紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

耕作放棄地の現状と対策(続)

2020-09-27 14:20:10 | 染料栽培
「アレチウリの脅威」
耕運機で畑を耕して置けば、ブタクサの繁茂は無くなると思うのだが肝心の耕運機はない。
広い畑を鍬で耕す時間も、労力も無い。春先、1計を案じて実施してみる事にした。
葉の大きな野菜カボチャの苗を、頃合を見はかって定植。
同時に種もアチコチに伏せて置いた。カボチャの苗は間も無く急速に地面を這い始めた。
種のカボチャも発芽して、南面から緩斜面の畑の北へアチコチで広がった。

スイカの苗も植えたので所々で競合する。畑全面という訳では無く中心部から途中まである。
ブタクサが芽を出す頃は時々抜き捨てるが、カボチャの葉の下からは芽を出して来なかった。


カボチャの手入れはせず、ともかく広がるに任せた。
これも放棄であるが、栽培している様にも見える。
真夏にはカボチャの葉に例の病気が出たが、葉を切り落として広がるのを避けた。


逞しく生育するカボチャは生育するに任せたが当然の事、実もついた。
大きな葉の下に幾つか見かけたが収穫時期はかなり先の事である。
先端部はどんどん伸びて行き、どこに実があるのか不明となった。


スイカはカボチャ程の繁殖力は無く、他の草に負けてしまう。
周囲に手を入れて育てる事になった。暑い夏には最高の御馳走であった。
発芽時期をずらしたので日を置いて15個以上も収穫した。
まだ未収穫のスイカがある。採り頃はスイカを叩いた音であった。


8月に入って探してみると、かなり大きなカボチャが幾つか見つかった。
その後、時々収穫して20個以上になって置き場が無く収穫は止めてしまった。
この写真のカボチャも来年の種として畑に残す。


ブタクサより厄介な外来種がある。一見すると優しい葉で弱々しい。
ブタクサより発芽時期は遅かったが、除草した空き地に間を置かず発芽して来た。
アレチウリである。気づいたら、抜き捨てていたが数が多くて途中で止める。
蔓が伸び途中で切れると、根元は太くなり四方八方に蔓を伸ばす。
近くの別の草の上を覆い尽くす。厄介な事この上無い。


アレチウリの種子である。種から出ている白く細いトゲは危険この上無い。
焼却するより他ないのだが、蔓を引いて集める作業をしなくてはならない。
取りまとめる際、この種は何処かにあるのだが作業衣を突き抜けて皮膚を刺す。
熊手などでの取り集めは難しく、どうしても手を出さざるを得ない。
注意深く扱わないと痛い目に会う。
放棄した荒地には全てを覆う様に繁殖力が強い。

  「アレチウリ あめのあいまに てんかとり」
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耕作放棄地の現状と対策

2020-09-26 19:30:38 | 染料栽培
「ブタクサを防風壁として利用」
日本ムラサキや野菜などの栽培は主として、長らく借用中の畑で栽培をしている。
この畑の隣に3倍程も広い畑がある。土手上の上段に当たる畑である。
隣の町の方が借用していたが手を引いてから耕作放棄地となった。
(参照写真)2018/04/25


借用者は野菜も栽培していたが、後にタラの木を植え山菜の畑にしてしまった。
借用を止める時にタラの木はかなり処分した様であったが、多くが芽吹いて広がった。
放棄地と知って、タラの芽を取りに入る人が多くなった。
数年後には幼木はタラの木と似たような木が乱立して4〜5mに伸び、畑の様相が山林し始めた。
地主に報告に行くと老齢の年寄りがベットで手招きをした。
写真を見て、木を切ったら畑を使って良いとの事であった。
(100才まで生きると言っていたが翌年には亡くなったとの事であった)
gooブログにリンク
(参照写真)2018/04/25


ニワウル(神樹)である。ニガキ科(英名はtree of heaven) 樹高10~25mになる。
昨年木は切ったが、根まで掘り出したものは数本であった。深い根はなく、横に根を張り
所々から、地上に芽を出して葉を広げていた。
今年は残された切り株から芽を出し葉を広げて、グングン大きくなった。
根を抜く時間と労力を考えると、除草剤に任せる事が手っ取り早い事に気が付いた。
効果テキメンであった。


問題はブタクサである。昨年は花の咲く前に鎌で試し斬りのつもりで半分に切り落とした。
鎌の切れ味を楽しむ事はできたが、春先半切のブタクサが立ち並ぶ異様な風景を目にする。
枯れたブタクサは抜き集めて焼却処分する。よく燃えて、他の邪魔物も処分できた。


ブタクサの繁茂には手を焼くが、ムラサキ栽培の風除けに利用する事にして見た。
好天の続く日中でも決まったように、谷下ろしの強風が吹き抜ける畑である。
40本以上のムラサキの1畝をマルチで栽培した。その畝の南側にブタクサが生育始めたが
防風壁としてそのまま生育するに任せた。
(写真手前に小さくムラサキの列がある。80〜120cmの草丈である)
確かに防風の役をした様で大荒れの風雨の後、強風を受けて根の浅いブタクサは倒れてしまった。
ムラサキの1m前後の草丈に比べてブタクサの草丈は4m近くにまで伸びた様である。

「ぞくぞくと くさがはえのび なつがすぎ」
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秋苗の定植/2020・長月

2020-09-19 19:17:15 | 染料栽培
「苗床の苗の行方」
定植準備が整い雨の日が来るのを待った。マルチを敷くためである。
波板で仕切ったブロック内にマルチを敷くのは初めてある。
冬場を凌ぐための備えであり、ほんの思い付きに過ぎない。
2回に渡って雨の日がありブロック内の土は充分に水を含んだ。

マルチ切断穴は専用の道具では大き過ぎるので、鎌の刃を当てて小さく開けた。
マルチの開いた箇所中央に丸箸を深々と差し込み、上部をロート状にして置く。


箸の長さは20cmある。深く差した穴は、根が伸びて行く道筋である。

苗は本葉3〜4枚目が多い。丈の割には根が短い。植え付けには好都合である。

4個のスペースに穴を開けて苗床から4本を抜いて即植え付ける。
箸を深く差して抜いて、上部をロート状にする。4個準備、苗を慎重に抜く。これが苗の定位置である。


手前2列を9個植え付け、反対側に移動して同様に9個を植えてネットの影にして行く。

日差しの強い日は遮光ネットをズラしながらの作業となった。活着は1週間後でないと確認できない。
それまでは遮光ネットの下で養生となる。


翌日の夜の雨は定植を終えた苗には慈雨となった。
今朝、雨の切れ間に遮光ネットを返して見た。午後も雨予報である。
全体で120個の予定であったが、途中で少しズレた様である。


マルチを敷く作業は少々厄介であったが、終わって見ればさほどの事は無かった。
しかしながら立ったり掛けたり、行ったり来たりは老体には応えた。
しゃがみ込み植え付ける作業は繰り返す内に、大変な労苦と気遣いがあると気が付いた。 
翌日の起床は、定刻に目覚めたが起きる事はできなかった。

「としわすれ つぎからつぎと なえをうえ」
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秋苗育苗と栽培地の準備(続)

2020-09-12 18:59:05 | 染料栽培
[苗床の現状と栽培区画の準備」
播種1週間後(8/22)から発芽が始まって日を追うごとに増えて来る。
苗床からの発芽は苗床一杯になってきた。
そろそろ定植が急がれるが栽培地の選定に手間取り、漸く出来あがる。


都合の良い事に、二日続けて豪雨が来襲。
短時間であったが掘り上げて乾いた土も充分な水分補給となった。

苗床の現状である。


苗床の苗は、隙間がないほどに発芽して、早い苗は本葉が2〜3枚となっている。
どれ位の個数があるか知りたいが、1/6程度を数えて総計を推定するが当てにはならない。
栽培地を増やして置くより、方法は無い。


出来上がった栽培区画に押し込めるのも限度がある。
上段の畑(耕作放棄地)にマルチ栽培畝を作る事に決める。


この畑は表土は腐葉土で15cmもある。浅い耕作では収穫時に大変な労苦を要する。
表土を剥いで、20cmも掘ると石ころの層になる。
黒い腐葉土の層の下に、山土と言うのであろうか栽培に適した土がある。


この地層は厄介な事に大きな石を抱き込んでいる。
2年前にはそれとは知らず、やや高畝にして栽培した経験がある。
紫根の収穫時に、この地層の実態を知った訳である。


緩やかな傾斜地で3m程の栽培地ができた。
冬を越す苗である故マルチ栽培となる。
脇に避けた腐葉土をどの程度鋤き込むかも考える必要がある。
3mで苗が収まるかどうか、これも考えものだ。

   「ごぜんごご のらぎをかえて あせしぼる」
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日本ムラサキ・2020・長月

2020-09-05 19:23:37 | 薬草・薬用植物
「秋苗育苗と栽培地の準備」
今年のムラサキ栽培スタートは1ヶ月近くロスをしてしまった。
畑の秋苗が全滅した事が原因である。
残雪のない畑で、早めの春と思いきや4月になっても最低気温は上がらず仕舞であった。

秋苗用の種が保管してある事を思い出した。
迷いはあったが、再挑戦する事に思いは固まった。
今、種がある事は発芽育苗をして9月中に定植を目指す事になる。
8/16に苗床に播種。この上に、種が見え隠れする程度に赤玉土をかけた。


8/28 苗床からの発芽
1週間後(8/22)から発芽が始まって日を追うごとに増えて来る。


この時期の発芽は何の心配もなく進む。
気温は高く、たっぷりな水があれば、順調に発芽して来る。
最低気温は20°Cを越える。日射が強いので遮光をするだけである。
秋苗の育苗も全く何の心配がない。ポットへ移さず本葉4〜5枚まで苗床で生育を待つ。
その間、栽培区画の準備である。
栽培区画の耕作は酷暑の中で、容易には進まない。


8/26 これでマルチ栽培にすれば、楽だが・・・。
この畑では紫根が何処に伸びるか判らない。
もっと深く耕作して、均一な土壌構成にしなくてはならない。

また紫根の収穫の事を考えると、どうしても掘り出し易い工夫に手を出さざるを得ない。
地表下45cmまで掘って見た。


8/29 畑の地層の構造を見るに根の長い作物は栽培できない。
深く耕作してみると、20cm以内であれば特段心配する事も無い。
紫根は40cmも深く伸長するので、これでは心地良く生育する事は無理である。


大きな石が出て来る。スギナの根も共に取り除く。
掘り起こすと土が山の様になるので、厄介な作業となる。


8/29 根を何処にどの様に伸ばすか想定して定植を考える。
従って例の栽培装置なる物を設置する事になる。


9/2 苗数は不明。沢山の発芽であるが定植時には大きさを揃えて植える必要があろう。
酷暑の中で栽培地の耕作に追われるが、熱中症で倒れはしまいかと自重する。
全身汗まみれの作業で、夕刻の風が心地よかった。
それがいけなかった。反対に夏風邪を引いてしまう。
2日間、空調のない部屋で不快な日を寝て過ごす。ペースダウン。
さて、この先どうなる事であろうか。
 
「なえそだち はたけのようい ままならず」

下記のホームページは今月末で閉鎖となります。ご愛読ありがとうございました。

http://www.sikon.sakura.ne.jp/pg135.html
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