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A Chorus Line - 映画と舞台の違い

2007-09-08 02:30:37 | Michael 07 ACL
Michael君(マイケル・グルーバー)が出演中のBroadwayのリバイバル版「A Chorus Line」、今回は、映画版と舞台版の違いについて書いてみたいと思います~。(写真は、Broadwayリバイバル版のポスターです。)

この作品は、舞台版の方がオリジナルで、映画版は後から作られました。どちらも、17人のオーディショニー達の物語で、ザックとキャシーがメインキャラクターであるのは一緒なんですが、映画版は、この2人の関係をかなり大きくフィーチャーしており、彼らの過去が回想場面として登場したりするため、その他のオーディショニーのモノローグ(特にセクシャルな内容の部分や歌う部分)が削られ、またコミカルなナンバーもだいぶ削られ、よりドラマっぽくなっています。
一方、舞台版の方は、ドラマティックな部分ももちろんあるのですが、コミカルなシーン、また歌やダンスの部分が多く、またオーディショニー達のモノローグも、もっと赤裸々でセクシャルです。

それでは、少しずつ違いを見ていきましょう~!

オープニング
映画版:NYの街が映し出され、オーディションをやっている劇場の外に、受けに来た人達の長蛇の列ができている。ザックの助手のラリーが、1次審査をやっていて、ものすごい数のオーディショニーをある程度の数に絞っている。

舞台版:オーディショニーの数は映画版ほど多くなく、ザックが振付を教えた後、すぐに全員でのダンスが始まる。

ザック
映画版:ほとんど客席に用意された自分の席に座っている。オーディショニーへの振り付けは全てラリーがやり、ザックは、全く踊らない。

舞台版:振り付けは、ザックがやっている。客席の後ろの席にいることも多いが、映画版よりも頻繁にステージや客席前方の方へ出てくる。オーディショニーに混じって、踊るシーンもある。またフィナーレでは、オーディショニー達と一緒に金色の衣装で登場して、「One」を演じる。

ラリー
映画版:振付やダンスの指導は、彼がほとんどやる。ザックと同年代で、助手でもあるが友人でもあるという感じ。キャシーとも旧知の間柄。

舞台版:年齢は、映画版よりずっと若く、オーディショニー達と同年代。あくまでもザックの助手。フィナーレでは、オーディショニー達と一緒に金色の衣装で登場して、「One」を演じる。


キャシー
映画版:オーディションに遅刻してくる。劇場の中に入ってきたキャシーを、ラリーがザックに引き合わせる。ザックが彼女の話を聞いてくれないため、ずっとオーディションに参加できず、参加するのは、オーディションの大詰めの「One」というナンバーになってから。キャシーは、うす紫のレオタードを着ている。

舞台版:キャシーは、最初からオーディションに参加している。オーディショニーの数を17人に絞る時、ラリーから渡された合格者のカードを見て、ザックは、初めてキャシーの存在に気づく。こちらのキャシーは、真っ赤なレオタードを着ている。

ナンバー(青文字は映画のみ、赤文字は舞台のみ、緑文字は同じだけれど、違いのあるナンバー。タイトルの後ろのカッコ内は、パフォーマー名。)
「I hope I Get It(全員)」、 「I Can Do That(マイク)」、 「At the Ballet (シーラ、ビビ、マギー)」、 「Sing! (クリスティン、アル)」「Hello Twelve, Hello Thirteen, Hello Love (全員)」「Surprise Surprise (リッチー)」、 「Nothing (ディアナ-映画版ではダイアナ)」、 「Mother (全員)」「Gimme the Ball (全員)」、 「Dance:Ten, Looks:Three (ヴァル)」、 「Let Me Dance for You (キャシー)」「The Music and the Mirror (キャシー)」、 「One (全員)」、 「What I Did for Love (映画はキャシーのみ、舞台はディアナがメインだが全員)」、 「One (Reprise) (全員)」

「Sing!」 :舞台版のみのナンバー。アルと、アルの奥さんで、ダンスは得意だけど歌が苦手なクリスティンの愉快なナンバー。クリスティンのヘタクソな歌いっぷりに、他のオーディショーニー達もびっくり!ナンバーのラストでは、他のオーディショニー達も加わって、とても盛り上がって楽しいナンバー。

「Hello Twelve, Hello Thirteen, Hello Love」:映画版では、ごく短いナンバーで、グレッグのモノローグが間に入った後、すぐ「Surprise Surprise」になってしまう。グレッグのモノローグも、後半部分しかなく、全部話すだけ。
舞台版では、これがモンタージュの1になっていて、以下「Nothing」がモンタージュの2、「Mother」が3、「Gimme the Ball」が4で、「Nothing」、「Mother」、「Gimme the Ball」が「Hello Twelve, Hello Thirteen, Hello Love」の一部となっており、作品中の一大ナンバーといったところ。各オーディショナー達の思春期のさまざまな体験・思い出が歌われる。

「Surprise Surprise」:映画版のみのナンバーで、リッチーが演じる。初体験への期待と驚きを、リッチーが情熱的に歌い、踊るナンバー。

「Mother」:舞台版のみのナンバー。ジュディのモノローグで「学校に迎えに来る時、母親が髪にカーラーを巻いたまま来るので、やめてほしいと頼んだら、『自分の母親が恥ずかしいって言うの!』と言われた」という部分の後、始まる。マギー、アル、ディアナ、シーラ、ヴァル、キャシー、グレッグ、ポール、ドンが、ステージでポーズを取り、両親との苦い思い出を歌う。

「Gimme the Ball」:舞台版のみのナンバー。ジュディのモノローグの後半から始まり、グレッグのモノローグになる。映画版では、前半の学校やバスのエピソードはカットされ、後半のガールフレンドといちゃつく部分の表現もおとなしくなっている。また映画版では話すだけだが、舞台版では、「硬くなっちゃってたんだ(I'd be hard, I'd be hard)」、「本で前を隠しながら歩いてた(With all your books stacked up in front of you)」、「ねえ、他に何かしたくないの? (Ooohhhh! Don't you want to feel anything else?)」等の部分は、歌になっている。
そして、後半は、リッチーのモノローグになり、バスケットで大活躍した思い出を「Gimme the Ball!」と歌う。運良く奨学金を得て大学に行ったものの、幼稚園の先生のコースを取る羽目になり、うんざりしたと歌いながら、他のキャストも参加して、ダイナミックなダンスを繰り広げる。

「Let Me Dance for You」:映画版のキャシーのナンバー。映画版のキャシーは、「自分は、1人のダンサーなだけだ」と言いながらも、「ザックに黙ってハリウッドに行ったのは、『行けよ』とザックに言われて行くのではなく、自分で決めたかったため。そして、ハリウッドに行った理由は、自分がザックにふさわしいスターになれば、仕事に夢中で振り向いてくれない彼が、自分のもとに戻ってきてくれると思ったから」とザックに語る。 そして、「昔、一緒に過ごした頃のように、ザックのために踊りたい」と、このナンバーを歌う。
舞台版のキャシーのソロナンバーと通じる内容ではあるが、映画版の方は、ザックとキャシーの恋愛関係に重きを置いているので、あくまでも「1人のダンサーとして踊りたい」というニュアンスが強い舞台版のナンバーではなく、こちらを使ったのかも知れない。

「The Music and the Mirror」:舞台版の方のキャシーのソロナンバー。 「踊る機会を与えてほしい。自分がほしいのは、踊るための音楽と鏡と、チャンスなのだから。」と歌いながら、映画版よりもずっとダイナミックなダンスを見せてくれる。
舞台版のキャシーは、ザックがキャシーとの暮らしを省みず、まるで自分が何でもできることを証明しようとしているかのように、いろんな仕事に夢中になって、キャシーにもスターでいることを求める生活に疲れて、彼のもとを離れてハリウッドに行った。「以前の自分は、ザックを振り向かせたくて、彼に気に入られたい一心で踊っていたけれど、今は、踊ることが大好きだから、自分のために踊りたい。スターになんか、なりたくない。合格できたら、喜んで、彼らの一員としてコーラスをやりたい。」と、熱くザックに訴える。

「What I Did for Love」:これは、両方で演じられるナンバーだが、歌われるシーンと歌い手、歌のニュアンスが違う。
映画版では、他のオーディショニー達がタップ・コンビネーションを踊る中、去っていこうとするキャシーが、ザックとの愛について歌う。映画版では、キャシー1人が口ずさむように途中まで歌うだけ。
一方、オリジナルである舞台版では、タップ・コンビネーションの後、ザックがオーディショニー達に、「もし今日、踊ることができなくなってしまったとしたら、君達はどうする?」と質問し、「自分が愛し信じたことをやってきたのだから、決して後悔はしない」と、オーディショニー達がダンスへの情熱を歌う。メインで歌うのはディアナだが、キャスト全員が参加して歌い上げるとても美しいナンバー。

フィナーレ
映画版:「One」を金色の衣装で踊るシーンで、まず合格したオーディショニー達だけが踊り、続いて不合格だったオーディショニー達が参加。彼らが舞台奥の鏡に近づくと、彼らのリフレクションが別のダンサー達になってステージに現れ、最後は大勢のダンサーがステージで「One」を歌って踊る。

舞台版:オーディションの結果が出た後、不合格者はステージから去り、合格者が喜んでいるまま、ステージが暗転に。再びステージが明るくなり、「One」が聞こえ始めると、初めに金色の衣装を着てステージに出てくるのは、映画と違って、衣装を着替える都合があるため、不合格だったオーディショニー達。映画版と違って、ザックやラリーも、金色の衣装をつけて歌って踊る。ステージに登場するのは、17人のオーディショニー達とザック、ラリーの合計19人で、アンサンブルのキャストは登場しない。キャストがステージにいる状態のまま、暗転になって終わる。


劇場の外の風景を入れたり、ザックとキャシーの回想シーンを入れたりすることで、現実味が増し、よりストーリー性の高いドラマになっている映画版と、セットらしいセットがほとんどない、オーディション会場になっている劇場の舞台の上から一歩も外に出ることがなく、オーディショニー達のモノローグとバラエティに富んだナンバーをめいっぱい楽しめる舞台版、どちらがいい悪いではなく、それぞれに、表現方法の違いを生かした魅力ある作品に仕上がっていますので、あとは、見る方の好みの問題なんですが、ナズは、舞台版の方がずっと好きです~。

理由その1:何と言っても、Michael君が出ている!(笑)

理由その2:ミュージカルなので、ダンスや歌を思いっきり楽しみたいですから、歌やダンスのシーンが多い方がいい!

理由その3:やっぱり生の舞台の迫力が素晴らしい!目の前で、俳優さん達が本当に歌ったり踊ったりしているのを見られる!

理由その4:実はナズ、映画版のキャシーがあまり好きではないんです。演じている女優さんがどうのという訳ではなく、オーディションに遅刻してきて、すでに最初のふるい落としが終わっているのに、結果的にはザックとのコネを利用するような形でオーディションの最終段階に飛び入りするっていう設定が、「何か、ずるい~!」って感じがして・・・。 昔、一度見たきり、Michael君が舞台版に出ることになって、ごく最近見てみるまで、ずっと見なかったんです。
それに引き替え、舞台版のキャシーは、ちゃんと初めからずっと、他のオーディショニーと同じ条件でオーディションに参加していました。一度はスターになった人間が、今では仕事がもらえない状態で、それでもダンスが好きだから踊りたいと、コーラスのオーディションに応募している・・・。それって、大変なことだと思うんです。舞台版のキャシーを見てると、ホントにダンスが好きなんだな~、踊らせてあげたいな~って気持ちになります。

まあ、理由その1は横に置いておくとしても(ナズにとっては、重要な理由ですが~・・・笑)、以上のような理由から、ナズは舞台版の方が好きです~。もちろん映画版だって、素晴らしいと思いますよ~♪ DVDだって、ちゃんと持ってますし~♪

「A Chorus Line」、本当に素晴らしいミュージカルだと思います。その魅力は、舞台版であっても、映画版であっても変わりません~。一度も見たことがないという方は、映画版でしたら、比較的、ご覧になりやすい(DVDも出てますし、レンタルもできると思います。)と思いますので、ぜひご覧になってみて下さい♪
そして、映画は見たけど、舞台版をまだ見たことがないという方、なかなかごらんになる機会がないかも知れませんが、機会がありましたら、ぜひ舞台版をご覧になってみて下さい。きっと、すっごく楽しいと思います~♪


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2 Comments

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舞台見ました! (まさひろ)
2009-09-24 19:04:00
舞台を見ました!!
ものすごく感動しました!!
本物のコーラスラインってあんなにすばらしいんだなって思いました!!
映画のDVDしかないのが残念です。。。
海賊版でもなんでもよいので、舞台のDVDがほしい!!と毎日、探している毎日です。。。!
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海賊版は、ダメですよ~・・・ (ナズ)
2009-09-24 21:39:44
>まさひろさん

もちろん冗談でおっしゃっているんだと思いますが、海賊版は、絶対ダメですよ~。 「本物」の素晴らしさに感動した方が、違法な海賊版なんかに手を出さないで下さいね。

海賊版は、一生懸命、素晴らしいパフォーマンスで私たちを感動させてくれた俳優さん達の権利を侵害するものです。 そして、犯罪組織などの資金源にもなっています。
海賊版を買うということは、彼らの権利を侵害して不当に利益を得ている犯罪者に手を貸すということで、ご自分自身も、そういう卑怯な連中の、いわば仲間になるようなものです。

どうぞ、冗談でも、そんなことはおっしゃらないで下さい。 海賊版は、絶対に許してはいけないものです。
不当で違法な物を見ても、「本物」を見た感動を汚しこそすれ、再び同じ感動を味わうことは出来ないと思いますよ。

自分達のパフォーマンスを見て感動してくれた観客が、海賊版を見ていると知ったら、キャストは、きっと悲しむと思います・・・。
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