今朝、ふと手にした詩集を開くと
谷川俊太郎の出発点でもある
『二十億光年の孤独』が出てきました。
このコロナ禍にこの詩を読んでみると
今までとは違う響き方が心に来ます。
やっぱり谷川俊太郎という詩人は凄い!
二十億光年の孤独
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を
欲しがったりする
火星人は小さい球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いはネリリし キルルし
ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を
欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなもとめ合う
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
谷川俊太郎