えいちあーる亭日誌

日々の徒然、株などを語り ハッピーリタイアメントを目論むノーテンキなブログ

- 都へ つれづれなるままに-

出会いそれぞれの

2012-10-29 12:01:00 | 航海日誌
つい先日までお出かけは半袖シャツにチノパン、足元は裸足にサンダルでうろついていた えいちあーる亭 亭主であったが急な気温の下げに追われるようにようやく冬物に入れ替え完了。夏の終わりにショップの店員さんの「お似合いですよ」の声に背中を押されて買い込んだライトなモスグリーンのカジュアルっぽいローファーに足を入れてみるわたくし。

オーソドックスな靴下しか持っていない えいちあーる亭 亭主。なんか色気がない。と思っては見たものの近場で衣料品を売っている店はせいぜいイオンのテナントしかなくて、ユニクロのネットショップをのぞいてみたけれど実用一点張りのカラーと値段にげんなり。返す刀でアマゾンをのぞいてみればこじゃれたソックスが



届いたので早速履いてみれば太目の糸の編み上げのせいか踏みこごちが気持ちよくて、ズボンと靴の隙間からのぞく明るいカラーも心地よくてこの組み合わせに合うパンツを1本買いに出かけようと思ったわたくし。今年のわたくしの紅葉前線は足元から?

家電ではリアル店舗のショールーム化が懸念されているそうだが、靴下ひとつとってもリアル店舗にはない商品をいくらでも探すことが出来る現実にあまりネットショップを利用してこなかった えいちあーる亭 亭主も目からうろこ。

でも、メタボなウエストを思えばズボンはネットでは買えない。ブレザーも同じことが言えるわけで、体感的な部分で判断を要するものはネットでは買えないということか。タブレット端末の普及で電子書籍が話題になっているけれどマンガなどの画像に関しては置き換えることが出来ると思うわたくし。ただ、単行本の紙の質感、適度な重量なによりも本屋さんの本棚の間をそぞろ歩くうちに「わたしおもしろいよ、買って」とささやきかけてくる本との出会いの不可思議さは無くしてはならないもののような気がする えいちあーる亭 亭主。

人間が体感的な部分での出会いを忘れたとき訪れる世界は、昔読んだSF小説で電子データーに置き換えられた人間が肉体を失って仮想現実の中で暮らすのとさして変わらない未来のような気がして
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前略 道の上より

2012-10-04 21:59:03 | 航海日誌
NHKらしくもなくエスカレーターの死亡事故をモザイクもかけずに流した9時のニュース。お祝いの席らしい集まりの中、おどけるでもなく吸い寄せられるように下りエスカレーターへ向かって後ずさりしていく中年の人。そのままエスカレーターの手すりのゴムに上着を巻き込まれて転落したとか・・・ 

四十数年前のある朝、警察からの電話で父の死を知ったわたくし。外泊の予定も告げずに帰らなかった父を心配する母に飲みすぎて泊めてもらってるだろうからと話していた矢先の電話。顔色を変えて「替わってくれって」と受話器を渡す母に直感的に何かあったと感じたのを今も覚えている。若そうな人の声で父の氏名やらを聞かれて思わず 何があったんですか! と聞いたとき「ちょっと待ってください」何秒かおいておじさんっぽい人が出て来るまでの一瞬であらましを理解した えいちあーる亭 亭主。後から思えばあの数秒で覚悟ができたようで あの時、口ごもった若い警察官の人が誰だかわからないけれどそのやさしさに今も感謝する えいちあーる亭 亭主

身元確認のため現場へ自転車を走らせたわたくし 工事中の田んぼ道の側溝に自転車で突っ込んでたまたま横にして置いてあった鉄の矢板で頭を打ったとのこと。水も飲んでいるけれどおそらく即死だったろうとの話によかった、苦しまなかったと安堵するなか、工事現場の入り口の要塞のような鉄条網を巻かれた巨大な木組みの異様さが今も目に焼きついている。アリバイ工作なんだろうなということはなんとなくわかった えいちあーる亭 亭主

その後、我が家には何度か工事業者と市を訴えるよう相談を持ちかける人がやって来たけれど市職員であった父が生きていてもそんなみっともないことはしないはずとお断りした挙句 刑事がやってきて父の手帳を見せて欲しいと・・・日曜日の休日に土地改良区の年度末の宴会に招かれてほろ酔い気分での帰路、田んぼ道の工事現場に入り込んでわだちにハンドルを取られたかして溝に落ちた。現場を見て手に取るように事態を理解したわたくしであったが 手帳が我が家に戻ることは無かった。。。

それにまつわる周辺の事情は 市議選か市長選挙が間近であったこと、そのために現場が見たことも無い要塞級の木組みで立ち入りできなくなっていたこと、父の行事予定が標的になったこと、休日の土地改良区での宴会をかねた開催にもかかわらず父の公務災害が認められたことetc 大学生になったころのわたくしの 大人への入り口での出来事

事故はどうしようもなくその場に招き寄せられるように起こるもの。車の事故ひとつとってもお互い時速数十キロで動く物体がコンマ数秒の時間に、しかも接触するのに必要なわずか数十センチしかない空間に同時に存在する必要があるということ自体めぐりあわせとしかいえないものがある。ニュースでも、なんでそこへ後ずさりしていくかなぁと一直線に下りエスカレーターへにじり寄っていく姿と、あっという間に上着に引っ張られるように転落する被害者。ロングスカートのねーちゃんも通っただろう。袖のひらいた服のガングロねーちゃんも通っただろうし。そんななかで彼だけが引っ張られたのは実に不思議。いい年した父親が血相変えてエスカレーターの危険を訴えていたけれど強力な動力を使って無人で動いている以上注意すべきはこちらの領域。諦めが肝心 ていうか 人のせいにするな!

ニュース画面でまっすぐに後ずさりしてエスカレーターに巻き込まれて逝った彼の姿は、あの朝現場で説明を聞くまでも無くなぜか ああ、親父はこうしていったのかと頭の中に浮かんだ記憶と妙にダブって、忘れかけていた人生の消滅ポイントへの覚悟を思い起こさせる 忘れるなかれ。日々覚悟して生きるべし
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坂崎幸之助商店