今年も家内の命日を見送って 引きこもりのまま過ごしてはバチが当たると心が騒いだ えいちあーる亭 亭主
湖西の周回道路から比叡山延暦寺 そしてて高台寺へ抜ける京都の脇をえぐるようないつものルートを今度は娘を連れて走る
新世紀を迎えるあの頃、病気の家内の気がまぎれるならと連れて走った嵐山の渡月橋あたりはもう、団体バス以外 止められる駐車場すらなくて
せめて車窓からと渡月橋を渡ったわたくし。新婚当時 挨拶に出掛けた錦市場の親せきを訪ねた時に使った駐車場はすでになく 結局、京都の道の周辺を流して帰り道に
夜半、湖岸道路を流して走る中 やけに尻にくっついてくる後続車にいらついていたわたくし 先行する地元ナンバーの車が右折したところで十分に減速して 食らえとばかりに
ハイエースのアクセルを全開にしたわたくし ディーゼル車のフル加速の排気を浴びせたことでようやく後ろへ離れていった後続車にようやく溜飲を下げたわたくしに
「何やっとんの?」といった家内
二年坂から産寧坂 40年ほど前、かの地は、石畳と板塀の薄暗い路地で、すれれ違う人もまれな結界にも似た風情であったわけで
いまや、街道を埋め尽くす土産物屋。その店のいくつかは老舗らしい作りの良さを伝える商品を商う風情に腐っても京都と思ってみたり
豆腐料理の「奥丹」もあの頃は板塀の続く町の角で玄関とも思えぬほど店を閉ざして敷居が高くて高くて 一見さんお断り の風情が間違いなくあったわけで
清水さんの周辺でさえこの程度、40年前の祇園を見ておけばよかったと お伊勢さんのおかげ横丁の風情すら漂わせる祇園甲部の都おどりの提灯を横目に
鴨川に向かう えいちあーる亭 亭主
夕方 高台寺から八坂さんの裏道を抜けて四条通に出れば 渋谷交差点もかくやと思わせる人の波
四条大橋を渡って聞こえてくるのは中国語とおぼしき会話 人波を避けてさらに裏通りへ
通り一つ隔てたら嘘のような閑散のなか 通りの窓際にベンチを置いたバルのような風情の小料理屋が
通り沿いのベンチで大ぶりのワイングラスを傾ける タンクトップのフランス人のねーちやんたち ボンソワール の声にボンソワーと日本語で右手を挙げて
精一杯 乾杯の意思表示をする えいちあーる亭 亭主 車じゃなければいっょに杯を傾けたかった
四条通に戻って 気の利いたがま口屋さんを見つけて冷やかしてみる 夏に向けて財布と携帯が入る程度の手持ちのポーチを探していたわたくしに
ポーチサイズのショルダータイプのがま口さん登場 ファスナーじゃなくてがま口ってのがちよっといいんじゃねぇ (安いしw)
レジでイントネーションが若干違うけれど愛想のいいねーちゃんにも驚いたが レジの後ろから叫んでくる中国語らしい声にこたえるそのねーちゃんにさらに驚いたわたくし
新婚旅行でハワイに行ったとき 免税店では日本語が普通に通じるというかそうしたスキルを持った人たちが雇われていて 経済というかモノを売るためのコミュニケーションの大切さは
驚きとともに感じたはずだったのにいまやその立場を変えて今起きている現実に今さらのように驚いた 今や経済に飲まれるこの国 何を捨てて何を守るべきか
その心根が問われる時代の風を浴びて立ちすくんだ えいちあーる亭 亭主
湖西の周回道路から比叡山延暦寺 そしてて高台寺へ抜ける京都の脇をえぐるようないつものルートを今度は娘を連れて走る
新世紀を迎えるあの頃、病気の家内の気がまぎれるならと連れて走った嵐山の渡月橋あたりはもう、団体バス以外 止められる駐車場すらなくて
せめて車窓からと渡月橋を渡ったわたくし。新婚当時 挨拶に出掛けた錦市場の親せきを訪ねた時に使った駐車場はすでになく 結局、京都の道の周辺を流して帰り道に
夜半、湖岸道路を流して走る中 やけに尻にくっついてくる後続車にいらついていたわたくし 先行する地元ナンバーの車が右折したところで十分に減速して 食らえとばかりに
ハイエースのアクセルを全開にしたわたくし ディーゼル車のフル加速の排気を浴びせたことでようやく後ろへ離れていった後続車にようやく溜飲を下げたわたくしに
「何やっとんの?」といった家内
二年坂から産寧坂 40年ほど前、かの地は、石畳と板塀の薄暗い路地で、すれれ違う人もまれな結界にも似た風情であったわけで
いまや、街道を埋め尽くす土産物屋。その店のいくつかは老舗らしい作りの良さを伝える商品を商う風情に腐っても京都と思ってみたり
豆腐料理の「奥丹」もあの頃は板塀の続く町の角で玄関とも思えぬほど店を閉ざして敷居が高くて高くて 一見さんお断り の風情が間違いなくあったわけで
清水さんの周辺でさえこの程度、40年前の祇園を見ておけばよかったと お伊勢さんのおかげ横丁の風情すら漂わせる祇園甲部の都おどりの提灯を横目に
鴨川に向かう えいちあーる亭 亭主
夕方 高台寺から八坂さんの裏道を抜けて四条通に出れば 渋谷交差点もかくやと思わせる人の波
四条大橋を渡って聞こえてくるのは中国語とおぼしき会話 人波を避けてさらに裏通りへ
通り一つ隔てたら嘘のような閑散のなか 通りの窓際にベンチを置いたバルのような風情の小料理屋が
通り沿いのベンチで大ぶりのワイングラスを傾ける タンクトップのフランス人のねーちやんたち ボンソワール の声にボンソワーと日本語で右手を挙げて
精一杯 乾杯の意思表示をする えいちあーる亭 亭主 車じゃなければいっょに杯を傾けたかった
四条通に戻って 気の利いたがま口屋さんを見つけて冷やかしてみる 夏に向けて財布と携帯が入る程度の手持ちのポーチを探していたわたくしに
ポーチサイズのショルダータイプのがま口さん登場 ファスナーじゃなくてがま口ってのがちよっといいんじゃねぇ (安いしw)
レジでイントネーションが若干違うけれど愛想のいいねーちゃんにも驚いたが レジの後ろから叫んでくる中国語らしい声にこたえるそのねーちゃんにさらに驚いたわたくし
新婚旅行でハワイに行ったとき 免税店では日本語が普通に通じるというかそうしたスキルを持った人たちが雇われていて 経済というかモノを売るためのコミュニケーションの大切さは
驚きとともに感じたはずだったのにいまやその立場を変えて今起きている現実に今さらのように驚いた 今や経済に飲まれるこの国 何を捨てて何を守るべきか
その心根が問われる時代の風を浴びて立ちすくんだ えいちあーる亭 亭主