紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

紫草(日本ムラサキ)の栽培記録 4(再)

2014-12-28 10:52:17 | 紫草栽培
紫草2年物の実態

紫草は多年草である。(この思い込みがつい2年目の紫根の生育に期待を持ってしまった)

実際,山芋等は年を追う毎に根は肥大化するからであった。

秋に実を付け、葉が黄色になると間もなく、茎も枯れる。
しかし、根元をちょっと掘ると来春の芽が既に用意されている。

翌春掘り出してみると、2年目に伸びようとする芽は既に茎は太く
紫根は更に大きく成長するのではと期待を持ってしまう。

Img_3060

2年目の紫草の成長は早く、5月半ばには開花するようになる。

しかし、新しい脇芽の伸長はそれほどでもなく6月には先細りの様子である。

そこで根を掘り出して見て2年目の紫根の実態を調べてみる事にする。

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Img_3350






洗ってみると黒い根である。赤い根は何処へいってしまったのか。

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細く紫色の根が2年目の2ヶ月程で生育した根であろう。



Img_3357


2年目の根は腐食し、地中の虫の餌となってしまっている。

Img_3359


2年目の新芽として成長し花を咲かせた根はこの細い紫根である。染料としては使い物にならない
(この細根もたくさん集まるとまんざら捨てたものではない。かなりの染料が出る事が判明したのである)

Img_3360



これが1年目の根である。

約6ヶ月も掛かって太く成長した根は2年目に2ヶ月程で花を咲かせてわずかな細根を残して

昨年1年目の大きな根をこのように変質させてしまっていた。

Img_3365


染料にすべくカットしてみるとシコニンの含まれている所は少ないように思われる。

Img_3355


切断面を見るとシコニンの含まれている部分は表皮の部分と思われる。

従って洗う作業をあまり丁寧にすると染料として使う成分も流してしまう事になる。

水に漬けておくだけで水が赤くなるのは既に染料の流失ではないかと思ったりする。

Img_3356


考えてみると、多年草と言うが樹木ではないので翌年引き続いて同じ根から芽が出るだけの事で

前年の根が翌年も成長を続けたら大変な事になってしまうだろう。

ただ、山芋等のように、少なくとも前年より根が大きくなる植物もあるので

同様の期待をしてしまったことが悔やまれた。


そうした事を考えると、寒冷地で生育期間が限られてしまう場合は室内(温室内)でその期間を補う事であろう。勿論趣味の範囲でしている事なので温室と言っても、簡易な安物で廃棄寸前の物を再利用する。

9月頃から発芽が楽しみで以降毎月少しずつ発芽を試行してきた。11月からは2014年産の種を発芽させてきている。何とか露地での生育時期まで生育を続けて移植までこぎ着けたい物である。

13ヶ月以上も生育を続けたらどうなる事だろう。小さくても数量を増やせば収穫の全体量はカバー出来るので良い根を育てる事の方が大切なのだが、そこは趣味の世界という事であろう。
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紫草(日本ムラサキ)11~12月の発芽

2014-12-26 19:28:09 | 紫草の栽培
紫草の年末の発芽



前回なかなか発芽しない種を取り除いて改めて冷温処理済みの種を空になったポットに3粒ずつ播いてみた。黄色の丸いマーカーは種を播いたポットで、他のポットの発芽苗は発根種を播いたもので、それでも発芽するまでに3日間を要した。

この時期での発芽は、日が満れば続々と・・・という訳にはいかない。

 12/7(播種後12日後)2個
 12/8(播種後13日後)2個
 12/10(播種後15日後)2個
 12/18(播種後23日後)1個
 12/23(播種後28日後)1個
 12/24(播種後29日後)1個

播種後1ヶ月、発芽率は30%と大分低く、種を掘り出したいポットもある。3粒播いて3個の発芽のポットもあり、2個発芽のポットが2つあった。(このポット2つは離れていて用土も異なるのだが、面白い事に1粒目の発芽と2粒目の発芽が共に2週間ずれで発芽している) 





大きな苗は11月中に発芽し成育中の苗である。1個も発芽しないポットは再びサラにして、新年向けに種を播く事にする。


日毎に昼間の時間は短くなり、寒さが募る日々。暖かな晩秋から一気に真冬に突入。満を持していた2014年産の紫草の種は早速雪中保管による発芽処理に入った。深い雪の下に眠る事約2ヶ月、自然の状況での越冬で不思議と発芽率が高くなる。

新たな気分で新年を迎えたいものである。
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紫草(日本ムラサキ)発根種

2014-12-19 19:54:37 | 紫草の栽培
紫草(日本ムラサキ)の発根種

紫草の種を1ヶ月間、冷温処理してパックに移して蓋をして温室にて保管すると間もなく発根する。

問題は最低設定温度である。温室と言っても簡易温室で縦長で棚になっていて、棚の場所によって設定した温度とは異なるようである。

15℃の設定温度で発根する種が4粒あり、暫くそのままにして置いたが続いて発根する種はなく、設定温度を変えて置き場所もヒーターの近くに置いてみた。




翌日には発根の兆しの種があり2日目には、発根3粒更に兆候のある3粒を確認する。
設定温度は20℃である。この発根種をポットに浅く伏せて置くと間違いなく発芽する。


露地栽培で生育が盛んになる気温と同じである。過湿を嫌うと言われているが温室内はかなりの湿度である。しかし,サッシ越に入る冬の日差しは温室内を30℃以上にもする。水を絶やさずに,日差しもできるだけ入れて栽培している。





数日そのままにして置くと双葉の緑が出てくる。この種はカビと間違えて細根を痛めてしまった様である。
ともかく育苗ポットへ移す。
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紫根、染色結果

2014-12-16 14:45:46 | 染色
紫根染めの染色結果


アルミ媒染、浸染である。もう少し濃い色を予定していたが・・・・。(ライトの所為か明るい紫色だが現物はもっと深みのある紫色である。

染色前、染め液には4回ほど浸けて染め重ねをしている。布の重さが50g もあるので、新しい染め液で染色しないと染料は重ならず好みの色にはならなかった。



先媒染と後媒染の違いであるが、染め液が違うので厳密な比較とは言えないが色の濃い布が先媒染である。




媒染液の濃度が違うが、赤味の強い方が先媒染である。




紫根から染め液を作る際、ろ過袋を掴んで中の紫根チップを良く揉む事で染め液の濃度が異なる。40~50℃の加熱だけでは染料の抽出は少ない。古い資料には臼を使って杵で紫根を潰している写真を見た記憶がある。
昨年は乳鉢を使って紫根を潰しながら染め液を抽出していたがそれを略した所、染め液の濃度が薄かったようだ。



それにしても絹は良く染まる。
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紫草(日本ムラサキ)12月の発芽

2014-12-15 20:34:47 | 紫草栽培
12月のムラサキ


 
今月も新たに紫草8個の発芽を見る。この種は10月に収穫後3週間冷温保存をした種である。
例年とは異なる早い寒さの12月の事である。勿論温室内の発芽である(11月に露地で発芽した事を思うとこれも珍しいことだった)。



ポットの間からの発芽、紫草の双葉に似ているが種を落とした覚えはないが・・・・?




9~10月に発芽した紫草はゆっくりと生育している。ミニポット内で根はグルグル巻きになっているかも知れない。
大きなポットに移すとスペースが無くなるのでそのままにしてあるが、・・・・。しかも根元には新たな芽が覗いている。



発芽時期が1ヶ月以上も異なる苗が一緒なのでその内、なんとか整理をしなくてはなるまい。




本葉8枚を残して成長点をカットする。別の1本も同様に成長点をカット、脇芽の成長があるかを確かめる事にする。
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