紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

早春の紫根掘り

2019-03-29 15:50:29 | 紫根染め
「昨年秋の採り残しを収穫」
昨年秋、収穫に手間取って掘りだせなかった紫根があった。
来春、早々にと思っていた。
出来るだけ早い内にと思っているが、空模様を睨んでの作業である。


敷き藁の効果であろうか、それほど春先の草はない。


春先の株元には2年目の新芽が見える。地上部には、まだ見えなかった。


鮮やかな赤い色にホッとする。しかし、幾分黒みを帯びている様にも見える。
このブロックの生育は、定植後間も無く強い日照りと渇水に見舞われた。
大方、秋苗で定植時には新芽に入れ替わった苗であった。



残り苗数から苗間隔を決めたので、かなり密な定植であった。
それでも、大きな株に生育した。11月に発芽した苗で、15ヶ月の生育結果である。



紫根は大小様々、均一と言う訳にはいかなかった。
余りにも大きな株は、多分紫根の中央に空洞ができていると思われる。
2日置いて計量すると大株で90g、50gと見た目より軽い。
空洞化は明らかである。1ケ月も懸けて乾燥させると40g、20gとなる。
グラムでの取引となると数量を増しての生産が求められる。
生育期間を延ばすことに依って大きな株になっても、根が空洞化すると意味が無い。
因みに、新芽が出た2年目の生育は地上部が盛んな生育となるが根は育たない。
気温が高くなれば、黒墨んで傷むばかりである。

   「あかきねに みせられおどる こきなかば」

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紫草、育苗日記(春彼岸)

2019-03-23 17:35:53 | 紫根染め
「生育状態、三態」
彼岸に入って間も無く、最低気温9℃を記録。
最高気温22℃の畑作業は汗が流れる。
冬越しの、苗床を開いて見た。


藁屑を軽く載せて、初めて秋苗の越冬を試みたのである。

昨年末まで緑の秋苗の葉は黒く傷み、厳寒の日々を記録している。

傷んだ葉の中央から、まだ初々しい新芽が出ていた。
しかし、この春に発芽した室内の発芽とは趣を異にしている。


室内で育苗中の一態である。1/21のメモが付してある。
平均気温15℃を下回る室内。1月から数日置きに発芽してきて200個の苗を育苗中。
厳寒の日には0℃にも下がった故であろうか、本葉は4枚目が見えるが未だにロゼット状態である。
双葉の苗から本葉3〜4枚目の苗の多くが似たような状態である。


同じく、室内で育苗中の苗。2/6 発芽。
一例に過ぎないのだが、寒が明けてからの発芽にはこんな苗も出てくる。

   「めがかすみ もじがふたえで えもみえず」
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紫草 育苗日記、逆子の誕生?

2019-03-17 19:25:21 | 紫根染め
「紫草、奇妙な発根、2019,3,17」
発芽前の発根状態から種を取り上げているのは、助産師役に近い。
発芽を待つことが無くなって兆しを知る事で、その役を受け持つ訳である。

そんな日々の中、種の殻が割れて白い点を確認するが、様子が違う。
ポットへと取り上げて見ると、伸びていく先端が丸いのである。


殻から取り出して、良く見ると子葉の部分である。
根になる箇所が生育できない状態である。
殻の割れ方に支障があったのだろうか。


別の種子の発根状態と比較してみる。

このまま日が経つと、白い丸みは緑を帯びて双葉の姿となる。
しかし根は腐り、生育はできない。
殻を取った姿はまるで赤子の様であった。殻はもういらない。


こうして、カメラの目で見ると根の部分がしっかりと確認できる。

このポットで多分、しっかりと根を伸ばし生育していくと思われれる。
以前時々、根がなくて双葉の緑だけの発芽を見る事があった。
こうした原因に依る生育不良だったのかと改めて納得する。

   「ねをしまい さかさのはつが さきあんず」
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日本ムラサキ、発根の生態

2019-03-10 17:35:23 | 日記
「発芽への生態を解く」
種を播くと何時、芽を出すのかと期待する。
3日もあれば芽を出してくる植物もあれば、10日を経て漸く芽を出すものもある。

発芽条件が合わなければ、ついに芽を出すことなく諦める事になる。
ムラサキの発芽が難しいと言われるのは、この条件が不確実故であろう。
低温処理を取っても、氷結した種でも発芽してくるので低温が何度か不明だ。

日本ムラサキは発芽の前に、まず根を出してくる。
硬い殻を割って白い根が出てくる条件が解れば、発芽は期待通りになる。


ビーカーの底に沈んだムラサキの種、4日目。

ビーカーの上から見ると種は白いが、、、、。

頃合いと見て取り出してみる。

水に入れる前の種と比較する。

計測した訳ではないが、幾分か膨らんで見える。
種を苗床に播く前に、十分な水分の補給が肝心である。
ムラサキの種は浅く播くという条件は、必ずしも必要ではない。
10cmの深みからでも発芽してくる。それはこの水分補給に関係があろう。
浅播きの場合は頻繁な水分補給が求められる。
コップ等で種に4〜5日沈めて、日々水を替えてやれば、浅播きで発芽してくる。


これは浅播き処では無く、種は見えている。
しかも、容器には水が種の近くまで入っている。
陽が出れば陽当たりに長く当てる。室温は10℃前後だが、日差しで水も温まり白い根が出てくる。
種の先端部に白い点を見ることができれば、数日後には根に毛根が出る。
数年前、カビかと思ったが根を支える重要な役割を持つことに気がついた。
この発根種を育苗ポットに移してやれば、発芽は数日後に始まる。
発根種が同時にスタートしない理由は、花期が長く、結実期に大きな差がある事に依ると見ている。

   「かたきから わるたくみさは みずにあり」
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紫草、育苗日記 2019 弥生

2019-03-04 17:04:31 | 日記
「2019、3月弥生 室内の生育状況」
外は雨、日陰の雪も これで消えることであろう。
しかし、寒い室内である。一時は朝方5℃以下の日が続いた。昨日は漸く10℃となる。
雨の日は外も10℃前後であろう。ストーブに頼って暖をとる。
17℃以上になると消すが、育苗中のムラサキの苗にとってはちょうど良いようだ。


前日、ガラス越しの陽当たりに移動して置いた。
なかなか発根しなかった種に変化が出てきた。
1ヶ月も前にセットしたパックで、種は氷結放棄種とメモがある。
放棄は選別中に水に浮いていて沈むのに時間を要した種である。
発芽は難しいと判断して放棄はしたが、廃棄処分せず保管中であった。
氷結は冷凍庫で氷漬けにした意味で、低温処理を冷凍庫でしたのである。
試して見た甲斐があった。我慢した甲斐もあった。


発根後10日目に発芽したポット。

2週間近く早く発芽したポットが双葉を開き始める。

開ききるまで10日間もかかった。

発根後1ヶ月を経て本葉が生育を始めた。
明け方には室内気温は未だに10℃以下である。


4トレイに200ポットが並ぶので水分補給に失敗が出る。
このポットの苗は1/20の発根で2月の寒い中発芽している。
既に本葉3枚目が小さく出てきた。水の過給で双葉が傷み始めてしまった。
この葉を切って陽当たりに出してやることにする。
多分、本葉は序々に生育していくことだろう。

     「こおりから まさかのはつが かいがあり」
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