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70代女性のインターフェロン併用療法の話 その後

2010年01月20日 | インターフェロンの少量長期や高齢者治療

先日70代の方の治療がうまくいった話をのせました。詳しい内容をみんなに教えてあげていいですかと電話で確認したところこころよくOKしてくれたので、詳しく書きたいと思います。

年齢は72才、札幌から車で5時間のところに住んでいる方です。医療講演で70代の方もインターフェロン療法を検討できる話をして、その後の療養相談で、相談を受けました。
地元では、年齢と体力的な面から、ネオファーゲンの注射で、様子を見ましょうと言われていて治療を受けていたのですがもっと良くなる治療はないかと、相談に来ていたわけです。

そこで、70代でも副作用を見つつしっかり治療が出来ていることもあることをお話しし、つらかったら、減量したりして、ネオファーゲンの代わりの効き目位を維持することも出来る人がいることも話し、まずはやってみてはどうですかと話していきました。副作用が心配だから、どうせやるなら、札幌で半年間入院するくらいのつもりで行きますと、やる気になっていました。もちろん、落ち着いてくれば地元に来ている専門医の先生が治療を継続できるとわかっていたので、その時は相談してみますからまずは出来るか、試してみましょうって形で。

入院して、肝生検をしたら、慢性肝炎(C型)の軽い時期で、ウイルスの型も2a型、ウイルス量も4.6LogIU/mlと少なく、治療の効果は充分期待できるとわかりました。単独療法で半年間という手もあるのですが、なんとか1回でより確実な治療法をと希望されたので、ペグイントロン80μg、レベトール600mgの標準量で開始しました。その後は減量することもなく、初め口内炎が出たりしたのですが、2ヶ月もすると落ち着いて、家に帰りたいって事で地元の先生にお願いし、地元で残りの4ヶ月をしたんです。

そしたら、副作用が全くなく,ご飯も美味しく食べれて、最終的には、治療終了後半年たっても、ウイルスが出てこなかったんですね。やはり、家で美味しいものを食べながら治療をすることってすごいんだなと思いました。自然の中で体に良いこといっぱいって環境も良かったんでしょうし、もちろん、患者さんが副作用の少ないタイプであったことも幸いしたんでしょうね。地元の専門医の先生もびっくりしていたと言っていました。普通ならしないけどしてよかったねと言われたそうです。
高齢者の治療はまだまだ、専門医の間でも経験が蓄積されていないので、今後とも、効果のあった患者さん副作用のあった患者さんを検討して、その人にあった治療法を探していきたいと思いました。 2010.1.20

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