大型バイクにとっては、とても「変革期」であり「低迷期」でもあり「売れるバイクがどれなのか?」各社ともに、
完全迷走してた1990年代の半ば…。
ヤマハにとっても、1つのチェレンジとして登場させたのがこの「TRX850」だったりします。(笑)
その登場は、1995年からで最終モデルが1999年まで。
今見ると「大型ミドルクラス」の一般的なスポーツバイクに写って見えますが、
当時は、そうじゃなくて「本格的なスポーツバイク」として販売されてたものです。
それが証拠に1995年と1996年には、あの平忠彦選手の率いるチームで鈴鹿8時間耐久レースにも、
この「TRX850」で参戦してるんですよね。
また個人的には結構気になるオートバイで、登場した時点からちょこっと好きなバイクだったりします。(笑)
正直、あまり人気は無くて飛ぶように売れた車両ではなかったのですが、
全体のフォルムがボク的には好きだったりするんですよね。(笑)
で、肝心のスペックですが、まずエンジンは水冷式4スト並列2気筒DOHC(5バルブ)で排気量が849cc、
最高出力は83psで最大トルクが8.6kgとなっています。
この時代のヤマハってバルブ数が多いほど強力なパワーを生み出すと考え「FZR」などもに採用してた「5バルブ」が搭載されてたのですが、
後には、4バルブでクランクの角度を180度から270度へ変える事でより高性能なパワーを引き出すことが出来ると考え直し、
現在では、ほぼ全てのバイクが4バルブで落ち着いてるって感じになっています。
しかし、実はこの「TRX850」ってその270度クランクも早々と採用されてたんですよね。(笑)
当時、5バルブで270度クランクを持つオートバイは他にありませんでした。
ただ、現在の新車で売られてる同系統(750〜900cc)のスポーツ系大型オートバイを見ると100psを超えてるものがほとんどなので、
80psそこそこのエンジン出力って、今となってはやはり「非力」と言えばそうなちゃいますけどね。(笑)
また、車両のコンセプトに表れてる部分ですが、フレームはドゥカティでお馴染みの「トラスフレーム」が採用されており、
ブレーキシステムは純正でブレンボ製が搭載されていました。
かなり「ヨーロッパのオートバイを見本」にして作ら手た国産オートバイだったことも、これによってよく分かります。
最後に中古市場を見てみますと、安いもので30万円台から、高いもので80万円あたりが相場となっています。
取り立ててレアな価格ではありませんが、製造された年式でその差が出てる様です。
今見ても非常にコンパクトで車体も細く軽量感を感じれるオートバイですし、
不人気で激安な大型バイクの中にあって、この「TRX850」は個人的にオススメの1台じゃないかって思います!(笑)