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源氏物語とお能

2008-02-03 15:45:27 | Weblog
 2008年は世界最古の長編小説「源氏物語」が世に認められてから千年にあたります。そのため京都では色々な行事が行われるようです。千年の長い時間の中で育まれてきた歴史・文化を有する京都は日本人の心のふるさとです。

昨日(2/2)「源氏物語と京の伝統・文化」講座で、能楽師河村晴道氏が能の歴史と能とはどのようなものかについて大変わかり易くお話をしてくださいました。また「半蔀(はじとみ)」「夕顔」「葵上」「野宮(ののみや)」などそれぞれの見所を演じてくださり、感動的な楽しい時間を過ごすことができました。謡いとお仕舞いは胸にジーンときました。
河村氏は能を現代に生きる演劇として捉え、そこから人間存在の普遍的な問題を探ろうとして京都をはじめ全国各地で演劇活動をされています。

源氏物語に題材を求めたお能は、平家物語ほどは多くありませんが十数曲ぐらいはあります。「半蔀」「夕顔」「葵上」「野宮」「住吉詣」「玉鬘」「須磨源氏」「源氏供養」などはよく演じられます。
世界に誇る源氏物語をもう一度読み直してみる機会かもしれません。

能装束(のうしょうぞく)についてのお話もあり、その衣装も展示されましたがその豪華さと美しさに驚きました。フラッシュは禁止でしたので余り良く撮れていませんが一部を掲載します。クリックしますと大きく見られます。

 
唐織        紅入りの唐織
 
狩衣(かりぎぬ)    長絹(ちょうけん)

唐織 (からおり)金銀糸やさまざまの色糸を使い、草花などの多種多様の文様を浮織にした小袖。能装束の中でも最も豪華です。主として女性の役の上着として用いられます。
男性用には厚板唐織があります。

紅入り唐織 (いろいり)の唐織といい、菊扇面文様が大変美しい。

狩衣(かりぎぬ)丸襟の広袖。前後の身頃が離れているが羽織って前身はたくし上げて腰帯で結びます。幾何学的な総柄や飛模様を織り出した生地に裏がつき、大臣(おとど)・神体・天狗・鬼などの威厳ある強い役、単衣は絽・紗などに金銀糸を織り込んだ模様があり、神主や老神に用いられます。

長絹(ちょうけん)絹の単衣(絽または紗)で広袖。地色は白・紫・緋・萌黄・水色などいろいろあり、胸と背と両袖の前と後に花鳥模様が置かれています。花はしだれ櫻・柳・さかり藤などが使われます。金箔を張った着物の上に長絹を羽織ると大変美しいそうです。夕顔はこれを着ています。宮廷女性の衣装であり、能では舞を舞う女性の上着です。唐織とともに能装束を代表する双璧といえるでしょう。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
源氏物語 (m-kei)
2008-02-03 19:20:58
大学受験以来ご無沙汰です。今年は源氏物語の千年紀にあたるのですか。よく京都へは行きますがお能とは縁がありません。初めから難しい、わからないと決めてしまっていますが、この様な講座を受けるといいですね。衣装も美しいです。
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能装束 (ラッビト)
2008-02-04 16:27:07
お能を観に行ったときその豪華さと華麗さに
びっくりしました。実際とテレビで見るのと
では大違いです。能の表現にはその演出に
装束の色の持つ意味は深く関わるそうですね。
能面、小鼓、扇子など能には欠くべからずもの
で種類も多いと聞きました。
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心に残る講座 (じゅんこ)
2008-02-05 11:50:03
2時間余りの講座が短く感じられるほど
素晴らしいひとときでしたね。
先生のよく通る美しい声の謡いとお話と
優雅なお仕舞いに感動、感動でした。
先生が最後に「能の世界観は魂の集積である。
能には普遍的なテーマがある。若い人達にも
能に親しんでもらえれば、人の心と命の大切さ
がわかり殺伐とした世の中はなくなるでしょう」
と言われたことが心に残りました。


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m-keiさんへ (モナリザ)
2008-02-06 12:24:29
初心者にもわかる講座でみなさんよく聴いて
いらして時々笑いもありなかなか楽しい時間
でしたよ。
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能楽師河村晴道氏 (モナリザ)
2008-02-06 12:43:43
ラッビトさまへ、じゅんこさまへ

能楽師としてご活躍の方でとてもお話が
お上手でしたね。
お能には普遍的なテーマがあると考えられ
若手の能楽師として期待されています。
お仕舞いや謡の演技もよかったですね。
コメント有難うございました。
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京都 (AI)
2008-02-10 13:58:08
源氏物語千年紀にあたる今年は色々な行事で賑わうことでしょう。春と秋は必ず京都へ行きますが源氏物語
ゆかりの深い「野宮神社」を訪れて六条の御息所を想像してみましょうか。どんな行事があるにか教えてください。
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教えてください (京都大好きなわたしより)
2008-02-10 19:38:25
源氏物語千年紀のいろいろな行事を
ぜひお教えください。よろしく。
タイトルのところの薔薇きれいですね。
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行事 (モナリザ)
2008-02-11 14:16:34
AI様、京都大好きな方へ

源氏物語ゆかりの行事について
○藤原道長特別展(京都国立美術館)
 ゴルデンウィークを挟んで1ヶ月間開催
○源氏物語ゆかりの地と
 平等院のライトアップ特別拝観(3月21日~)
 11年ぶりに特別夜間拝観だそうです
○鳥羽にある城南宮神苑「源氏物語 花の庭」
○城南宮「源氏物語の屏風と版画展」
  (2/22~3/21)
私の知っていることは以上です。

 



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ありがおう (京都大好きなわたしより)
2008-02-13 12:07:35
源氏物語千年紀の行事を有難うございました。
4月櫻のころ城南宮神苑と嵯峨野を訪ねたいと
思います。城南宮離宮は白河上皇が造営され
院政を始められところですよね。
神苑では源氏物語を彩る四季折々の花が咲き、
宴(曲水の宴)や歌合会など種々の行事が行わ
れることでしょう。楽しみにしています。


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水仙 (かおり)
2008-02-18 14:13:13
タイトルの背景に水仙は春らしくていいですね。
まだ寒いけれど「春はもうすぐ」という期待で
胸がふくらみます。写真をよく工夫して配置され
お上手です感心して眺めています。
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