
1980年代に入り、中型バイクが人気の主軸となって「レーサーレプリカ」と言われる、市販車でありながらスポーツ走行性の高いモデルが続々と登場し、
大きな人気とブームを巻き起こしてた時期、国内だけに関して言えば、それが故に「難しい立ち位置」となってた大型系のスポーツバイクだったのですが、
ホンダにとっても、それまで作って来た大型バイクに関しては、あくまで「これはスポーツバイクですよ。」って言いながらも、中型のスポーツバイクと
比較すると、どこか「突き抜けきれてない」中古半端なオートバイが多く、それが故にユーザーに対して何となく「大人に乗って欲しい…」なんて言い訳の様な
メッセージを配信しなから設計されてた感があったのですが、この1987年に登場した「CBR1000F」は、そこから「少しだけ脱着したモデル」としてまず
海外を中心のマーケットとして登場します。時代的にはこの後すぐに排気量規制が無くなり750cc以上のモデルも国内で売られるようになるのですが、
ちょうど、微妙なタイミングだった感じです。で、この初期モデルとなる「CBR1000F」が、いわゆる形式で言うところの「SC21型」となり、その後の
1989年よりモデルチェンジを受けて2世代目として登場するモデルが「SC24型」となります。ここまでが同じコンセプトから生まれた1つの「括り」となり、
その後の1993年には、ついにエアロデザインから脱着した「SC31型」が登場して、さらにその先を見ると、1996年に当時として世界最高速を誇ることとなる、
名車のホンダ「CBR1000XXブラックバード」へと引き継がれて行くこととなってるんですよね。で、今日ご紹介する初期型の「CBR1000F(SC21)」ですが、
まずデザインは当時の「CBR400R(NC23)」に類似したイタリアのオートバイメーカー「ビモータ」の様なフルカウルで全体を覆い尽くした様なものと
なっており、当時の印象としてはスポーツバイクでも、どちらかと言うと「大型ツアラー」と言う印象を与えるものでした。実際の性能としては、もっと
スポーツバイクとしてみられても良かったのですが、この時代のスパルタンへ一直線となってた中型バイクと比較するとどうしても先ほど言った「中途半端」感が
多少残っており、特に10〜20歳代の若者にとってはちょっとそれとは違う印象を持って見られてた感がありました。個人的にも現在のいわゆるリッター系
スーパースポーツ(SS)と、この時代の大型スポーツバイクとは似ても似つかない…、特に日本人ウケが悪いと言うか…、ボッテリした感じと明確に感じてたのが
とにかく「車格が大き過ぎる!」って印象が強くあって、残念ながら「大型バイクにかっこい車両はない!」って思ちゃう程、受け入れられにくい感じになってた
ことは明らかにあった気がします。これは当時の流行りとして、ツーリングする為にオートバイに乗ってるライダーが少なかった事や、若者中心からなるブーム
だった事、そこに大きな問題があったとも考えられます。また免許制度(大型は限定解除)の問題で基本的に国内で「大型バイクが売れなかった」事も大きかった
と言えますね。で、ここでこの「CBR1000F(SC21)」の詳細なスペックを見てみますと、まずエンジンは水冷式4スト並列4気筒DOHC4バルブで、正式な
排気量が998cc、これは後に登場する「CB1000スーパーフォア」でも使用されるエンジンとなります。また、最高出力は93psで、最大トルクが8.7kg、フレーム
はアルミ製のツインチューブ式で、ホイールサイズが前後とも17インチ、ガソリンタンク容量が満タンで22リットル、市街地での平均燃費が大体17kmと言う
感じです。さらに1000ccからなるエンジンの「熱対策」としてカウルの空気取り入れから抜け出しまでを全てアンダーカウルへ送る様に設計されており、
ライダーに直接「熱気が当たらない」工夫がなされていました。で、最後に現在の中古市場を見てみますと、大体安いもので50万円あたりから、高くても70万円
前後で取引されている様です。またこの初期モデルに関しては劇的に球数が少なく、まず見つけるのに苦労しそうな感じです。ただしあれば驚くほどの価格帯と
ななっていないので、比較的安くリッターバイクに乗れると言った感じです。さて、今日はそんな1980年代の中盤にあったちょっと悲しい大型バイクの事情と共に、
このホンダ「CBR1000F(SC21)」をご紹介しましたが、いかがだったでしょう!(笑)
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