それは、
大晦日(おおみそか)の出来事でした。
キャベツの両親宅で初めて、父方・母方の親族らが集まって
大晦日の晩の夕食を食べ終わるころのことでした。
(時間としては、「大晦日のできごと(1)のあと)
あとからやってきた従弟(いとこ)の一家がごはんを食べ、
おちびちゃんたちが、元気に動きまわっているのを、
父方のおじいちゃんは、隅でじ~~~~っと見ていました。
(おじいちゃん、そういうときは、自分から関わりにいかないと、ちびっこはそばに来ないよ・・・)
・・・念のため、申しておきますと、このおじいちゃん、
あまり話をしない人なのです・・・
父方・母方どちらからも初孫である、ひとりもんの若人(わこうど)は、それを見て、
なにやら話し相手になろうと、
おじいちゃんのそばに行きました。
「おじいちゃん。ひまごだね~~」
「んだな~~~~」
そんなほのぼの会話が少しなされていたころ、
父方のおじいちゃんは、
初孫に顔を向けて、
聞きました。
「おい。彼女はできたんのか?」
(衝撃発言です。)
初孫は、しばし絶句し、そして、確認しました。
「か、・・・・・・彼女??」
「んだ。彼女はできたんのか??」(=遠まわしに、「おまえはまだ、家庭を持たないのか?
そういう相手はいないのか?
もう年下のほかのいとこは子どもが二人もいるけど…」という心配である)
初孫のひとりもんは、静かに、おずおずと言い出しました。
「おじいちゃん。わたし、女だけど・・・」
おじいちゃんは、
「あ。」
と、口ごもり、
少し間のびした感じで、
「んじゃ、彼氏・・・か。
彼氏はできたのか?」
と、言い直しました。
ちなみに、初孫の風体は、性別不明というわけでもなく、おじいちゃんもぼけてはいません(否、まだ、ボケていないハズ!)。
初孫は、そのとき、心の中で、
「おじいちゃん!!
オレ、女には興味ないよ?
かといって、男だからって興味もないよ?
人には興味あるけど」
と思っていたそうな。
・・・むろん、こんな面白ネタをキャベツが見逃すはずがなく、
皆さまで、口数少ないおじいちゃんの珍しいエピソードを
味わわせていただきました。