書くことが、祈りだった-
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ある日。
映画『ヤコブへの手紙』(原題:Postia pappi Jaakobille)を、公開より一足早く、観てきた。
フィンランドの片田舎、白樺に囲まれた古い家を舞台に、
恩赦で刑務所から出てきたレイラ、
盲目の年老いたヤコブ牧師、
毎日手紙を届ける郵便配達人らが紡ぐ物語。
ストーリーはオーソドックスで当初から予想のできるものだったが、
風景や小物のカメラワークや人の心理的描写がとてもこまやかで、優しく、良い映画だった。
ストーリーが読めているのに、少々、涙が出た。
ただ、キリスト教世界観や文化を少しはかじっておかないと、中盤までかなり理解できない内容でもあり、
逆に、多少は知っている方々にとっては、ワナ(?)があちらこちらに仕掛けられている。
そういうわけで、表層しか読めない間は、
特に、論議をかもしだしそうな面が、ある。
私自身、当初、不思議がっていたが、
「あれだけ、一つ一つに丁寧な作品なのに、調べればわかるようなものをそうするか?」
と言われて、ふと思った。
わざとちゃんぽんにすることで、逆に、
「どれか特定のを支持するわけではない。(本質は何だ?)」
という裏メッセージ、なのかもしれない。
万人受けはしないだろうが、
静謐(せいひつ)で穏やかで、一つ一つ丁寧な作品であり、
しっとりとした、やや大人向けの映画であると感じた。
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「それは 人にはできないことです。
しかし、神には どんなことでもできます。」
(新約聖書・マタイの福音書19章26節)
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『ヤコブへの手紙』
75分/フィンランド/2009年
2010年アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表作品
監督:クラウス・ハロ 脚本:クラウス・ハロ 原案:ヤーナ・マッコネン
撮影:トゥオモ・フトゥリ 音楽:ダニ・ストロムベック 製作:リンボ・サローマ
キャスト:カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン、エスコ・ロイネ