台風が接近するさなかホテルを退職する娘の家財道具を引き取りに伊豆へ出かけた えいちあーる亭 亭主。東名高速の下り線は前日から通行止め、震災当日8時間かけてたどり着いた二の舞は避けたいと上り線が無事なうちにと早朝に出発。三島あたりで受けた娘のTelで上り線も通行止めになったことを確認、もう30分か1時間もたもたしていたらまたしても山越えだったわけで
引越し荷物のついでに家族旅行を、と娘がセットしてくれた箱根のホテルの予約もあって日にちはずらせない。前回は大地震、今回は大型台風ということで、こっちで何かするたびに何かが起こるように思えて来たわたくし。大方の家具は友人に譲ることにしてあるので家電と身の回り品を積んで、大雨の中、御殿場のアウトレットへ。長島の三井系列のアウトレットと比べてこじゃれたブランド品の店が多くて惹かれるものがない、戻ったらジャズドリームへ行こうということになって大雨の中そそくさとホテルへ
イタリアンのディナーをパクつきながら娘の話に耳を傾けるわたくし。従業員の出入りが激しいこともあってはやばやとフロアマネージャーになったのはいいけれど休みがないし8時に入って大体夜11時というのも疲れたけれど、昨年末二代目が社長になってからクーポンで客を拾おうとするようになって。客単価が一泊6万以上もするホテルでクーポンの客を集めてもリピーターには決してならないし客質そのものが違う。クーポンの客はタダのサービスならとことん利用したがるし備品は盗むしで「とにかくあさましいの」とふくれっつらの娘を見て噴出しそうになった えいちあーる亭 亭主 ハードと料理長の腕で持っていると娘が言うホテルだけれど、ただでさえ定着率の悪いスタッフがクーポン客の対応にイラついて接客が雑になるのを見てそれを注意するのも仕事とはいえ同時に経営側にもクーポン客のデメリットを訴えても聞く耳を持たなかったようでそんなこんなでわたくしに似て気の短い娘は退職を決断
翌朝、まだ送別会やらもあって友達と何日か遊んでから帰りたいという娘を寮へ送る道すがらそんなにおなかもすいていないしということで牛丼のすき屋へ。吉野家株価の凋落、ゼンショーの震災直後の下落からの株価の上昇は経済状況として理解していたけれど牛丼をアレンジしたどんぶり物の多面展開を目の当たりにして吉野家が押されるのは仕方のないことと経済を体感した えいちあーる亭 亭主 ネギ玉牛丼380円さらに息子がチョイスしたサイドメニューのお味噌汁と冷奴セットは100円。わたくしの感覚ではどんぶり物は480円出してもいい、お味噌汁と冷奴も160円は出してもいいと思うのだけれど。。。でも、吉野家のカウンターにあるおしんこなんぞ値段は忘れたけれどこんなものにこんな高いカネが出せるか!と手にしたこともなかったわけで(笑)
長く続くデフレによってわたくしの会社員当時と比べても20~30%体感的に価格が下がっていると感じた昼食。こんな安い単価で多く人件費を出そうとしてもムリな話で。わたくしが体感的に感じる価値との差額がそのままこの時代の閉塞感につながっているような気がして。
入社当初、高額な宿泊料金だから「カネ払ってんだから」みたいなところがあって接客が難しいんじゃないかと思ったわたくしの心配をよそに娘いわく。お金持ちのオーラって言うものがあってあの人たちとっての普通のホテルが私たちの感覚では「高いカネ払ってるんだから」になっちゃうわけ。思えば金を払ってサービスのアラを探すような気持ちと、支払った対価に応じたサービスを受け取るような気持ち。後者のほうがより満足できるだろうし満足できなければ二度と利用しなければいいわけで。カネと価値にどう折り合いをつけるかで見えるものが違ってくる。娘のこの2年は無駄じゃなかったようだとおもったわたくし。