紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ、栽培記録・神無月(続)

2019-10-29 19:23:29 | 日記
「苗床の出来事に驚き」
8月下旬に栽培地の畑に苗床を作り、種を播いた。
昨年の例に倣ったのだが、発芽率が余りにも悪く困惑している。
予想通りの発芽はあったのだが、続々と言う訳にはいかなかった。
夏の盛りに、既に実ったと思われる今年の種を採り集めたのである。
低温保存処理も冷凍保存をして短縮化、実験と言っても苗床は大きかった。
前年度産の種が底をついてしまったのも一因である。


小さな苗床である。室内でテスト中の残り種を播く。8/31
4〜5日後に10粒が発芽して、その後パッタリ変化なしとなる。


雨の多い1ヶ月を経過してポツポツと発芽してきた。

他の苗床でも未発芽の種が動き出してきた。

雨は雨でも、水害を起こした雨量である。
畑の近くを流れる川の水も千曲川に流れ込む。
下流の2流の川と合流して、問題の浅川に流れ込む。
堤防決壊前に浅川の水門が閉鎖されて、水は内流氾濫を始めた。


黄色い双葉は、日照不足を感じてであろうか。
それでも、気温が9月並みの所為か発芽してきた。
空白の1ヶ月間は、大雨で芽を出して来たとしか思えない。
しかし、間もなく11月である。冬を越す根の生育期間はわずかである。

所用があって水害被災地域を通過した。
ボランテイアのチームが作業を終えてバスに向かっている処であった。
泥まみれの一行であった。彼ら無しでは、到底冬には間に合わない。

    「ありがたき ひとのなさけに われをはじ」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紫根収穫開始、2019産

2019-10-21 18:56:23 | 日記
「紫根収穫作業の開始」
種の採取を終えて、いよいよ紫根の収穫を始める。
もっと早く始めたかったが、少しでも多くの種の結実を待った。

防風措置で遮光ネットをブロックの周囲に回した、支柱の手抜き作業がまずかった。
日照不足も重なって、種の着かない枝が多かった。


昨年の9月に秋苗を定植したブロックである。
株の根元を切って、種が残っていないか確認する。


丹念に見ていくと、白い種がかなり見つかる。
このブロックには100本以上の秋苗を定植した。
初めての冬越しの挑戦で多くの苗が新芽を出して生育する。
  2019-05-01「越冬を凌ぎ切った秋苗」
  2018-09-23「日本ムラサキ、栽培サイクルを探る」


雨の多い秋である。粘土質の土は水を含んで重い。
老体にはきつい作業となった。


このブロックは株と株の間の仕切り板がない。
昨年までの定植仕様である。簡単には紫根が収穫できない。


小さな2株をやっと掘り出す。小1時間で作業中止。無理はできない。

洗ってみると20cmの紫根。根の本数は多い。
収穫作業の困難さ故にあれこれと、定植仕様を工夫してみた。
まだ、旧態依然のブロックがあったのだ。

   「いつおわる 100こしたる かぶにらむ」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本ムラサキ2019産種子、発芽試験

2019-10-15 19:45:54 | 日記
「本年度産のムラサキの種の発根試験」
本年度産のムラサキの種子の減収は免れない様だ。
従って落ちこぼれそうな種を見つけては、1茎1茎カットして集める。今の処、合計50g程度だ。
1粒も落とすまいとビニール袋入れるのだが少し触れただけで落ちる種がある。


種子の白化現象がある。
茎が枯れて、葉が枯れ落ち種が残ると種は白化する。その内未熟な種子は選別作業で除外種となる。
茎が緑を保ちながらの白化は、完熟種か未熟な種かは不明である。未熟種であれば選別作業で除外種となる。
結実してから長く風雨にさらされての場合は選別作業で残る。


完熟した種である。簡単にはこぼれ落ちない。

茎を完全に乾燥させると、割合種も簡単に落ちるが割れた葉も沢山落ちる。 種の選り分け作業が一仕事となる。葉が乾燥で割れない内に種を取り出す。

この容器バットは銅版画腐食用で底部に凸部があり、種の選り分けに好都合である。斜めに傾けるとコロコロと種が集まる。ゴミは凸部に残る。4.7gであった。

9月に採取した種で2週間の低温発芽処理を終えて、発根試験を行う。
3日間水に漬けた種を取り出し、テイッシュペーパーで包む。10/7


今年から定番となった発根セットでスタート。(10/10)

予定の5日後発根2粒を確認。用意したポットに移して発芽を待つ。
保温設備はない。最高気温は17,8℃、最低気温は8℃である。

    「はつがみて こころがなごむ おいのひび」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本ムラサキ、栽培記録・神無月

2019-10-02 16:31:28 | 日記
「畑の苗床」
栽培地の畑に苗床を作り、秋苗の発芽を待つ。
発芽を待つ期待感は、焦燥感とない交ぜになってしまった。
自宅で、発根セットからポット発芽させる場合こんな事は無かった。
それ故に発根セットなる方法に至ったのだった。
発根に差があるある事は同様なのだが、特に気にはならず待つ事ができた。
その違いは、何であろうか?


待てずに播いた発根セットの種の発芽である。

畑の苗床では、別の草もいち早く芽を出し葉を広げてくる。
オオバコの発芽であろうか。これが焦燥感となる原因だった。
やはり、別の草は抜かざるを得ない。


別の草と生育を共にするのを見守るのも良いのだが・・・。
昨年は、確かそんな方法だった。1年、年老いた故であろうか。
スギナに隠れた苗を救い出す作業が大変だった。
それにしても、同列で左2本と右2個との発芽差は大き過ぎで、待つ事は容易ではなかった。


自宅での育苗作業を避けて、ポット発芽の苗を畑の苗床に預けた。
これも、老い故の判断である。


敷き藁はとりあえず、雑草除けで冬場に備えての用意でもある。


雑草だらけの畑の一隅に蓼藍の花が咲く。
10年前は畑全体が藍で埋まっていた。
藍乾燥葉を作る作業に精を出していた頃を思い出す。
今は、記憶に留め種を残すために僅かに育てている。

  「なつかしき あいのはなみて あせをふき」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする