随分前ですが、柳美里さんの小説を読んでいた
時期がありました。
読み終わった時に、この人大丈夫だろうかと、
ささくれのような痛みが、いつも心に残ったのを
今でも覚えています。
柳さんが、数年前に鎌倉から福島に通って
ラジオ番組に出ていたことを雑誌で知りました。
そして今年の3月には、福島の高校の校歌を作詞し
長渕剛が確か作曲して、生徒たちが歌っているのを
テレビで観ました。
その柳さんが、福島の南相馬の小高に書店を開くと
新聞に載っていたのです。
小高は原発から20キロ圏内で、事故前は
1万2800人いた住民が現在は2000人という
地域だそうです。銀行に融資をを申し込んだら
小高で書店なんてボランティアだと、断られた
そうですが、柳さんは「採算が取れないと尻込み
していたら、復興なんてできない」と年内の開業を
目指しているそうです。
売り場の隣に小説を書く机をを置き、柳さんの
蔵書も300箱以上運び入れ、「私の本も
手に取ってもらえるようにしたい。公民館のような
場所になれば」と言われているそうです。
資金は「クラウドファンディング」を活用する
そうです。
柳さんの福島への思いの深さに、胸が熱く
なりました。
今、柳さんはどんな小説を書いているのだろう…
久し振りに柳美里の小説を読んでみたくなりました。