~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

大きくなったら

2016-08-02 23:34:43 | 日記

録画していた河瀨直美監督の「あん」を観ました。

主人公がハンセン病の映画だと聞いていましたが

こんなにも静かな映画だと思っていませんでした。

小豆の声を聴き、「あん」を作る姿に、どこか

初女先生が重なりました。

美味しいものを作るには、やはり食材の声に

耳を傾けなければ出来ないのだな~と、

この映画でも思いました。

「人は何かの声を聴くために生まれてきた。

だとしたら、たとえ何にもなれなくても、

生まれてきた意味がある」正確には覚えてませんが

この台詞が心に残っています。

物心ついた時から、まわりの大人たちに

「大きくなったら何になりたい」と聞かれて

来ました。

とこやさん、学校の先生、本を書く人…

そのとき、その時でなりたいものは変わって

いきました。

いつも、自分は何かになるものと思っていました。

歳を重ねた今、「何になった」と聞かれたら

「お母さん」しか答えが出てきません。

私のなりたいものリストには、あまりに平凡過ぎて

一度もあがらなかった「お母さん」

でも、がっかりはしていません。

初女先生が「母になるのは難しいの」と

おっしゃっていたけれど、本当に難しくて

それでも一生懸命、お母さんになりたいと

思っていたのは確かだから…

何があっても心静かに受け止める、そんな

お母さんになれたらと願いながら…

初女先生は、夫にとっても母にならなければ

いけない時があると、お母さんのハードルを

ぐんと上げるお言葉を残していかれました。

「あなたは何になりましたか」

「お母さんになりました」と、言いきれたら

もしかしたら凄いかも…

 

 

 

 

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