イタリアのメーカー「モトグッチ」と言えば「横置き型の2気筒エンジン」を搭載した独特のオートバイとして世界的に有名なメーカーであり、
さらには高級ブランドメーカーとしてスタートし、古くからの「歴史も持つ老舗のメーカー」だったりするのですが、
世の中が近代化されていく中、本質となるバイクとしての「パフォーマンス」部分で言うと、
日本製などの国産のスポーツバイクと比べ、そこまで優れた走りが期待出来るオートバイではありませんした。
特に1980年代までがそうで、ヨーロッパの細い道路を「長期間トコトコ走る」ってイメージが強かった事は間違いなかったと言えます。
しかし「モトグッチ」として「それだけではダメだ」と言う思考の変化から、
そこから遺脱し「速いマシンを作る」と言う考えに変換し始めたのが1990年代に入ってからの事で、
それを現実化した最初のモデルが、1992年に登場した「Daytona1000」と言うモデルだったりします。
特徴である横置き型の2気筒エンジンこそ、それまでと変わらない部分ではありましたが、4バルブ化されてたりOHVからOHCへの変更がなされ、
それまでのモデルと比べ力強さと、とてもスムースな回転を実現させた1100ccの大型排気量モデルであった訳です。
そこから少しづつ進化する中で1999年、ついにこの「1100スポルト コルサ」へと行き着く事となります。
いわゆる「Daytona1000」からの流れを汲む「モトグッチ」としての「スペシャルマシン」と言う位置付けです。
当時のリッター系スポーツモデルと肩を並べるスペックを手に入れたこの高級バイクは、
瞬く間に「モトグッチ」のイメージを変える分岐点となり、その後の「モトグッチ」のオートバイ作りに大きな影響を残す事となります。
で、スペックですが、エンジンが空冷式4ストV型横置き2気筒OHC4バルブで排気量が1100cc、最高出力は90psで最大トルクが9.4kg、
またフロントサスは倒立フォーク化され、オーリンズ製が採用されており、ブレーキシステムは前後ともブレンボー製。
駆動方式はドライブシャフト式で、ホイールベースがとても長く高速域での直線安定を図った設計となっています。
特に主だったレースには参戦していませんが、このマシンの開発に関わった人の中で、
アメリカのAMAスーパーバイク選手権で当時戦っていたジョン選手の監修が入っていた事があったりはしていました。
いわゆる世界で通用すスポーツモデルを「モトグッチ」として知らしめたかった1台だって事です。
このモデル以降を見ると2001年に「V11」、2007年に「V1200スポルト」と来て現在に通づる「V7」シリーズへと進化を遂げていきます。
現在の「V7」は750ccモデルなのですが、これは更に時代の流れからそれまでのリッター系スポーツバイクから遺脱し、
あくまでレースシーンで戦うメーカーではなく、歴史と伝統で支えられてる老舗のオートバイメーカーと言うイメージを、
もう一度取り戻し、打ち出した結果だと言えそうです。
最終的に総評すると「モトグッチ」として1990年代から2000年代まではより強烈なオートバイを目指し、
2010年あたりを境に、1990年以前のコンセプトに戻したという経緯になったと言う事の様です。
それだけに「1100スポルト コルサ」は、一瞬の光を放った「異質なモデル」として見られる1台になったと言えそうですね!(笑)
ところで1100スポルトってohv2バルブじゃなかったですか?
そんでもって市販化されてないだけでモトグッツィはデイトナ出す前からもスポーツ志向の強いメーカーで耐久レースなど結構出てた記憶があります
70年代にルマンシリーズやv7スポルトなどこだわって作られたマシンが多く90年代のデイトナはスーパーバイク寄りになっただけでは、、、?
特に調べもせず個人的な記憶の中で書き込んでる感があるので、
確かに間違った部分があった様です。(笑)
先代の「850ルマン」は国産レベルのレースで過去に「耐久レース」に使われてました。
にわかグッツィオーナーさんがおっしゃる通りだったです。(笑)
失礼いたしました。
国産バイクと違って歴史と伝統を持つイタリアのオートバイは魅力的で、
独特の存在感を放っていますよね。
ボクは人とは少し違うこう言ったオートバイが好きです。
ご指摘、ありがとうございます。