余りにも大きな株は、多分紫根の中央に空洞ができていると思われる。
2日置いて計量すると大株で90g、50gと見た目より軽い。
空洞化は明らかである。1ケ月も懸けて乾燥させると40g、20gとなる。
グラムでの取引となると数量を増しての生産が求められる。
生育期間を延ばすことに依って大きな株になっても、根が空洞化すると意味が無い。
因みに、新芽が出た2年目の生育は地上部が盛んな生育となるが根は育たない。
気温が高くなれば、黒墨んで傷むばかりである。

   「あかきねに みせられおどる こきなかば」

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紫草、育苗日記(春彼岸)

2019-03-23 17:35:53 | 紫根染め
「生育状態、三態」
彼岸に入って間も無く、最低気温9℃を記録。
最高気温22℃の畑作業は汗が流れる。
冬越しの、苗床を開いて見た。


藁屑を軽く載せて、初めて秋苗の越冬を試みたのである。

昨年末まで緑の秋苗の葉は黒く傷み、厳寒の日々を記録している。

傷んだ葉の中央から、まだ初々しい新芽が出ていた。
しかし、この春に発芽した室内の発芽とは趣を異にしている。


室内で育苗中の一態である。1/21のメモが付してある。
平均気温15℃を下回る室内。1月から数日置きに発芽してきて200個の苗を育苗中。
厳寒の日には0℃にも下がった故であろうか、本葉は4枚目が見えるが未だにロゼット状態である。
双葉の苗から本葉3〜4枚目の苗の多くが似たような状態である。


同じく、室内で育苗中の苗。2/6 発芽。
一例に過ぎないのだが、寒が明けてからの発芽にはこんな苗も出てくる。

   「めがかすみ もじがふたえで えもみえず」
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紫草 育苗日記、逆子の誕生?

2019-03-17 19:25:21 | 紫根染め
「紫草、奇妙な発根、2019,3,17」
発芽前の発根状態から種を取り上げているのは、助産師役に近い。
発芽を待つことが無くなって兆しを知る事で、その役を受け持つ訳である。

そんな日々の中、種の殻が割れて白い点を確認するが、様子が違う。
ポットへと取り上げて見ると、伸びていく先端が丸いのである。


殻から取り出して、良く見ると子葉の部分である。
根になる箇所が生育できない状態である。
殻の割れ方に支障があったのだろうか。


別の種子の発根状態と比較してみる。

このまま日が経つと、白い丸みは緑を帯びて双葉の姿となる。
しかし根は腐り、生育はできない。
殻を取った姿はまるで赤子の様であった。殻はもういらない。


こうして、カメラの目で見ると根の部分がしっかりと確認できる。

このポットで多分、しっかりと根を伸ばし生育していくと思われれる。
以前時々、根がなくて双葉の緑だけの発芽を見る事があった。
こうした原因に依る生育不良だったのかと改めて納得する。

   「ねをしまい さかさのはつが さきあんず」
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