紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

紫根染め、小さなミス

2017-07-13 17:45:45 | 草木染め
「屑紫根による染色の試み」
屑紫根は紫根選別の際、極細い紫根や作業中に擦れて粉末となった物を集めた物である。折れた細い紫根や極細根は当然の如くに選別過程で屑として除外される。
それを集めて見ると捨てる気にならない。
太い紫根はさぞかし良く染まるだろうと思うが、染色結果は決してそんな事は無いのである。ホームページをご覧頂きたい。

http://www.sikon.sakura.ne.jp/pg149.html

今回は紫根に付着していた土や塵などもあり、これ以上は選別出来ない粉末状の代物である。


それでも気になってピンセットで小さな土塊を取り除いた。

50gあったので細根100gを追加してポケットチーフ2枚を染色する事にした。

濾過袋に入れて、染料の抽出である。アルコール系の薬品などは使わない。水から煮出すだけの事である。

水500ccを濾過袋に注ぎ込むと直ぐに色の水が出て来るので、染料の抽出など云う如何にも化学的な言葉は不釣り合いでもある。

50~60℃で10分間もすれば、かなりの濃度になる。この琺瑯のボールではやや大きめで染液が浅いので、更に水を100cc追加して煮出す。

紫根染めを始めた頃、苦労して硬い紫根を揉んだり砕いたりしたものである。今でも石臼で紫根を砕いたりしている紫根染めのプロセスを紹介している写真を見る。太くて硬い紫根は染色には不向きと言って過言では無い。今回は濾過袋をしっかりと絞ったに過ぎない。
この屑紫根は染色には最良の粉末紫根と言える。


1回目の染色である。30分間程絶えず染め液を動かしていないとムラが出るので根気を出さなとならない。15分でも良いのだが回数を多く重ねる必要が出て来る。根負けして20分で中干しをする。2回目の染色でやや以前と異なる色合いに気付く。

琺瑯のボールの疵を思い出した。容器を確認すると鉄錆が出ているのだが、どうもこの鉄錆が媒染の役をした様にも思えて、染め液はステンレスのボールに変える事にする。

布に赤みが少なくなってやや黒味がかって見える。

小さな疵だが時間の経過と共に悪戯をした様である。


疵は解っていたが小さな物で気にはしていなかった。3回目の中干しである。色が深まったとも見えるが既に紫色が出ている。媒染の段階の前である。本来ならもっと赤味が強いはずである。さてどうしよう、思わぬミスに気も萎える。

「しこんそめ 💬 ちいさなきずに 💬 こんききえ」
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日本茜の芽生え

2015-04-12 21:13:17 | 草木染め
日本茜、新芽を出す2015.4



四月初旬、日本茜が芽を出して来た。昨年蔓を伸ばして、多くの茜を増やし栽培した場所だ。
4/9の撮影である。春先の草を繁らない様に草取りをして、土を剥き出しておいた。地温を高めるためである。

庭先、ブロック塀の際にも茜の新芽、蔦の枯れ葉にカバーされていたので、その枯れ葉を取ってみると新芽が出ていた。




蔦の根が這っていて茜を掘り出す事が厄介な場所だ。昨年は、この茜が繁茂して秋遅くに幾つかの種を発見、採種ができた。



その種が発芽するかどうか試してみる事にする。パックに8粒を入れて霧を吹く。4/7




カップラーメンに培養土を入れ同じく8粒を播いてみる。4/7




茜は種を播くより、生育盛んな時期の蔓を土に這わせるだけで増えていくので余り大した意味は無い。発芽の期待は無いが折角採種した種である、どんなものかと薄情な思いのみで申し訳ない。
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魅了のムラサキ(紫根染め)

2015-03-23 19:43:26 | 草木染め
ムラサキ、染色結果(紫根染め)


今回の紫根染めの結果、改めてムラサキに魅了されてしまった。


4枚のポケットチーフはムラサキに微妙な差がある、赤味の紫は期待の色合いである。



この2枚のポケットチーフ、染色回数に違いがあるのでそれなりの結果に満足。特に濃厚なムラサキには魅了される。
ちなみに媒染前の中干しを終えたムラサキの染まり具合を見てみよう。



いずれも赤味の多い染まり付きである。これは乾燥紫根ではなく、掘り出したばかりの紫根を使用した結果である。



2枚のポケットチーフ、下は1回の染色で上は1度媒染を終えて後、更に染色回数を加えたものである。
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自生茜を捜す

2014-10-30 20:18:26 | 草木染め
「ヒヨドリジョウゴ」



近隣の林に出掛けて自生の茜を捜す。南面の斜面で木漏れ日が当たる。
急斜面だが山道があり、林は切れて空が半分見える。午前中はたっぷり日が当たるが午後は木漏れ日となる。
目当てはハート型の4枚の葉である、蔓状の方形の茎も目印である。行きつ戻りつしながら、やっとそれらしき葉が見つかる。


蔓をたどると種を着けている枝を見つける。


大小 2タイプ? 小さい種は見た事が無い、幾つかを採って持ち帰る。根は採らずに帰る、自生種の絶えない事を祈るのみである。


 
小さい方はどうも未熟種のようである。大きな方は5mm 以上のサイズだが発芽はどうだろう?来春種蒔きをしてみたいが5月頃であろうか?


山道の反対側に目を引く種子あり。



「ヒヨドリジョウゴ」と思われる、ヒヨドリが好んで食べるところから名付けられているが有毒植物である。なす科の植物。
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紫草(ムラサキ)の種

2013-12-13 21:02:57 | 草木染め
「草木染めの染料となる紫根を育てみませんか。」

紫根は購入すると大分高価な材料となります。
紫草の種を希望者に販売します。


Img_2825

栽培を始めて3年目となります。昨年2年目までは発芽も少なく、
初めて冬を越して成育した露地の紫草も夏には枯れてしまい栽培は難しいものだと諦めていました。



成育した露地の紫草も夏には枯れてしまい栽培は難しいものだと諦めていました。
冬を越してその根から新しい芽が力強く成長を始め、また冬を越してその根から新しい芽が力強く成長を始めました。


しかし、赤玉土と腐葉土を鋤き込んだ場所に室内で鉢植えで観賞用に栽培していた紫草を移植した処,
この株は成長がよく沢山の種を残しました。そして、3年目の春、冬を越してその根から新しい芽が力強く成長を始めまた。


Img_2343

種からも多くの発芽があり、1年物で根元の太い株数本を抜き、紫根染めを初めて実現する事ができました。

0_3

深い紫色は、古来より伝えられてきた納得の発色でした。
多くの株は翌年2年目を迎えます。紫草の種がたくさん収穫できました。


Img_2836

ご希望の方は、育ててみてください。
種の販売先
染色工房(くるでーはっと)



染色工房(くるでーはっと)





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