平成24年7月10日に仙台農業協同組合六郷支店において,津波被害農地(野菜)の現状と作付け時における対策研修会を開催しました。
昨年,露地野菜の栽培においては津波の流入による塩害が問題になりました。しかし,震災以降の降雨によって除塩され,栽培は問題がなくなったと思われました。ところが,昨年秋くらいから土壌に硬盤が形成され,排水が悪くなったとの意見が聞かれるようになりました。
今回の研修会は,県農業・園芸総合研究所の職員を講師に招き,昨年と今年の土壌分析の結果や,硬盤形成と排水不良の原因,改善するための対策を支援するために開催したものです。
土が硬くなっている原因は,土壌に吸着している交換性ナトリウムの割合が多いためであること,改善するためには,石灰質資材を施用し土壌中のナトリウムを減らした上で,緑肥作物等の有機物をすき込んで物理性を改善し,マルチ等による土壌水分を保持するなど,複数の対策がより有効であるという話しがありました。
生産者は,どのようなしくみで土が硬くなっているのか,そしてどのような対応策が必要なのか大変理解できた様子でした。
今後も試験研究機関と連携し,海水が流入した畑地の塩害対策による野菜の生産安定を支援していきます。
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